3 都道府県及び市町村における食育に関する取組
食育推進運動を重点的かつ効果的に実施し、国民の食育に対する理解を深め、食育推進活動への積極的な参加を促し、その一層の充実と定着を図るため、「食育月間」では、都道府県及び市町村を始め、各地の保育所、学校、図書館、飲食店、企業等において、各種広報媒体や行事等を活用した取組が展開されました。
具体的には、余りやすい食材を使って食品ロス削減を意識した料理教室の実施、小学生を対象に漁船に乗り漁師の仕事や船の仕組みを学ぶとともに、地元で捕れた魚介類を使った調理を行う体験学習の実施、若い世代や働く世代の朝食欠食を減らすための、地元食品企業と連携した啓発活動等、様々な場面で多様な活動が展開されました。なお、農林水産省では、ホームページにおいて各都道府県等における「食育月間」の取組事例について情報提供を行っています(*1)。
*1 都道府県・政令指定都市の取組(農林水産省):https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/gekkan/torikumi.html
コラム:「第14回食育推進全国大会inやまなし」を通じた食育の普及啓発
「第14回食育推進全国大会inやまなし」は、令和元(2019)年6月29日、30日の2日間にわたり、山梨県甲府市(こうふし)の山梨県立産業展示交流館アイメッセ山梨をメイン会場に、「食がつなぐ人と未来~健康寿命日本一の富士の国やまなしから全国へ~」をテーマとして、140の展示ブース、26の講演会等のイベントが行われました。
展示ブースにおいては、食育に関するパネルやパンフレット等の展示、料理や出汁の試食・試飲、「お菓子づくり」や「お茶の入れ方」等の体験コーナー、郷土料理の料理教室等、各団体が趣向を凝らした内容の催しを行いました。また、「やまなしの食」を考えるシンポジウム、食品ロス削減に関するトークショー等も行われ、来場者に楽しみながら食育について考えていただきました。
メインステージでは、「第3回食育活動表彰受賞事例発表会~食がつなぐ人と未来~」を開催しました。受賞団体の有限会社蔵王(ざおう)マウンテンファームから酪農体験学習の事例、山梨県立ひばりが丘高等学校うどん部から高校の部活動としての「うどん部」の活動事例、気まぐれ八百屋だんだんから子供食堂を通じた共食の事例、山梨学院短期大学から大学における食育推進ボランティア活動の事例が発表されました。コーディネーターからは、「4団体の事例に共通することは地元、地域の取組であり、地元の土や水を使うことが未来の食の姿ではないか」とのコメントがありました。
また、第3次基本計画では、「健康寿命の延伸につながる食育」を重点課題としていることから、開催地山梨県の特徴となっている「健康寿命日本一」に関わる「健康寿命の延伸と食育の重要性」をテーマとした食育セミナーを開催しました。セミナーの講師からは、高血圧による健康への影響を始めとした医学的な知見や減塩醤油を使ったおいしい病院食への挑戦を中心に、健康寿命を延伸するための日々の食生活の改善についての講演がありました。
本大会の来場者は、2日間で約2万2千人となり、様々な催しを楽しみながら、食育について改めて考える機会となりました。
コラム:食育月間の取組「消費者の部屋」特別展示
食育の週~おいしい!国産食材で豊かで健やかな食生活~

「消費者の部屋」特別展示
食育の週~おいしい!国産食材で
豊かで健やかな食生活~
食育月間の取組の一環として、令和元(2019)年6月3日から7日まで、農林水産省の「消費者の部屋」において、「食育の週~おいしい!国産食材で豊かで健やかな食生活~」をテーマに特別展示を行いました。
展示期間中は、「日本型食生活」等を紹介するパネル展示等のほか、米、野菜・果物、きのこ、畜産物(牛肉・牛乳)等について、日替わりで展示や試食を行いました。
さらに、関係団体の協力を得ながら、それぞれの食材の魅力やおいしい食べ方・選び方を知ってもらうための実演も行いました。品種の異なるお米の味の違いを見極める「ごはんの食べ比べ」、国産牛肉のおいしい食べ方を知ってもらう「家庭で出来る美味(おい)しいステーキの焼き方の実演」、果物をよりおいしく食べる方法を伝える「果物のカッティングの実演」、国産原木しいたけを味わう「しいたけの試食」、殺菌方法による味・風味の差を理解してもらう「殺菌方法の異なる3種類の牛乳飲み比べ」等、様々な国産食材を見たり味わったりすることで、その良さを理解するきっかけづくりになるような内容としました。
「農業女子プロジェクト」のメンバーが講師を務めた玉ねぎ収穫体験教室では、近隣の保育園児を招き、玉ねぎが生産者から消費者に届けられるまでの過程の説明後、園児たちが実際に玉ねぎをプランターから掘り出し、「あったよ!」、「こっちにもあった!」と言いながら、土のついた玉ねぎを掘り出す楽しそうな笑顔が見られました。
期間中の5日間で延べ1,025人が来場し、来場者アンケートでは「来場をきっかけに食育に対する意識が変わった」、「これからは国産食材をもっと購入したい」などの感想が寄せられるなど、特別展示により多くの方に国産食材の魅力を感じてもらうことができました。
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