フライドポテトを家庭で作るときのアドバイス
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(食品中のアクリルアミドに関する情報については、以下のウェブページに掲載していますので、まずはそちらをご参照ください。)
食品中のアクリルアミドに関する情報
1. まずは、原材料を吟味しましょう。
新しいじゃがいもが適しています。冷蔵庫で長い間保存したじゃがいもは、糖分が増えているため、揚げたときにアクリルアミドができやすいだけでなく、焦げやすいため、できあがりの色合いも良くありません。もし冷蔵庫で保存していたじゃがいもを揚げ物に使う場合には、室温に一週間程度置いておくと糖分が減ります。小さいじゃがいもや傷がついたじゃがいもはアクリルアミドができやすいので、煮る・蒸すなど等、水を使った、高温になりすぎない方法で調理することをおすすめします。
また、じゃがいもは長時間にわたって光が当たると「ソラニン」や「チャコニン」と呼ばれる天然毒素が増えるため、できるだけ真っ暗な場所で保存しましょう。詳しくはこちらをご覧ください。
2. 次は、じゃがいもの下ごしらえです。
じゃがいもは、小さく切りすぎないでください。切ったじゃがいもを水さらしすると、加熱したときにアクリルアミドに変わる成分(アスパラギンや還元糖)が食材の表面から洗い流され、アクリルアミドができにくくなります。
なお、揚げる前に電子レンジで加熱すると、一度揚げた場合よりもアクリルアミドができる量を少なく抑えることができるという報告があります。
3. 準備ができたら油でじゃがいもを揚げます。
50~100gのじゃがいもに対して、揚げ油を約1リットル用意し、油の温度を約170℃に設定しましょう。油の種類は、アクリルアミドができる量にあまり影響しません。なお、低温で一度揚げてから(約140℃で2~3分)、上記の条件で二度揚げすると食感がよくなりますし、一度に揚げた場合よりもアクリルアミドができる量を少なく抑えることができるという報告があります。
4. 十分に火が通ったら、じゃがいもを取り出します。
揚げている最中は、じゃがいもから目を離してはいけません。黄金色に軽く色が付いたらできあがりですので、焦げないうちに素早く油から上げましょう。170℃なら6分程度が目安ですが、じゃがいもの品種や切り方によって適切な揚げ時間は異なります。油から上げた後も余熱で色づきは進みますし、余計に加熱するとアクリルアミドがより多くできますので、長く揚げすぎないように十分に注意しましょう。揚げる前に電子レンジで加熱したり、二度揚げしたりした場合は、目安よりも揚げ時間を短くすることができます。
なお、食べるときに揚げ調理が必要な冷凍フライドポテトを調理した場合の揚げ色とアクリルアミド濃度の関係は以下のとおりとなります。
お好みで塩をふったらできあがりです。
調理の際はやけどしないように十分に気をつけてください。
関連情報
基礎編:アクリルアミドとは何か
詳細編:家庭で消費者ができること
更新履歴
- 令和4年3月25日:揚げ色とアクリルアミド濃度の関係の図の追加等を行いました。
- 安全で健やかな食生活を送るために ~アクリルアミドを減らすために家庭でできること~(農林水産省)
- S B. Erdogdu, T.K. Palazoglu, V. Gokmen, H. Z Senyuva, H I. Ekiz, Reduction of acrylamide formation in French fries by microwave pre-cooking of potato strips. J. Sci Food Agric, 87 (1) 133-137 (2007)
- K. Grob, M. Biedermann, S. Biedermann-Brem, A. Noti, D. Imhof, T. Amrein1, A. Pfefferle and D. Bazzocco, French fries with less than 100 μg/kg acrylamide. A collaboration between cooks and analysts, European Food Research and Technology, 217 (3) 185-194 (2003)
お問合せ先
消費・安全局食品安全政策課
担当者:化学物質管理班
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