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農林水産省

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1 我が国の食料安全保障と食育の推進


食育の環(わ)

食育の環(わ)

食育を推進することは、国民が生涯にわたって健全な心身を培い、豊かな人間性を育むことに資するとともに、国民の食生活が自然の恩恵の上に成り立ち、食に関わる人々の様々な行動に支えられていることへの感謝の念や理解を深めることにつながるものであり、持続可能な社会の実現に向けた重要な取組です。食育により、国民の健全な食生活の実現や、その実現を支える地域社会の活性化、豊かな食文化の継承及び発展、環境と調和のとれた食料の生産及び消費の推進並びに食料自給率の向上を図り、それらを通じて、国民の心身の健康の増進と豊かな人間形成を目指すとともに、社会全体で連携・協働して持続可能な食料システム(フードシステム)を構築することが期待されています。また、食料は、人間の生命の維持に欠くことができないものであり、かつ、健康で充実した生活の基礎として重要なものであり、将来にわたって、良質な食料が合理的な価格で安定的に供給されることが必要です。

我が国の令和3(2021)年度の食料自給率は、カロリーベースで38%、生産額ベースで63%であり(図表1-1-1)(*1)、食料、飼料等の多くを海外からの輸入に頼っています。我が国の農林水産業・農山漁村をめぐる状況として、農業者等の一層の高齢化・減少や農地等の生産基盤の脆弱化により食料自給力(*2)も長期的に低下しています。くわえて、地域コミュニティの衰退や大規模自然災害の頻発といった課題にも直面しています。また、世界の食料需給は、人口の増加や経済発展等に伴う需要増加が進む一方、気候変動や家畜の伝染性疾病・植物病害虫の発生等が食料生産に影響を及ぼす可能性があり、中長期的にはひっ迫が懸念されます。さらに、ロシアによるウクライナ侵略等によっても、食料安全保障上のリスクが高まっています。このような中、将来にわたって食料の安定供給を確保するためには、食料自給力の構成要素でもある農地、農業者等を確保していくことの重要性について国民の理解を促していくとともに、食料自給率は食料消費の在り方等にも左右されるものであることを踏まえ、できるだけ多くの国民が、我が国の食料・農林水産業・農山漁村の持つ役割や食料自給率向上の意義を理解する機会を持ち、自らの課題として将来を考え、それぞれの立場から主体的に支え合う行動を引き出していくことが重要です。

政府は、第4次基本計画に基づく基本的な取組方針として、「食に関する感謝の念と理解」や「食料自給率の向上への貢献」を掲げ、食料の生産から消費等に至るまでの食の循環において、生産者を始めとして多くの人々の苦労や努力に支えられていることを実感できるよう様々な体験活動や適切な情報発信を通じて、自然に感謝の念や理解が深まっていくよう配慮した施策を講じることや、我が国の食料需給の状況を理解し、生産者と消費者との理解を深め、消費者と生産者の信頼関係を構築していくことが必要であり、食料自給率・自給力の維持向上に資するよう施策を講じることとしています。これを踏まえ、農林水産省では、消費者が農林水産業・農山漁村を知り、触れる機会を拡大するために、生産者と消費者との交流の促進、地産地消の推進等、様々な施策を講じています。

*1 食料自給率は、輸入飼料による生産分を国産から除いて計算している。畜産物の自給率は、カロリーベースで16%、生産額ベースで53%であるが、輸入飼料による生産分を含めた畜産物の国産率は、カロリーベースで64%、生産額ベースで69%である。

*2 国内農林水産業生産による食料の潜在生産能力を示す概念。その構成要素は、農産物は農地・農業用水等の農業資源、農業技術、農業就業者、水産物は潜在的生産量と漁業就業者。現在の食生活に比較的近い「米・小麦中心の作付け」と供給熱量を重視した「いも類中心の作付け」の2パターンで国内生産のみで最大限供給可能な熱量を試算しており、その際、農地の制約に加えて、生産に必要な労働力の充足率を反映した供給可能熱量も試算。

図表1-1-1 我が国の食料自給率の推移

データ(エクセル:11KB / CSV:2KB



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