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農林水産省

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食品安全委員会における考え方

作成日:2019年3月28日
更新日:2021年9月17日

食品安全委員会は、3-MCPD脂肪酸エステル類やグリシドール脂肪酸エステル類の摂取について、以下のような考え方を公表しています。

3-MCPD脂肪酸エステル類

食品安全委員会は、2017年6月に、「食品からの3-クロロ-1,2-プロパンジオール(3-MCPD)脂肪酸エステルの摂取」という資料を公表し、健康への影響について以下の考え方を示しました。


日本における国民平均の摂取量は、JECFAによる2016年の推計によれば0.1μg/kg体重/日であり、JECFAが設定した耐容一日摂取量(4μg/kg体重/日)を大きく下回っていることから、健康への懸念はないと考えられます。
他方、乳児においては、乳児用調製粉乳の3-MCPD脂肪酸エステル濃度として最大値を用いて推計した値は、JECFAによる耐容一日摂取量よりも大きくなります。 しかしながら、

  • ア.JECFAが耐容一日摂取量の設定に用いた動物試験における投与量(1.97~37.03mg/kg体重/日)と、食品安全委員会が乳児用調製粉乳の3-MCPD脂肪酸エステル濃度として最大値を用いて推計した乳児における摂取量とでは大きな開きがあることから、ヒトの健康影響に直ちに結びつくものではないこと、
  • イ.2006年に油脂中の3-MCPD脂肪酸エステルの存在が確認される以前から、乳児用調製粉乳には含まれていたと考えられるものの、これが原因と考えられる健康被害の報告はみられないこと

等から、直ちに乳児の健康影響を懸念する必要はないと考えています。 むしろ、育児用調製粉乳には母乳に含まれる栄養素がバランスよく含まれており、乳幼児の発育にとって代替品のない必要不可欠な食品であり、栄養不良によるリスクも勘案すると、これまで通り与えることが重要です。
他方、食品中の3-MCPD脂肪酸エステルの濃度を低減するための適切な取組みが進められることが重要と考えています。

詳しくは、食品安全委員会の資料をご覧ください。
食品からの3-クロロ-1,2-プロパンジオール(3-MCPD)脂肪酸エステルの摂取(食品安全委員会)〔外部リンク〕

ファクトシート(科学的知見に基づく概要書): 「食品中のクロロプロパノール類(令和3年3月30日更新)(食品安全委員会)(PDF:593KB)〔外部リンク〕

グリシドール脂肪酸エステル類

食品安全委員会は、2015年3月に、「高濃度にジアシルグリセロール(DAG)を含む食品」の安全性について評価を行いました。また、関心のある方々に向けたQ&Aを公表しました。グリシドール脂肪酸エステル類の摂取については、以下のとおり述べています。


問: グリシドール脂肪酸エステルは、健康への影響がありますか。

  1. 食品安全委員会では、高濃度にジアシルグリセロールを含む食品の安全性に係る審議において、グリシドール脂肪酸エステルから生成するグリシドールは遺伝毒性発がん物質である可能性を否定することができないことから、本件についても審議を進めてまいりました。
  2. 審議の結果、グリシドール脂肪酸エステルを不純物として含むDAG油の発がんプロモーション作用は否定され、また、実験動物を用いた試験系において、問題となる毒性影響は確認されませんでした。 加えて、我が国で現在流通している食用油に含まれるグリシドール脂肪酸エステル含量は低く(DAG油と比べて、数十分の1程度)、そのすべてが等モル量のグリシドールに変換されるという仮定の下、過大に見積もって試算しても、剰余腫瘍発生リスク(10-4、10-5及び10-6に相当するばく露量は、それぞれ1.6×10-3、1.6×10-4、1.6×10-5 mg/kg体重/日)は極めて低く、ばく露マージン(MOE、食品安全委員会Q&AのQ13参照)は10,000を僅かに下回る値と試算され、一定のばく露マージンが確保されてました。 また、諸外国においても、ヒトにおけるグリシドール脂肪酸エステル摂取による健康被害の報告は確認されていません。
  3. これらの結果は、現在使用されている食用油の摂取について、直接健康影響を示唆するものではないと判断しました。
  4. しかしながら、グリシドールは遺伝毒性発がん物質である可能性を否定することはできないため、ALARA(As Low As Reasonably Achievable)の原則に則り、様々なほかのハザードのリスク等も勘案しつつ、引き続き合理的に達成可能な範囲で出来る限りグリシドール脂肪酸エステルの低減に努める必要があると考えています。


問: 農林水産省の調査の結果、グリシドール脂肪酸エステルを含むとされた食品は、今後摂取しない方がよいのですか。

  1. 食品安全委員会では、グリシドール脂肪酸エステルについては、現在使用されている食用油については一定のばく露マージンが確保されており、直接健康影響を示唆するものではないと判断しました。
  2. また、グリシドール脂肪酸エステルについては、農林水産省が行った調査においては、含有量は諸外国と比べて低い傾向にあり、食品安全委員会では、脂肪酸エステル摂取による健康被害の報告は確認されておらず、現在の科学的知見においては、これまでと同様に日本人における健康への懸念は低いと考えています。
  3. なお、農林水産省の調査において、グリシドール脂肪酸エステルは広く食用油に微量に含まれていることが確認されています。特定の食用油を避けたりすることなく、バランスよく使用することが大切です。
  4. 脂質は生命の維持に必須で重要な栄養素ですが、近年、食文化の変化等により油脂類の摂取が過剰となる傾向があり、過剰な摂取は健康に悪影響を与えます。以下の「食事バランスガイド」を参考に、バランスの良い食事を心がけることが大切です。

【参考】
厚生労働省『「食事バランスガイド」について』 
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/eiyou-syokuji.html〔外部リンク〕
農林水産省『「食事バランスガイド」について』
https://www.maff.go.jp/j/balance_guide/


問: 育児用調製粉乳を、これからも子どもに飲ませても大丈夫ですか。

  1. 育児用調製粉乳については、乳幼児期の限られた一時期における摂取であることから、生涯にわたり摂取することを想定した健康影響評価を行うことは不適切です。なお、諸外国においてもヒトにおけるグリシドール脂肪酸エステル摂取による健康被害の報告は確認されていません。また、我が国における調製粉乳に含まれるグリシドール脂肪酸エステルは諸外国と比べて低い実態にあります。これらのことから、現在得られている知見からは、直接健康影響を示唆するものではないと判断したところです。
  2. 育児用調製粉乳は、母乳に含まれる栄養素がバランスよく含まれており、特に母乳を与えることができない場合、乳幼児が育つ上で不可欠で代替品のない食品であり、栄養不良によるリスクも勘案すると、これまで通り与えることが重要です。

詳しくは、食品安全委員会のウェブサイトをご覧ください。
高濃度にジアシルグリセロールを含む食品の安全性について(食品安全委員会)〔外部リンク〕
「高濃度にジアシルグリセロール(DAG)を含む食品」に関連するQ&A(食品安全委員会)(PDF:747KB)〔外部リンク〕

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