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農林水産省

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平成16~28年度(2004~2016)食品中の3-MCPD及び1,3-DCPの含有実態調査の結果について

更新日:2019年3月28日


農林水産省は、2004~2006年度に、しょうゆ及びアミノ酸液中のクロロプロパノール類の実態を調査しました。その結果、混合醸造方式又は混合方式しょうゆの製造事業者が自社で製造したアミノ酸液を原料とした混合醸造方式又は混合方式しょうゆの一部に、高濃度に3-MCPDを含むものがあることがわかりました。
そこで農林水産省は、クロロプロパノール類の低減対策の導入を関係業界に要請し、製造事業者の皆さんはクロロプロパノール類の低減に取り組んできました。

2009年度以降は、2006年度の調査時点で自社で製造したアミノ酸液を原料として使用していた混合醸造方式又は混合方式しょうゆの製造事業者を対象に、低減措置の有効性を検証しました。その結果、混合醸造方式又は混合方式しょうゆ及びアミノ酸液中の3-MCPD濃度が大きく低減したことがわかりました。

含有実態の把握のための調査

2004年度:しょうゆ及びアミノ酸液中の含有実態調査(3-MCPD)

本醸造方式しょうゆ

104点の試料のうち、93点(89%)の3-MCPD濃度が定量限界未満でした。本醸造方式しょうゆはアミノ酸液を原料としないため、3-MCPDを定量限界以上に含まないことを確認しました。ごく微量に3-MCPDが定量された事例は、本醸造方式しょうゆとアミノ酸液を混合して混合醸造方式又は混合方式しょうゆを製造する際に、同じ施設(タンクやパイプ)を利用したため、アミノ酸液由来の3-MCPDが本醸造方式しょうゆに混入したことが原因と推察されました。

混合醸造方式又は混合方式しょうゆ

120点の試料のうち、110点(92%)の3-MCPD濃度が0.05 mg/kg以下と、ほとんどのものが低濃度でした。一方、最大値のものは7.8 mg/kgを示すなど、一部の試料には比較的高濃度の3-MCPDが含まれていました。
120点のうち、原材料に使用しているアミノ酸液が「大規模に製造・販売されているアルカリ処理がされたアミノ酸液」であることが確認された45点の3-MCPD濃度は、平均値が0.016 mg/kg、最小値が0.004 mg/kg、最大値が0.036 mg/kg であったことをコーデックス委員会に提出(PDF : 110KB)しました。

表1. しょうゆ中の3-MCPD濃度(2004年度)
食品 調査点数 定量限界1
未満の点数
3-MCPD濃度(mg/kg)
最小値
中央値2
最大値
平均値
本醸造方式しょうゆ   104   93 <0.004 - 0.008 0.003
混合醸造方式又は混合方式しょうゆ   120    1   0.004   0.016 7.8 0.21

1定量限界:0.004 mg/kg
2複数のデータを、数値が小さい方から順番に並べた時に、ちょうど中央にくる値のことです。50%を超える試料が定量された場合についてのみ記載しています。

アミノ酸液

我が国で使われているアミノ酸液は、その流通形態から見ると、以下の二つのグループに分けられます。
 (1)加工食品の原材料用として大規模に製造・販売されている、アルカリ処理がされたもの
 (2)混合醸造方式又は混合方式しょうゆ製造事業者が、主としてしょうゆの原材料として自社工場で製造するもの(自製アミノ酸液)

この調査から、大規模に製造・販売されているアミノ酸液(148点)の3-MCPD濃度は、自製アミノ酸液(9点)に比べて明らかに低いことがわかりました。

表2. アミノ酸液中の3-MCPD濃度(2004年度)
食品 調査点数 定量限界1
未満の点数
3-MCPD濃度(mg/kg)
最小値 中央値 最大値 平均値
大規模に製造・販売されたアルカリ処理がされたアミノ酸液   148 0  0.004  0.049   0.14  0.047
自製アミノ酸液      9 0  0.10  2.7 44  8.4

1定量限界:0.004 mg/kg

2005年度:自製アミノ酸液及び自製アミノ酸液を原料とした混合醸造方式又は混合方式しょうゆの実態調査(3-MCPD及び1,3-DCP)

2004年度の調査において明らかに高い3-MCPD濃度を示した自製アミノ酸液の調査点数は, わずか9点であり、実態を把握するには十分な試料数ではありませんでした。このことから、2005年度に、自製アミノ酸液40点及び自製アミノ酸液を原材料に使用した混合醸造方式又は混合方式しょうゆ40点について、あらためて3-MCPDと1,3-DCPの含有実態を調査しました。

自製アミノ酸液

自製アミノ酸液中の3-MCPD濃度は、大規模に製造・販売されているアルカリ処理がされたアミノ酸液と比べて高濃度であることがあらためて確認されましたが、試料によって比較的低濃度のものもあれば高濃度のものもありました。アミノ酸液中の1,3-DCPの実態を初めて調査した結果、3-MCPDに比べると極めて低い濃度であり、40点の試料のうち30点(75%)は定量限界未満でした。1,3-DCP濃度と3-MCPD濃度には正の相関関係があり、3-MCPD濃度が高い試料では1,3-DCP濃度が高く、3-MCPD濃度が低い試料では1,3-DCP濃度が低いことがわかりました。

表3. 自製アミノ酸液中のクロロプロパノール類濃度(2005年度)
調査対象物質 調査点数 定量限界1
未満の点数
クロロプロパノール類濃度(mg/kg)
最小値 中央値 最大値 平均値
3-MCPD 40       0   0.019   3.6 33 6.1
1,3-DCP 40     30 - <0.004   0.070 0.005

1定量限界:0.004 mg/kg

自製アミノ酸液を原料とした混合醸造方式又は混合方式しょうゆ

自製アミノ酸液を原料とした混合醸造方式又は混合方式しょうゆ中の3-MCPD濃度は、試料によっては比較的低濃度のものもあれば高濃度のものもありました。これらは、原料に用いられた自製アミノ酸液そのものの3-MCPD濃度の違いが大きな要因となっていると推察されました。1,3-DCPについては、3-MCPDに比べると低濃度であり、33点(83%)の試料で定量限界未満でした。

表4. 自製アミノ酸液を原料とした混合醸造方式又は混合方式しょうゆ中のクロロプロパノール類濃度(2005年度)
調査対象物質 調査点数 定量限界1
未満の点数
クロロプロパノール類濃度(mg/kg)
最小値 中央値 最大値 平均値
3-MCPD 40       0   0.014   1.5 17 2.3
1,3-DCP 40     33 <0.004 -   0.022 0.003

1定量限界:0.004 mg/kg

2006年度:自製アミノ酸液及び自製アミノ酸液を原料とした混合醸造方式又は混合方式しょうゆの実態調査(3-MCPD及び1,3-DCP)

2005年度に引き続き、自製アミノ酸液81点及び自製アミノ酸液を原料とした混合醸造方式又は混合方式しょうゆ54点中の3-MCPDと1,3-DCPの含有実態を調査したほか、新たにアミノ酸液の製造方法についても調査しました。

自製アミノ酸液

自製アミノ酸液中の3-MCPD濃度は、2005年度の結果と同様に、試料によって大きな濃度差がありました。自製アミノ酸液の製造方法による3-MCPD濃度の違いを調べるため、製造工程でアルカリ処理されたかどうかに分けて解析したところ、アルカリ処理されていないものでは3-MCPDの平均濃度が11 mg/kgであったのに対し、アルカリ処理されたものでは0.099 mg/kgと、100分の1程度に大きく低減されていることがわかりました。

1,3-DCP濃度についても、2005年度の結果と同様に3-MCPD濃度との相関関係が確認され、3-MCPD濃度が3 mg/kg以下であった50点の試料では、1,3-DCPは定量されませんでした。

表5. 自製アミノ酸液中のクロロプロパノール濃度(2006年度)
調査対象物質  調査点数 定量限界1
未満の点数
クロロプロパノール類濃度(mg/kg)
最小値 中央値 最大値 平均値
3-MCPD 81       0   0.009   2.2 57   6.6
  (アルカリ処理されたもの) 31       0   0.009   0.053   0.30   0.099
(アルカリ処理されていないもの) 50       0   0.13   3.3 57 11
1,3-DCP 81     66 <0.004 -   1.0   0.020

1定量限界:0.004 mg/kg

自製アミノ酸液を原料とした混合醸造方式又は混合方式しょうゆ

自製アミノ酸液を原料とした混合醸造方式又は混合方式しょうゆの中に、クロロプロパノール類の濃度が高いものと低いものがある主な要因は、原料の自製アミノ酸液に、アルカリ処理されたものとアルカリ処理されていないものがあることであり、クロロプロパノール類の濃度が高くなる主な要因は、アルカリ処理されていない自製アミノ酸液が使用されていることであると推察されました。
したがって、クロロプロパノール類の濃度が高いしょうゆの場合、原料として用いる自製アミノ酸液の製造工程にアルカリ処理を導入するか、原料として用いるアミノ酸液をアルカリ処理されたもの(例えば大規模に製造・販売されているもの)に変えるなどの低減対策を講じれば、その濃度は大幅に低減が可能と推察されました。

表6. 自製アミノ酸液を原料とした混合醸造方式又は混合方式しょうゆ中のクロロプロパノール類濃度(2006年度)
調査対象物質 調査点数 定量限界1
未満の点数
クロロプロパノール類濃度(mg/kg)
最小値 中央値 最大値 平均値
3-MCPD 54      0   0.010   0.83 20 2.2
1,3-DCP 54    48 <0.004 -  0.023 0.003

1定量限界:0.004 mg/kg

低減措置の効果を検証するための調査

2009年度:2006年度の調査時点で自製アミノ酸液を原料として使用していた製造事業者の混合醸造方式又は混合方式しょうゆ及び原料として使用するアミノ酸液の実態調査(3-MCPD)

アルカリ処理の導入等の製造工程の改善によるクロロプロパノール類の低減対策の効果を検証し、その見直しの必要性を検討するため、2009年12 月~2010年3月に、混合醸造方式又は混合方式しょうゆ及び原料として使用するアミノ酸液中の3-MCPD 濃度の実態を調査しました。
調査試料は、2006年度の調査時点で自製アミノ酸液を原料として使用していた混合醸造方式又は混合方式しょうゆの製造事業者から、関係団体を通じて入手しました。加えて、該当する製造事業者に対し、クロロプロパノール類の低減対策の実施状況について、関係団体を通じてアンケート調査を行いました。

表7. 混合醸造方式又は混合方式しょうゆ及びアミノ酸液中の3-MCPD濃度(2009年度)
食品 調査点数 3-MCPD濃度(mg/kg)
最小値 中央値 最大値 平均値
2006年度の調査時点で自製アミノ酸液を原料として使用していた製造事業者の混合醸造方式又は混合方式しょうゆ 55 0.009  0.069  4.6 0.49
原料として使用するアミノ酸液 48 0.017 0.14 10  1.3 

定量限界(0.004 mg/kg)未満の試料はありませんでした。

2009年度と2006 年度の調査結果を比較すると、混合醸造方式又は混合方式しょうゆ、原料として使用するアミノ酸液のいずれも、3-MCPD濃度の中央値は約10 分の1 以下、最大値や平均値は約5 分の1 の水準に低減したことが確認されました。

また、製造事業者に対するアンケート調査結果から、「アミノ酸液の調製工程でアルカリ処理等の措置を実施」、「自製アミノ酸液の全量又は一部を大規模に製造・販売されているアルカリ処理がされたアミノ酸液に変更」など、クロロプロパノール類の低減対策が実施されたことが確認できました。製造事業者のこうした取組が、3-MCPD 濃度の低減に繋がったと考えられます。

この調査から、製造工程の改善等による安全性向上対策がクロロプロパノール類濃度の低減に有効であることが改めて確認されました。

2011年度:2006年度の調査時点で自製アミノ酸液を原料として使用していた製造事業者の混合醸造方式又は混合方式しょうゆ及び原料として使用するアミノ酸液の実態調査(3-MCPD)

2009年度と同様に、アルカリ処理の導入等の製造工程の改善によるクロロプロパノール類の低減対策の効果を検証し、その見直しの必要性を検討するため、2011年11月~2012年1月に、混合醸造方式又は混合方式しょうゆ及び原料として使用するアミノ酸液に含まれる3-MCPD濃度の実態を調査しました。
調査試料は、2006年度の調査時点で自製アミノ酸液を原料として使用していた混合醸造方式又は混合方式しょうゆ製造事業者から、関係団体を通じて入手しました。加えて、該当する製造事業者に対し、クロロプロパノール類の低減対策の実施状況について、関係団体を通じてアンケート調査を行いました。

表8.混合醸造方式又は混合方式しょうゆ及びアミノ酸液中の3-MCPD濃度(2011年度)
食品 調査点数 3-MCPD濃度(mg/kg)
最小値 中央値 最大値 平均値
2006年度の調査時点で自製アミノ酸液を原料として使用していた製造事業者の混合醸造方式又は混合方式しょうゆ 55 0.008 0.087 3.4 0.45 
原料として使用するアミノ酸液 44 0.009 0.070 5.0 0.67 

定量限界(0.004 mg/kg)未満の試料はありませんでした。

2011年度と2006年度の調査結果を比較すると、混合醸造方式又は混合方式しょうゆ、原料として使用するアミノ酸液のいずれも、3-MCPD濃度は2009年度調査と同様に低い水準にあることを確認しました。

また、製造事業者に対するアンケート調査結果から、2009年度以降も、多くの事業者が継続して「自製アミノ酸液の製造工程にアルカリ処理を導入」、「自製アミノ酸液の全量又は一部を大規模に製造・販売されているアルカリ処理がされたアミノ酸液に変更」などの対策を実施し、一部の製造事業者はさらなる対策を実施していることがわかりました。

この調査から、製造工程の改善等による安全性向上対策がクロロプロパノール類濃度の低減に有効であり、かつ、製造事業者が継続的に対策を実施することが可能なことが確認されました。

2016年度:2006年度の調査時点で自製アミノ酸液を原料として使用していた製造事業者の混合醸造方式又は混合方式しょうゆ及び原料として使用するアミノ酸液の実態調査(3-MCPD)

2009、2011年度と同様に、アルカリ処理の導入等の製造工程の改善によるクロロプロパノール類の低減対策の効果を検証し、その見直しの必要性を検討するため、2016年9月~10月に、混合醸造方式又は混合方式しょうゆ及び原料として使用するアミノ酸液中の3-MCPD濃度の実態を調査しました。
調査試料は、2006年度の調査時点で自製アミノ酸液を原料として使用していた混合醸造方式又は混合方式しょうゆ製造事業者から、関係団体を通じて入手しました。加えて、該当する製造事業者に対し、クロロプロパノール類の低減対策の実施状況について、関係団体を通じてアンケート調査を行いました。

また、大規模に製造・販売されているアルカリ処理がされたアミノ酸液についても、2004年度の調査と同様に、3-MCPD濃度が低い状態で維持されていることを確認するために実態を調査しました。
調査試料は、2016年8月~2017年1月に、関係団体を通じて入手しました。

表9. 混合醸造方式又は混合方式しょうゆ及びアミノ酸液中の3-MCPD濃度(2016年度)
食品 調査点数 3-MCPD濃度(mg/kg)
最小値 中央値 最大値 平均値
2006年度の調査時点で自製アミノ酸液を原料として使用していた製造事業者の混合醸造方式又は混合方式しょうゆ 55 0.007 0.035 1.2 0.22 
アミノ酸液 2006年度の調査時点で自製アミノ酸液を原料として使用していた製造事業者が使用するもの 45 0.014 0.072 5.5 0.64 
大規模に製造・販売されているアルカリ処理がされたもの 60 0.018 0.063 0.29 0.086

定量限界(0.003 mg/kg)未満の試料はありませんでした。

2016年度と2011年度の調査結果を比較すると、混合醸造方式又は混合方式しょうゆ中の3-MCPD濃度の平均値及び中央値は、さらに2分の1以下に低減したことがわかりました。混合醸造方式又は混合方式しょうゆ製造事業者が原料として使用するアミノ酸液中の3-MCPD濃度は、2011年度の調査結果と同様に低い水準でした。大規模に製造・販売されているアルカリ処理がされたアミノ酸液中の3-MCPD濃度は、2004年度と同様に低い水準でした。

また、製造事業者に対するアンケート調査結果から、全ての製造事業者が「自製アミノ酸液の製造工程にアルカリ処理を導入」、「自製アミノ酸液の全量又は一部を大規模に製造・販売されているアルカリ処理がされたアミノ酸液に変更」などの対策を実施していることがわかりました。今後、さらなる低減対策の導入を予定している製造事業者も一社ありました。

この調査から、製造工程の改善等による安全性向上対策がクロロプロパノール類の濃度の低減に有効であることが改めて確認されました。

農林水産省は引き続き、製造事業者と連携し、混合醸造方式又は混合方式しょうゆ中のクロロプロパノール類の低減措置の普及及びその有効性の検証を行います。

各年度の調査結果の詳細はこちらをご覧ください。

お問合せ先

消費・安全局食品安全政策課
担当:化学物質管理班
代表:03-3502-8111(内線4453)

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