第8章 調査、研究その他の施策の推進
文部科学省では、国民が日常摂取する食品の成分に関する基礎データを提供することを目的として日本食品標準成分表を作成。平成29年度についても引き続き充実を図り、148食品(うち16食品は新規)の成分値を公表。
農林水産省では、食育を推進する上で必要となる農林漁業の姿や食料の生産、流通、消費に関する基礎的な統計データや意識調査の結果等を広く国民に提供。
官民連携の「栄養改善事業推進プラットフォーム」が、平成28年9月に設立。約50の民間企業及び団体が加入し、営利事業として持続可能なモデルを構築することを目指して一体的に活動。平成29年にはインドネシアやカンボジアなど、東南アジアにて現地政府の協力の下、職場食を通じた栄養改善プロジェクトを発足。
コラム:オリンピック・パラリンピック栄養プロセス
平成24年に英国にてロンドン・オリンピック・パラリンピック競技大会が開催。英国政府はこの機会を利用して、国際社会における栄養改善への取組を加速させるために、国際的な取組として、「オリンピック・パラリンピック栄養プロセス」を開始。
我が国はこのプロセスに平成25年から参加。この年、英国が議長国となったG8ロック・アーン・サミットのサイドイベントとして、「成長のための栄養(N4G):ビジネスと科学を通じた飢餓との闘い」が開催。本イベントの成果文書として「成長のための世界的な栄養コンパクト」が作成され、2020年までに、少なくとも2千万人の子どもを発育阻害(stunting)から守り、170万人の命を救う、という目標を設定。我が国はこのとき、官民連携のもと世界の栄養改善に取り組むことを約束し、この約束が「栄養改善事業推進プラットフォーム(NJPPP)」の設立へと繋がった。
平成28年のリオ・デ・ジャネイロ・オリンピック・パラリンピック競技大会では、2020年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催国である我が国も加わり、ブラジル政府、英国政府と共に「N4G:全ての人々の健康な食へのアクセス促進の為の行動で栄養不良に対する進捗を加速させること」を共催。
平成29年には、かねてから栄養問題に関心を払ってきたイタリア政府が、本プロセスに賛同し、G7ミラノ保健大臣会合のサイドイベントとして、「国際栄養サミット」を開催。我が国は2020年のオリンピック・パラリンピック競技大会開催国として、この年に栄養サミットを開催予定。このように、栄養改善に対する国際社会の関心は年々高まってきている。
コラム:平成28年国民健康・栄養調査結果の概要
厚生労働省では、国民の身体の状況、栄養摂取量及び生活習慣の状況を明らかにするため、国民健康・栄養調査を毎年実施。平成28年には、地域格差を主要テーマとして調査地区数を拡大して調査を実施し、その結果を平成29年9月に公表。
平成28年の国民健康・栄養調査は、重点項目として体格や生活習慣に関する地域格差などを把握。
〈体格及び生活習慣に関する状況は、都道府県の上位群と下位群で有意な差〉
都道府県別に年齢調整を行い、高い方から低い方に4区分に分け、上位(上位25%)群と下位(下位25%)群の状況を比較した結果、BMI、野菜摂取量、食塩摂取量、歩数、現在習慣的に喫煙している者の割合(男性)で、それぞれ上位群と下位群の間に地域差。20歳以上の野菜摂取量の平均値は、上位群と下位群で男性59g/日、女性60g/日の差。また、男性の野菜摂取量及び男女の食塩摂取量は、平成24年の調査と比較した結果、都道府県間の格差が縮小。


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