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農林水産省

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令和3年度リスク管理検討会(第2回)議事概要

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日時

令和3年12月10日(金曜日)9時30分~12時00分

場所

Web会議

出席者

メンバー 
阿部氏、瓜生氏、子安氏、島原氏、早川氏、廣田氏、室谷氏、森田氏、稲津氏、大森氏

農林水産省関係者
消費・安全局 食品安全政策課 古畑課長、漆山課長補佐、福永課長補佐、五島専門官
消費・安全局 農産安全管理課 永川課長補佐
消費・安全局 畜水産安全管理課 岩田課長補佐、猪狩課長補佐

各議事の概要

1.議題と主な議論

本題に入る前に、第1回検討会においてメンバーから質問があった、農林水産省が行う食品安全に関する有害微生物のリスク管理における農畜水産物の生食に対する基本的な考え方の案について、資料6に基づいて農林水産省(漆山補佐)から説明。本資料は、メンバーからのご意見を考慮し、修正した上で活用することとなった。

(室谷氏)野菜、果実の生食の条件となる「適切な水洗い」には具体的な方法があるのか。溜め洗いをする者、さっと水で流すだけの者など、消費者によって差がある。微生物の低減効果が洗い方でどのくらい変わるのか分からないが、もし菌数に差があるのであれば、洗い方や時間の目安も示してはどうか。
(永川補佐)さっと水で流すというよりは、流水でしっかり洗っていただくことを想定している。
(漆山補佐)洗い方によって、菌数の低減効果が異なるというデータがあれば、それに基づいて消費者向けの助言をしていきたい。

(子安氏)肉類については加熱して食べることが前提とのことだが、牛肉ステーキではレア、ミディアムレアなどが一般的に食べられている。これについてはどのように考えればよいのか。
(福永補佐)肉類はしっかり加熱することが前提である。子どもや高齢者など、消費者によってリスクが異なるので、消費者や飲食店が総合的に判断するものと考える。
(子安氏)当社の場合は、お客様に焼き方の助言をすることもあるが、消費者自身で加熱する料理などでは、特に小規模な飲食店だと十分な管理がされていない印象を受ける。
(漆山補佐)飲食店側がしっかり内部まで加熱するよう声かけをするなど、消費者への注意は重要。引き続き、事業者にも取組の徹底をお願いしたい。

(阿部氏)前回の検討会で「生食の考え方」の整理をお願いした。今回の資料はよく整理されていて分かりやすい。以前、生食可能な鶏卵の輸出開始が話題になった。農畜水産物の輸出拡大という目標がある中、鶏卵の生食を前提とした家きんの飼養衛生管理として具体的に何をしていくのかが重要になると考える。

(森田氏)資料はわかりやすくまとまっているが、1点指摘したい。資料の「背景」に、「一部の農畜水産物については安全に生食できるものも存在する。」とある。これを一読したとき、一部の食文化であるように「鶏肉(鳥刺し)は生でも食べられる」という意味にもとれた。生食可能かどうかが記載された別表まで読んで、そういう意味ではないことが理解できたが、この文言だけ一人歩きして誤解されないか心配。「別表のとおり、一部の農畜水産物については・・・」や「農畜水産物によっては、別表のとおり・・・」などとした方がよい。
(漆山補佐)ご意見を考慮して修正する。また、本資料の取扱いについても検討したい。
(森田氏)鮮魚介類には生食できないもの等の例外はないのか。野菜、果実など他の品目は備考欄で例外について言及しているので、揃えた方がよいのではないか。サバなどは、地域によって生食する、しないが異なり、生食する地域ではアニサキス食中毒などが多く発生しているのではないか。
(漆山補佐)地域によっても食文化は様々なので、一般論として一つの資料にまとめるのは難しい。日本では魚介類の生食文化があり、生食できるかどうかは消費者や消費者に一番近い鮮魚店などで判断されている。水産物は種類が多く、現時点で整理はついていないが、引き続き検討していきたい。

議題1:「農林水産省が優先的にリスク管理を行うべき有害微生物のリスト」の更新

資料3-1、3-2に基づいて、優先的にリスク管理を行うべき有害微生物の候補のうち、現行の優先リストに掲載していない新規提案微生物について、検討基準に従って優先度を検討した結果を農林水産省(福永補佐)から説明。検討の結果、全ての新規提案微生物について、リスク管理の取組の優先度は高くないため、資料4の優先リスト案には記載しないことを提案。参加メンバー全員から、この提案を支持する旨のコメントをいただいた。加えて、メンバーから以下の意見、情報をいただき、農林水産省から回答した。

(子安氏)アニサキスについては、食中毒としての病原性は一過性の痛みで済むが、アレルギーを発症した場合、アニサキスが寄生する魚介類は加熱済みのものも含めて食べられなくなるなど、影響が後々まで継続してしまう。消費者から年に数回問い合わせを受けるが、実際にそのような事例がどのくらいあるのか知りたい。
(猪狩補佐)アニサキスアレルギーについては、実態調査等の詳細なデータがない。アニサキスは、寄生虫による食中毒としての対応としているため、アレルギーとしての対応とは分けるべきと考えている。アレルギーに関してはまだ情報収集中の段階である。
(廣田氏)冷凍・加熱以外のアニサキス殺虫方法を開発しているとのことだが、これは生産段階の対策か、それとも加工・流通段階のものか。
(猪狩補佐)加工段階の対策という情報である。経済産業省の支援を受けて、ある大学が特許出願した技術なので、当省から詳しくはお話できないが、パルスパワー(瞬間的に大電流を流す技術)を使ってアニサキスのみを殺虫するというもの。実用化に向けて動いているとのこと。
(森田氏)アニサキスは関係者の関心度がとても高く、患者数が増えているということもあるので、消費者としてはなぜ優先リストに入らないのかという印象を受けると思う。病原性は低いのかもしれないが、虫体の除去に内視鏡を用いるなど患者の負担は大きい。
(福永補佐)病原性については、症状の重篤性や二次感染の有無に基づいて判断している。また統計上の食中毒件数は増えているが、ほとんどが1件あたりの患者数が1名と少ない。また、すでにフードチェーン全体でアニサキスによる食中毒防止対策が取られており、当省として改めて対応を検討するというものではないと考えている。
(瓜生氏)アニサキスの関心度の高さは報道の影響などもあるので、客観的事実をもとに冷静な判断をしていただくのが大切と考える。水産業界としては、報道による風評被害の影響も深刻なので、十分な配慮、冷静な議論をお願いしたい。

(廣田氏)コロナ禍で生食用馬肉、加熱用の味付き内臓肉等のユニークな自動販売機が増えている。どのように管理されているのかが心配。農林水産省の所掌外と思うが、情報収集・動向管理が必要ではないか。
(漆山補佐)自動販売機の設置事業者にも、今般の食品衛生法の改正によりHACCPの考え方に基づく衛生管理が義務づけられており、自治体等の衛生部局から必要な指導が行われると考える。

(室谷氏)優先リスト案について、生産現場で感じている問題意識とズレはないと考える。ボツリヌス菌については、厚生労働省から食中毒対策に関する通知が出されているものの、6次産業化など小規模事業者では対策が守られていない例があると感じている。農林水産省でも問題意識の啓発など対応できることがあれば検討していただきたい。
(漆山補佐)6次産業化については、農林水産省で支援している側面があるので、ご懸念の点については所管部署とも情報共有する。
(稲津氏)新規提案があった微生物については、現時点でできることは情報収集・提供が主になる。資料としてはよくまとまっており、この方針でよいと考える。
(大森氏)検討内容やとりまとめについては十分であると考える。資料4の留意事項の中で、優先リストから除く理由として「国民の健康への影響が無視できるほど小さくなった」という記載がある。現在、さまざまな対策がとられた上でそのような状況になったのであり、今後は対策が不要と誤解されないよう書き方には工夫が必要と考える。
(漆山補佐)リスクが低くなっているのは関係者の皆様の努力あってこその結果なので、誤解がないように書き方を工夫したい。
(早川氏)新規性が高いハザードについては、関係省庁と連携して情報収集・整理をしていただきたい。
(島原氏)優先リスト案については、スーパーマーケットの現場からみても異論はない。現場で対応する際の参考とするのに十分な資料である。

議題2:「食品の安全性に関する有害微生物のサーベイランス・モニタリング中期計画(令和4年度~令和8年度)」の策定

資料5-1、5-2に基づいて、優先リストの検討結果も考慮し、令和4年度以降5年間に実施するサーベイランス・モニタリングの中期計画案について、農林水産省(福永補佐)から説明。参加メンバー全員から、この提案を支持する旨のコメントをいただいた。加えて、メンバーから以下の意見、情報をいただき、農林水産省から回答した。

(瓜生氏)カキのノロウイルスは、水準調査委員会を別途設置して調査の検討が行われているが、カキのA型肝炎ウイルスについて、サーベイランス・モニタリング中期計画ではどのような調査をするのか。同様の委員会を設置するのか。
(福永補佐)カキのノロウイルスに関しては、今後は低減対策に焦点をあてて調査をしていくこととなる。別途設置している委員会の中で、得られた結果は関係者の皆様に情報提供し、意見交換する。二枚貝のA型肝炎ウイルスについては、生食するものが問題となるので、代表的なものはノロウイルスと同じくカキとなる。現時点では汚染実態データがないので、ノロウイルスの水準調査委員会とも連携して実態把握のための調査を検討してまいりたい。

(子安氏)食肉の部位別の調査の予定はあるか。もし部位によって汚染実態に有意な差があるようであれば情報提供いただきたい。
(福永補佐)基本的には、食肉の汚染率の調査ではなく一番サンプリングしやすい糞便による保菌率の調査になると考えている。ブロイラーのカンピロバクターについては、鶏肉より肝臓で汚染頻度が高いとのデータもあるので、そのようなものは合理的に調査を計画していきたい。

(早川氏)国産の野菜・果実のA型肝炎ウイルスの汚染実態調査について、優先度は高くないと考える。最も心配なのは輸入冷凍果実であるが、所管の面から農水省では調査できないのは理解している。国産の野菜・果実を調査し、汚染実態がないのであれば、将来的に調査対象から外してよいと思う。
(漆山補佐)調査の目的として、汚染があることの確認だけでなく、汚染率が低い、汚染がないことを科学的に証明するという面もある。汚染率が低いことが分かれば調査の優先度を下げることを検討する。

(室谷氏)GFSI(グローバル・フード・セーフティ・イニシアチブ)の承認する民間規格では、腸管出血性大腸菌やサルモネラ等のリスクを想定して、レタスやホウレンソウがハイリスク作物として挙げられている。野菜の衛生管理指針の順守がハイリスク作物に有効であることを示すことは重要であるため、ハイリスク作物として指定されているものは調査対象にいれてほしい。また今後は、農産物への家畜ふん堆肥の利用が推進されていくと考えられるが、顧客からは安全性への懸念が根強くある。同様に、指針に基づく衛生対策の効果検証を視野に入れて欲しい。 栽培に使う水の検査コストが大きいので、現場としては簡易検査法の開発を待ちかねている。もし簡易検査法が実用化されれば、当該検査法を国際水準GAPガイドラインで推奨する方法として位置づけていただけるとありがたい。
(永川補佐)レタスなどのハイリスク作物についてはこれまでも調査対象としてきており、引き続き調査対象としていく。家畜ふん堆肥については、これまでの野菜の調査時にその使用の有無をアンケートしてきており、次回調査でも同様にアンケートを行い、その結果も踏まえて衛生対策の効果を検証していく。栽培に使う水に含まれる大腸菌(指標菌)の簡易検査法については、令和3年度から令和4年度の予定で研究を実施中。なお、現在の技術シーズの状況から、各農家個別で検査できるものというよりは、行政や例えば試験室を有する組織等において、簡易・迅速に検査できるようなものの開発を進めている。研究開発がうまくいった場合には国際水準GAPガイドラインの中で推奨する方法として位置付づけられるよう、関係課とも連携して検討していく。

(廣田氏)農林水産省が実施している消費者への情報発信は分かりやすいと感じている。生産現場の衛生管理については引き続き対応いただきたい。
(森田氏)今後行われる調査は、過去の調査結果と比較できるように設計するのか。効果検証のためには大事な視点であると考える。また、どのようなスケジュールで結果を公表するのか。公表の際には、SNSなどで公表したことのお知らせだけでなく、簡単な解説があるとありがたい。
(福永補佐)過去の調査結果との比較は必要と考えている。昨年に実施した市販鶏卵のサルモネラ調査は、平成19年度の調査とある程度比較できるような形で調査した。今後もできる限り過去と比較可能な調査としたい。一方で、検査技術や予算の制約などから過去には調査できていなかった菌や血清型もあり、そのようなものは新たに調査していく。結果については、速やかな公表・活用が重要と考える。ウェブページなど、形に拘らず公表していきたい。
(漆山補佐)SNSに加えて、J-FSANなどのツールも使って結果の解説を行いたい。

(稲津氏)前回の野菜の汚染実態調査では、腸管出血性大腸菌とサルモネラは検出されなかったと記憶している。きっと今回も検出されないのではないか。経年変化を追いたいのであれば、一般指標としての大腸菌を検査するしかない。もしくは、かなり検体数を増やさなければならないと思う。
(永川補佐)ご指摘のあった大腸菌については指標菌として前回調査において検査しており、次回調査でも検査する予定。また、前回調査の検体数は600点程度であり次回も少なくとも同程度の検体数は確保する形で検討し、生産段階における検出率が低いレベルで維持されていることを確認する予定。
(漆山補佐)細かい調査設計については、年次計画策定の際、次回以降のリスク管理検討会で議論いただく予定。

(大森氏)資料5-1において、腸管出血性大腸菌に関する事業者の取組が空欄で挙げられていないのには理由があるか。
(福永補佐)カンピロバクターやサルモネラなどは畜産物のと体処理時の対策が重要であることが分かっている。一方で、腸管出血性大腸菌は糞便検査だけでは菌の保有が分からないこともあり、事業者にどこまで何をお願いできるかの検討が進んでいないため、現時点では事業者の取組として明示できるものがない。今後、事業者と連携してできる取組があれば、検討・実施していきたい。

その他、農林水産省(五島専門官)から、飼養衛生管理情報共有システムに関して、参考資料5に基づき情報提供した。

2.結論

「農林水産省が優先的にリスク管理を行うべき有害微生物のリスト」の更新について、メンバーと農林水産省とで情報・意見の交換を行い、新規に提案のあった、アルコバクター属菌、ウェルシュ菌、エシェリキア・アルバーティー、クロノバクター・サカザキ、コレラ菌、セレウス菌、腸炎ビブリオ、病原性大腸菌(腸管出血性大腸菌を除く)、ぶどう球菌、Providencia alcalifaciens、ボツリヌス菌、アニサキス、クドア・イワタイ、クドア・セプテンプンクタータ、クドア・ヘキサプンクタータ、サルコシスティス・フェアリー、トキソプラズマ・ゴンディ、ユニカプセラ・セリオラエは優先リストに掲載しないことについて、特段の異論はないことを確認した。農林水産省が作成した「食品の安全性に関する有害微生物のサーベイランス・モニタリング中期計画(令和4年度~令和8年度)」の案について、特段の異論はないことを確認した。

3.今後の予定

「農林水産省が優先的にリスク管理を行うべき有害微生物のリスト(案)」、「食品の安全性に関する有害微生物のサーベイランス・モニタリング中期計画(案)」について、広く国民の意見を募集し、必要な修正を行った上で公表予定。 今回の検討会でいただいた意見、情報も考慮し、農林水産省が有害化学物質・微生物の令和4年度のサーベイランス・モニタリングの年次計画の案を作成。次回のリスク管理検討会ではこの年次計画案等について、意見・情報の交換を行う。次回の検討会は、令和4年の2月頃に開催予定。

お問合せ先

消費・安全局食品安全政策課

担当者:リスク管理企画班
代表:03-3502-8111(内線4453)
ダイヤルイン:03-6744-2135

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