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農林水産省

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1 健康寿命の延伸につながる食育の推進


厚生労働省では、令和6(2024)年度から開始した国民健康づくり運動である「健康日本21(第三次)」において、健康寿命の延伸と健康格差の縮小の実現を目指し、生活習慣病の発症予防・重症化予防や、栄養・食生活、身体活動・運動等に関する51項目の目標を設定しています。例えば、適正体重を維持している人を増加させるため、肥満及び若年女性のやせの人の割合を減らすという目標を設定しています。また、成人だけでなく子供においても偏った栄養摂取や不規則な食事等の食生活の乱れによる肥満の傾向が見られることから、児童・生徒における肥満傾向児の減少についての目標も設定しています。さらに、野菜と果物の摂取量については、野菜摂取量の平均値を350g以上にすることや、果物摂取量の平均値を200gにすることを目指しています。こうした目標も勘案し、都道府県や市区町村においては、健康増進計画を策定し、計画に基づき様々な健康づくりに関する取組を実施しており、管理栄養士等による栄養指導や運動指導が行われています。

また、目標の達成に向けて、継続的に数値の推移等の調査や分析を行い、都道府県における健康状態や生活習慣の状況の差の把握に努める必要があることから、「健康日本21分析評価事業」を行っており、「健康日本21(第三次)」の目標設定等に用いられている「国民健康・栄養調査」における主要なデータの経年変化と諸外国との比較に関する分析を行っています。分析等の結果については、厚生労働省及び本事業の委託先である国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所のウェブサイトに掲載しています。

「スマート・ライフ・プロジェクト」ロゴマーク、健康寿命をのばそう!とのスローガン

「スマート・ライフ・プロジェクト」
ロゴマーク

「健康日本21(第三次)」の運動を更に普及、発展させるため、健康寿命の延伸に向けて、企業・団体・地方公共団体と協力・連携した取組として「スマート・ライフ・プロジェクト」を推進しています。毎年9月に展開している食生活改善普及運動では「食事をおいしく、バランスよく」を基本テーマに、主食・主菜・副菜をそろえたバランスのよい食事、野菜摂取量の増加、果物摂取量の改善、食塩摂取量の減少に焦点を当てた取組を実施しています。また、食生活改善の重要性を普及啓発することに焦点を当てた普及啓発ツールを、「スマート・ライフ・プロジェクト」のウェブサイトに掲載し、地方公共団体等とともに普及啓発ツールを用いた食生活の改善に関する取組を行うとともに、イベントでの普及啓発を実施しました。

食生活改善のための普及啓発ポスター

食生活改善普及運動普及啓発ツール

健康日本21分析評価事業
(国立研究開発法人医薬基盤・健康・
栄養研究所国立健康・栄養研究所)
URL:https://www.nibiohn.go.jp/eiken/
kenkounippon21/index.html
(外部リンク)

食生活改善普及運動(厚生労働省)
URL:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/
bunya/0000089299_00003.html
(外部リンク)

近年、活力ある「人生100年時代」の実現に向けて、健康寿命の更なる延伸が課題となっている中、健康への関心が薄い層も含めて自然に健康になれる食環境づくりの推進が急務となっています。厚生労働省では、自然に健康になれる持続可能な食環境づくりの推進に向けた産学官等連携の在り方について検討するため、「自然に健康になれる持続可能な食環境づくりの推進に向けた検討会」を開催し、令和3(2021)年6月に報告書を取りまとめました。そして、同報告書及び「東京栄養サミット2021」における日本政府のコミットメント(今後実施する政策等に関する誓約)を踏まえ、令和4(2022)年3月に産学官等連携による食環境づくりの推進体制として、「健康的で持続可能な食環境づくりのための戦略的イニシアチブ」(以下「健康的で持続可能な食環境戦略イニシアチブ」という。)を立ち上げました。健康的で持続可能な食環境戦略イニシアチブでは、「食塩の過剰摂取」、「若年女性のやせ」、「経済格差に伴う栄養格差」等の栄養課題等の解決に向けた参画事業者の行動目標の設定及び遂行について、事業者の環境・社会・企業統治(ESG(*1))評価向上の視点も踏まえた支援を行いながら、食環境づくりを推進しています。こうした活動により、食環境づくりが効果的に進み、国民の健康寿命の延伸を通じて、活力ある持続可能な社会の構築につながることを目指しています。この健康的で持続可能な食環境戦略イニシアチブを通じた産学官等連携による食環境づくりの取組は、令和6(2024)年5月に、世界保健機関(WHO(*2))の非感染性疾患等の予防・管理のためのマルチセクトラル・アクションに関する各国事例の報告書において、世界に詳しく紹介すべき事例として選定されました。また、健康的で持続可能な食環境づくりを全国各地で効果的に推進するには、国の取組(健康的で持続可能な食環境戦略イニシアチブ)と、地域特性を踏まえた都道府県の取組を相補的・相乗的に展開していくことが重要です。こうした観点から、「健康日本21(第三次)」では、健康的で持続可能な食環境戦略イニシアチブと各都道府県の食環境づくりの取組を連携させていくことを目標としています。この目標の達成に向けて、厚生労働省では、令和6(2024)年6月に「健康的で持続可能な食環境づくりのための国・都道府県等アライアンス」を立ち上げ、都道府県等での新たな食環境づくりを支援しています。

1 Environmental, Social and Governanceの略

2 World Health Organizationの略

「健康的で持続可能な食環境戦略イニシアチブ」が目指す世界の概念図

「健康的で持続可能な食環境戦略イニシアチブ」が目指す世界

日本人の野菜、果実の消費量は減少傾向にあります(図表2-3-1)。

第4次基本計画では、健康寿命の延伸を目指す「健康日本21(第二次)」の趣旨を踏まえ、令和7(2025)年度までに、1日当たりの野菜摂取量の平均値を350g以上、果物摂取量(*3)100g未満の者の割合を30%以下とすることを新たに目標として設定しました。「令和5年国民健康・栄養調査」によると、1人1日当たりの野菜類摂取量の平均値は256.0g、果実類摂取量の平均値は92.9gとなっています(図表2-3-2、2-3-3)。また、果物摂取量100g未満の者の割合は63.4%です。

野菜の摂取量を年齢階級別にみると、特に20~40歳代で少ないことが摂取量の平均値を下げている原因と考えられます。また、日頃の食生活において、自分自身が摂取している野菜の量や不足している野菜の量を正しく把握できていないことも理由の一つと考えられます。

3 果実類のうちジャムを除く摂取量

図表2-3-1 野菜、果実の消費量

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図表2-3-2 野菜類摂取量の平均値(性・年齢階級別、20歳以上)

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図表2-3-3 果実類摂取量の平均値(性・年齢階級別、20歳以上)

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野菜は、様々な栄養素が含まれており、ビタミン、ミネラル、食物繊維等の供給源です。

農林水産省では、令和2(2020)年から、野菜の消費拡大を目的とする「野菜を食べようプロジェクト」を実施し、本目的に賛同する企業・団体等の「野菜サポーター」とともに、「野菜を食べようプロジェクト」のロゴマークやポスターを活用し、野菜の需要喚起に資する様々な啓発活動等に取り組んでいます。

また、毎年、「野菜の日(8月31日)」に向けたシンポジウムを開催しており、令和6(2024)年度は、食の簡便化志向の高まりなどにより需要が増加している「冷凍野菜」をテーマに、「「冷凍野菜」を生活に上手に取り入れるために」と題するウェブシンポジウムを開催しました。本シンポジウムでは、冷凍技術の特徴や歴史、研究に基づいた冷凍保存の方法等に関する基調講演と、冷凍野菜の生産現場、冷凍食品業界の現状や取組、日頃の食生活での冷凍野菜の上手な活用方法等の講演を通じて、冷凍野菜や野菜摂取の重要性についての理解を深め、野菜の消費拡大の機運醸成を図りました。

そのほか、日頃の野菜摂取状況が把握できる測定機器を農林水産省内に設置し、来庁者及び職員に対して日頃の食生活に十分な野菜を取り入れることが習慣となるような機会を提供するなど、様々な取組を通して野菜の消費拡大を図りました。

「野菜を食べようプロジェクト」(農林水産省)
URL:https://www.maff.go.jp/j/
seisan/ryutu/yasai/2ibent.html

「野菜の日(8月31日)」ウェブシンポジウム(農林水産省)
URL:https://www.maff.go.jp/j/
seisan/ryutu/yasai/2ibent.html#3

野菜摂取を呼びかけるポスター

「野菜を食べようプロジェクト」ポスター
(令和4(2022)年度農産局長賞)

野菜摂取の「1日350g」の目安を表したイラスト

「1日350g」と目安を表した「野菜を食べよう
プロジェクト」ロゴマーク

パネルディスカッションの様子

「野菜の日」ウェブシンポジウムの様子

果実は、各種ビタミン、ミネラル及び食物繊維の摂取源として重要な食品です。

農林水産省では、「果樹農業の振興を図るための基本方針(*4)」(令和2(2020)年4月30日農林水産省決定)に基づき、日常的な果実摂取が生涯にわたる食習慣として定着するよう、消費拡大の取組を推進しています。具体的には、生産者団体等と協力し「毎日くだもの200グラム運動」による家庭や学校給食等における果実の摂取を促進するほか、健康の維持・増進に役立つ機能性関与成分も含まれているといった健康への有益性の周知、社会人(企業)を対象とした普及啓発に取り組んでいます。

そのほか、特に若い世代の果物の消費拡大を図るため、「カフェメニューコンテスト」を令和5(2023)年度に引き続き実施しました。令和6(2024)年度は、国内生産量の多い「みかん」をテーマに、カフェ等で提供することを想定したレシピを募集し、一次審査を通過した作品の中から、カフェ等の外食事業者により、自社のメニューとして採用したい特に優れたレシピとして6品が選定され、実際のメニューとして採用されました。

4 果樹農業の振興に関する基本的な事項等に関する基本方針であり、食育等の消費拡大に向けた対策の推進が挙げられている。

果物の1日にの摂取の目安を示したポスター

「国産果物の消費拡大に関するポスターデザイン」
(令和6(2024)年度農産局長賞)

果物をふんだんに使った料理

「カフェメニューコンテスト」外食企業採用作品
「キュるるんポックム」(最優秀レシピ賞)

事例:市町村別みそ汁の塩分濃度マップで食塩摂取量を見える化し、減塩意識の向上を目指す
(第8回食育活動表彰消費・安全局長賞受賞)

山梨県食生活改善推進員連絡協議会

山梨県食生活改善推進員連絡協議会は、各家庭のみそ汁塩分濃度を計測し、塩分マップを継続的に作成することで減塩意識の普及や健康づくりを目指す活動を行っています。

昭和54(1979)年の第1回県民栄養調査結果で山梨県が食塩摂取量全国1位になったことをきっかけに、山梨県の「すこやか県民減塩活動」に協力し、本格的な減塩活動を開始しました。昭和57(1982)年から各家庭を訪問し、みそ汁の塩分濃度の測定を実施しています。また、市町村別のみそ汁の塩分濃度を濃度別に着色した「市町村別のみそ汁の塩分濃度マップ」を作成、その後も定期的にマップを作成し、県民の実態を可視化することで減塩意識のきっかけとなっています。各家庭を訪問する際はみそ汁の塩分濃度の測定と同時に、作成した減塩マップを用いて県民の実態を説明するとともに、減塩のアドバイスや食べ物を無駄なく大切にすること等を伝えています。最近では、家庭でみそ汁を作らない家庭も多くなり、みそ汁の代わりに摂取しているインスタントみそ汁やスープ類等の塩分濃度を測定する工夫や、若い世代への減塩普及啓発も重要と考え、若い世代への家庭訪問を増やす工夫等、食生活の状況に即した工夫をしています。

このように、ほぼ毎日作られているみそ汁を調査することで、対象者自身がふだん摂取している塩分濃度を知り、自分の味覚を確認し、減塩の必要性を感じ、食生活全体を見直し、振り返るきっかけとなっています。

今後も引き続き、減塩普及の活動を継続し、自分自身の健康、そして家族の健康、地域住民の健康と、健康づくりの環を広げ、県全体の減塩の取組を推進していきます。

市町村別の味噌汁の塩分濃度のヒートマップ

市町村別のみそ汁の塩分濃度マップ

家庭訪問で味噌汁の塩分測定をする様子

家庭訪問で塩分測定をする様子



ご意見・ご感想について

農林水産省では、皆さまにとってより一層わかりやすい白書の作成を目指しています。

白書をお読みいただいた皆さまのご意見・ご感想をお聞かせください。

送信フォームはこちら(農林水産省総合窓口)

お問合せ先

消費・安全局
消費者行政・食育課

担当者:食育計画班
代表:03-3502-8111(内線4551)
ダイヤルイン:03-3502-1320

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