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農林水産省

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第1節 ボランティア活動等における取組


食生活が多様化する中で、地域の郷土料理や伝統料理等の食文化を大切にし、次の世代への継承を図るには、地域の食生活改善推進員など国民の生活に密着した活動を行っている食育ボランティアの役割が重要です。

一般財団法人日本食生活協会では、日本の食に対する興味や関心を高め、郷土料理の更なる活性化に寄与することを目的として、平成28(2016)年度に「郷土料理スペシャリスト」の認定制度を開設しました。開始後2年間は食生活改善推進員を対象としており、これまでに128名の「郷土料理スペシャリスト」が認定され活動しています。令和元(2019)年度は、スペシャリストの活動を把握するためアンケート調査を実施しました。調査によると、公民館での活動が一番多く、次いで学校への出前授業や自宅等で開催しているとの報告がありました。

また、食生活改善推進員は、郷土料理や食文化の継承を目的とした「おやこの食育教室」等を実施しており、子供とその保護者が一緒に郷土料理をつくる体験学習が各地で行われています。

さらに、東京オリンピック・パラリンピック競技大会開催に向けて、伝統的な郷土料理を味わう旅のガイドブック「日本の味 郷土料理めぐり」を作成しました。各都道府県の観光地や地域に伝わる郷土料理を外国人観光客にも味わってもらうために英訳も添えました。

事例:食生活改善推進員による食文化継承の取組

一般財団法人 日本食生活協会

「皿鉢(さわち)料理に挑戦」中学生に郷土料理を伝承(高知県協議会)

皿鉢(さわち)料理教室

皿鉢(さわち)料理教室

教室風景

教室風景

高知県協議会では、各市町村で郷土料理講習を実施しています。

奈半利町(なはりちょう)協議会では、地域の食や伝統文化を継承するため「子供たちに故郷の味を」をテーマに、毎年町内の中学1年生を対象に「皿鉢(さわち)料理教室」を実施しています。料理教室では、海苔巻きや地元で水揚げされたサバで作る姿ずし、特産の鶏肉を使った唐揚げ等を作り、「皿鉢(さわち)」に盛り付けます。「皿鉢(さわち)」にはりんごやみかん、柿などの果物も加わり、彩りの良い皿鉢(さわち)料理に仕上げます。料理教室を体験した中学生が、家庭や家庭科の授業で海苔巻きや稲荷寿司等を用いた皿鉢(さわち)料理を作り、家族や先生に提供する機会が増えており、この郷土料理教室が伝統的な郷土料理を子供たちに伝える機会となっています。奈半利町(なはりちょう)協議会では、今後も、子供たちと料理を楽しみながら皿鉢(さわち)料理を伝承していきます。

「郷土料理教室」かしわ汁と団子汁の伝承(熊本県協議会)

団子汁作り

団子汁作り

かしわ汁

かしわ汁

熊本県協議会では、各市町村で郷土料理教室を実施しています。

小国町(おぐにまち)協議会では、中学生や高校生、住民を対象に、「かしわ汁」や「団子汁」の郷土料理を伝承するための教室を実施しました。かしわ汁はかつて、交通の便が悪く肉や魚が手に入りにくいことから、家でニワトリを飼い、お正月やお祝い事の際に、捌(さば)いて料理に使っていたことが始まりで、分厚いしいたけでだし汁を取り、鶏肉と新鮮な野菜を煮込んだ料理です。

また、「団子汁」は、冬の寒さが厳しい時期も身体が温まりお腹がいっぱいになるよう、たくさんの野菜と小麦粉でできた団子を煮込んだ料理です。

どちらも、今は家庭で作る機会が少なくなり、食べたことのない人も多くなっています。子供たちや地元の住民向けの郷土料理教室を通して、これらの郷土料理を伝承し、地域の郷土料理を守り伝えることの大切さを伝えています。



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消費・安全局
消費者行政・食育課

担当者:食育計画班
代表:03-3502-8111(内線4576)
ダイヤルイン:03-6744-1971
FAX番号:03-6744-1974

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