第4節 食品表示の理解促進
近年、消費者の食品の安全や健康に対する意識は高まり、食品の分かりやすい表示に対する要求も強くなってきています。消費者庁では、食品表示を食品選択に役立ててもらうため、消費者団体等と連携した消費者向けセミナーを全国各地で開催するとともに、都道府県や事業者団体等が企画する研修会等への講師派遣等を行うことにより消費者、事業者等への理解促進を図っており、令和4(2022)年度も以下を中心に、普及・啓発に取り組んでいます。
(1)加工食品の原料原産地表示制度
輸入品を除く全ての加工食品について、重量割合1位の原材料の原産地(当該原材料が加工食品の場合は製造地。)の表示を義務付けており、令和4(2022)年3月にこの新しい原料原産地制度の経過措置期間が終了しましたが、引き続き、消費者向けの啓発チラシや上記消費者向けセミナーを活用した普及・啓発に取り組んでいます。
(2)食品添加物の表示制度
食品添加物表示制度について、食品表示基準に規定された表示禁止事項に当たるか否かのメルクマールとなる「食品添加物の不使用表示に関するガイドライン」を公表しており、併せて消費者向けの啓発チラシ・ポスターも公表しています。
(3)保健機能食品と栄養成分表示制度
保健機能食品は、国が定めた安全性や有効性に関する基準等に従って、機能性を表示できる食品であり、「特定保健用食品」、「機能性表示食品」、「栄養機能食品」の3種類があります。これらの食品や栄養成分表示制度の一層の理解向上を図るため、新たな取組として、LINE公式アカウント「消費者庁 若者ナビ!」への投稿、消費者教育ポータルサイトへの資料掲載及び事業者団体等に対するポータルサイトの利用周知等を通じて、消費者等への正確な情報の普及啓発に努めています。
さらに、文部科学省が学校における食育を推進するために教職員向けに作成した「食に関する指導の手引-第二次改訂版-」においても、正しい知識・情報に基づいて食品の品質及び安全性等について自ら判断し、食品に含まれる栄養素や衛生に気を付けていくことが重要であるという視点で、「食品表示など食品の品質や安全性等の情報を進んで得ようとする態度を養う」などの記載をしており、学校現場で活用されています。

保健機能食品について(消費者庁)
URL:https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/foods_with_health_claims/(外部リンク)
コラム:動画プログラムを活用した栄養成分表示の普及啓発の取組

動画プログラム
消費者庁では、「令和3(2021)年度地方消費者行政に関する先進的モデル事業」において、消費者が栄養成分表示を知って、活用する機会を増やすことを目的とした動画プログラムを作成しました。さらに、動画プログラムを当庁ウェブサイト及びYouTubeへ掲載し、これを周知するリーフレットを作成しました。また、本動画は、消費者庁だけでなく地域で活躍する栄養士等も研修会等で利活用しています。本動画プログラムが、健康的な食生活のために消費者が栄養成分表示を利活用するきっかけになるよう、引き続き、普及啓発に取り組んでいきます。

これでわかる栄養成分表示!
基本のキ(消費者庁)
URL:https://www.caa.go.jp/policies/
policy/food_labeling/
nutrient_declearation/
consumers/movie/movie_01.html(外部リンク)

今日からスタート! 栄養成分表示を
使って減塩ライフ!(消費者庁)
URL:https://www.caa.go.jp/policies/
policy/food_labeling/
nutrient_declearation/
consumers/movie/movie_02.html(外部リンク)

体重や体型が気になる方に!
栄養成分表示の活用術(消費者庁)
URL:https://www.caa.go.jp/policies/
policy/food_labeling/
nutrient_declearation/
consumers/movie/movie_03.html(外部リンク)
(動画を活用した取組事例)
【千葉県 山武郡(さんぶぐん) 九十九里町(くじゅうくりまち)】九十九里町では、食に関する情報が溢れる中で、住民が食に対する正しい知識を持つこと、また情報を適切に選別し、活用できる力を習得することを目指して取り組んでいます。その取組の一環として、令和4(2022)年度に九十九里町の行政栄養士が、同町の食生活改善推進員に対して、栄養成分表示の理解を深めることを目的として研修会を開催しました。研修会では、動画プログラムを紹介し、その内容の振り返りとして栄養成分表示に関するクイズを実施しました。参加者からは、研修会を通じて「これまではエネルギーの記載しか見ていなかったが、食塩相当量も確認してみようと思った。」や「栄養成分表示を日々の生活に生かしたい。」等の感想がありました。
九十九里町では今後、地域で実施する健康相談で動画を紹介する等、地域住民の栄養成分表示についての理解度向上を目指した取組を進めていきます。
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