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農林水産省

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遺伝子組換えパパイヤに関する情報(詳細)

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遺伝子組換え農作物について

遺伝子組換え農作物とは

遺伝子組換え技術とは、ある生物が持つ遺伝子の一部を、他の生物の細胞に導入して、その遺伝子を発現(遺伝子の情報をもとにしてタンパク質が合成されること)させる技術のことです。

この技術を活用して、様々な性質を持つよう改良した農作物のことを遺伝子組換え農作物といいます。

これまでに、次のような遺伝子組換え農作物が開発されています。

  • 除草剤に抵抗性を持つセイヨウナタネ
  • 害虫に抵抗性を持つトウモロコシ
  • 有用成分を多く含むダイズ
  • 花の色を変化させたバラ

 

遺伝子組換え農作物を輸入、流通、栽培しようとする際に安全性を確保するための仕組み

我が国で遺伝子組換え農作物を輸入、流通、栽培しようとする場合には、事前に、品種ごとに、

  • 食品としての安全性は「食品衛生法」
  • 飼料としての安全性は「飼料安全法」
  • 生物多様性への影響は「カルタヘナ法」

に基づいて、科学的に審査し、問題が生じないことを確認することになっています。

 

詳細な情報については、次のホームページを参照下さい。
https://www.maff.go.jp/j/syouan/nouan/carta/seibutsu_tayousei.html

 

遺伝子組換えパパイヤについて

パパイヤの基本的な特徴 

形態用途 

パパイヤは、パパイヤ科パパイヤ属の常緑植物(年間を通じて葉が見られる植物)です。

原産地はアメリカ大陸の熱帯地域と言われています。

多年生で、年間を通じて開花結実しながら生育し、条件が良ければ最大で10 m程度まで達します。

茎(幹)の頂上部に大きな葉が多数つき、その根元に花が咲き、受粉、肥大してパパイヤ果実となります。果実は生食や加工に用いられます。

 木と果実果実 

(栽培中のパパイヤ) (パパイヤの果実(目盛り幅は左から1cm、5cm、10cm))

 

生育環境栽培地域

パパイヤの生育に最適な温度は21~33℃であり、月平均最低気温が12℃よりも高ければ生育可能です。また、霜に非常に敏感な植物であり、0℃以下では凍害を受け枯死します。

パパイヤの栽培は熱帯及び亜熱帯地域で行われており、主な生産国は下表のとおりです。 

パパイヤの主な生産国(FAO, 2008、単位:万トン)

国名
インド
ブラジル
ナイジェリア
インドネシア
メキシコ
生産量
363
189
77
65
64

 

 繁殖の方法

パパイヤは、自分の花粉や他のパパイヤの花粉で受粉します。受粉は風だけでなくダニや昆虫によっても起こります。

パパイヤの花粉は、最大400m程度風で運ばれるとされています。

果実の中には数百~千個の種子ができます。種子は数センチ厚の果肉に包まれているため、風によって広がる可能性は低いですが、鳥や動物が果実を食べた場合には、遠くまで運ばれる可能性があります。

 

パパイヤの病害虫

パパイヤの病害虫は、ダニ、ミバエ、菌類など様々なものがありますが、最も被害の大きいものがウイルス病です。特に、パパイヤリングスポットウイルス(注)と呼ばれるウイルスによる病害は、世界のパパイヤ栽培地において大きな被害をもたらしています。

PRSV罹病

 

 

(注)パパイヤリングスポットウイルス(PRSV):このウイルスがパパイヤに感染すると、果実にはっきりとした輪点(リングスポット)ができます。また、茎の生育が遅くなり、葉にモザイク症状や白化症状が出、果実の肥大が悪化し、糖度や収量が低下するなどの症状が現れます。(写真はPRSVに罹病したパパイヤ果実)

 

PRSVに罹病したパパイヤ(食品安全委員会作成資料より転載) 

 

我が国における栽培地栽培体系

パパイヤの栽培には熱帯から亜熱帯の気候が適していることから、我が国における主な栽培地は沖縄県、鹿児島県及び宮崎県です(栽培面積及び収穫量は下表のとおり)。未熟果は料理用、完熟果は生食用、また、両者とも漬け物やジャムなどの加工食品用として利用されています。

パパイヤの栽培面積及び収穫量(平成20年度「特産果樹生産出荷実績調査」)

 
栽培面積(ha)
収穫量(t)
沖縄
11.3
 102.9
鹿児島
10.5
   45.5
宮崎
  2.3
   58.8
24.1
 207.1

 

パパイヤの栽培には、露地栽培と施設栽培があります。我が国では、冬から春にかけての気温がパパイヤにとって低いこと、台風などの強風被害を受けやすいことなどから、施設栽培が主流です。

沖縄県では、一般的に3月頃に播種し、5~6ヵ月後に開花し、その5ヶ月後頃から収穫が可能となります。また、播種後2~3年すると、収穫量が下がる上、樹高が高くなり作業性が悪くなることから、通常、3年で新しいパパイヤに植え替えます。 

 

輸入に関する状況

過去5年の生果実の輸入量(農林水産省植物防疫所調べ、単位:トン)

国名
平成17年
平成18年
平成19年
平成20年
平成21年
フィリピン
2,340(56.6%)
2,646(62.9%)
2,780(69.1%)
2,942(75.7%)
2,510(78.5%)
米国(ハワイ)
1,750(42.3%)
1,513(36.0%)
1,227(30.5%)
927(23.8%)
674(21.1%)
台湾
18(0.4%)
36(0.9%)
4(0.1%)
16(0.4%)
11(0.3%)
フィジー
28(0.7%)
11(0.3%)
9(0.2%)
2(0.1%)
0(0.0%)
その他
0(0.0%)
0(0.0%)
0(0.0%)
0(0.0%)
1(0.0%)
4,136
4,207
4,021
3,887
3,196

 

過去5年の種子の輸入量(農林水産省植物防疫所調べ、単位:キログラム)

国名
平成17年
平成18年
平成19年
平成20年
平成21年
台湾
55(85.9%)
15(100.0%)
0
0.1(100%)
0
タイ
6(9.4%)
0
0
0
1(100.0%)
マレーシア
0
0
2(100.0%)
0
0
ハワイ
3(4.7%)
0
0
0
0
64
15
2
0.1
1

 

 過去5年の苗の輸入量(農林水産省植物防疫所調べ、単位:本)

国名
平成17年
平成18年
平成19年
平成20年
平成21年
台湾
6,310(95.5%)
0
23
3,025
4,560
タイ
300(4.5%)
0
0
0
0
6,610
0
23
3,025
4,560

 

米国で開発された遺伝子組換えパパイヤについて 

 米国における開発、栽培について

ウイルスの形を作っているタンパク質(外被タンパク質)に関する遺伝子を植物に導入すると、そのウイルスに対する抵抗性を獲得する場合があることが、昭和60年代に明らかになりました。

この技術を応用して、米国において、パパイヤリングスポットウイルスに耐性を示す遺伝子組換えパパイヤ品種の開発が進められました。

本組換えパパイヤ品種は平成2年に開発され(品種名:55-1)、平成8年にはUSDA-APHIS(米国農務省動植物検疫局)が、他の動植物に対し影響を及ぼさないと評価し、米国内での栽培認可が下りました。翌9年にはFDA(米国食品医薬品庁)が食品としての安全性評価を行い、安全性が確認されたことを受け、平成10年よりハワイにおいて商業栽培が開始されました(商品名:「Rainbow」)。

(詳細な情報)

USDA-APHISの栽培認可 http://www.aphis.usda.gov/brs/aphisdocs2/96_05101p_com.pdf (PDF:2,058KB) [外部リンク]

FDAによる安全性の確認 http://wayback.archive-it.org/7993/20171031093806/https://www.fda.gov/Food/IngredientsPackagingLabeling/GEPlants/Submissions/ucm161161.htm[外部リンク]

平成23年時点、ハワイにおけるパパイヤの作付面積のうち、本組換えパパイヤが占める割合は77%となっています。

我が国への輸入について

米国で開発された遺伝子組換えパパイヤは、平成16年にカルタヘナ法に基づく申請がなされ、平成23年12月、生物多様性への影響はないと判断し、食用に供するための使用、栽培、加工等について承認しました(概要以下)。

 

(詳細な情報)

パパイヤリングスポットウイルス抵抗性パパイヤの概要書等の概要

専門の学識経験者の意見

意見募集の実施結果 http://www.biodic.go.jp/bch/bch_3_1_8.html [外部リンク]

 

食品としての安全性については、食品安全委員会が同パパイヤの評価を行い、平成21年に人の健康を損なうおそれはないものと判断しました。これに伴い、消費者庁において表示の義務化の検討を行い、平成23年8月に新たに義務表示の対象品目として追加、カルタヘナ法に基づく承認がなされた同年12月以降同パパイヤを我が国に輸入することが可能となりました。

 

 【米国で開発された遺伝子組換えパパイヤに関する生物多様性評価の概要】

  • 野生植物との競合性

パパイヤは、我が国では、沖縄など一部の亜熱帯性気候の地域では生育する。しかし、人の手の加わっていない自然環境下では、強風に弱いなどの理由から、他の植物との生存競争に負け、拡大していくことはない。遺伝子組換えパパイヤが既に広く栽培されているハワイにおいても、パパイヤが自然環境下で雑草化しているとの報告はない。

また、我が国にはパパイヤリングスポットウイルス以外にも、パパイヤに病害をもたらす多くの菌類やダニ類などが存在し、同組換えパパイヤはそれらの影響を受ける。

以上より、組換えパパイヤが、他の野生植物を駆逐して自然界に拡大していく可能性は低いと判断する。

 

  • 野生動植物に対する有害物質の産生性

パパイヤの果実や葉には、タンパク質を分解する酵素であるパパインをはじめとする様々な成分が含まれているが、これらの成分が、土壌微生物や昆虫に悪影響を及ぼすことはない。

また、組換えパパイヤでパパイヤリングスポットウイルス外被タンパク質が仮に発現したとしても、野生動植物に対し悪影響を及ぼすことはない。

以上より、組換えパパイヤが、野生動植物に対する有害物質の産生に影響を及ぼす可能性は低いと判断する。

 

  • 野生植物との交雑性

我が国には、パパイヤと交雑可能な野生植物はない。

 

以上のことから、米国で開発された遺伝子組換えパパイヤによる生物多様性影響が生じるおそれはないと判断する。

 

(詳細な情報)

  • パパイヤリングスポットウイルス抵抗性パパイヤの概要書等の概要
  • 専門の学識経験者の意見
  • 意見募集の実施結果 http://www.biodic.go.jp/bch/bch_3_1_8.html [外部リンク]

 

台湾で研究中の遺伝子組換えパパイヤについて

台湾における遺伝子組換えパパイヤ研究の内容 

台湾でもパパイヤリングスポットウイルスに耐性を示す遺伝子組換えパパイヤが研究されています。

使われている原理は、病気の原因となるウイルスの外被タンパク質の遺伝子を農産物に導入することにより、その病気に対して抵抗性を持たせるというものであり、米国で開発・栽培されている遺伝子組換えパパイヤと同じです。

また、台湾で研究されているパパイヤは、米国の遺伝子組換えパパイヤと同様に、商業栽培用のパパイヤ品種に、パパイヤリングスポットウイルスの外被タンパク質の遺伝子の一部を導入したものです。 

 

我が国への輸入について

本パパイヤは、台湾国内でも商業栽培されておらず、輸出も行われていません。したがって、我が国の食品衛生法やカルタヘナ法に基づく申請は行われておらず、安全性について評価、承認していないため、輸入や栽培はできません。

 

我が国における生物多様性影響について

仮に本パパイヤが我が国へ輸入され、栽培されていた場合には、我が国の生物多様性への影響を未然に防止する観点から、カルタヘナ法に基づき、取り除くなどの措置が必要となります。

しかしながら、本パパイヤは、論文等の情報に基づけば、米国の遺伝子組換えパパイヤによく似たものであり、その生物学的特性は、同様であると考えられます。

米国の組換えパパイヤに関しては、

1)他の野生植物を駆逐して自然界に拡大していく可能性は低いこと

2)他の野生動植物に対する有害物質を産生しないこと

3)交雑可能な野生植物がないこと

から、我が国への生物多様性影響が生じるおそれがないと判断しています(詳細は「米国で開発された遺伝子組換えパパイヤに関する生物多様性評価の概要」をご覧ください。)。

したがって、本パパイヤによる我が国の生物多様性への影響は低いものと考えられますが、今後、台湾当局からの科学的情報の収集、学識経験者の意見等、さらなる知見の集積に努めます。

 

食品としての安全性に関する情報 

台湾で研究中の遺伝子組換えパパイヤの安全性については、厚生労働省が以下の見解を出しています。(厚生労働省の関係サイトへのリンク[外部リンク])

このパパイヤは、現時点で各国の安全性確認の申請が行われていないので、安全性の詳細は不明ではありますが、国立医薬品食品衛生研究所の協力により、このパパイヤ品種の安全性に関する情報について海外の研究報告等を調べたところ、台湾にある財団法人国家実験研究院科技政策研究情報センターのウェブサイトに掲載されている公的研究の結果報告から、次のような情報が確認できています。

アレルギー性に関して

  • このパパイヤの組換えタンパク質を、アレルゲンデータベースを用いて既知のアレルゲンと比較したところ、既知のアレルゲンとの相同性は50%未満であった。
  • 細胞を用いたサイトカイン分泌試験において、遺伝子組換えでないパパイヤと比較して顕著な差は認められなかった。

毒性に関して

  • 米国環境保護庁(USEPA)や経済協力開発機構(OECD)の試験法にも適合した方法で実施した、遺伝毒性試験(Ames試験)において、陰性の結果が得られた。

また、28日間の反復経口投与毒性試験等の毒性試験を台湾の中興大學が行っており、遺伝子組換えパパイヤが遺伝子組換えでないパパイヤと安全性の面で同等であったと結論づけられています。

なお、この遺伝子組換えパパイヤの摂食による危害に繋がるような情報は今のところ確認されていませんが、引き続き情報収集に努めていきます。

 

各種資料 

お問合せ先

消費・安全局農産安全管理課
担当者:組換え体企画班・組換え体管理指導班
代表:03-3502-8111(内線4510)
ダイヤルイン:03-6744-2102
FAX:03-3580-8592

 

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