作成日:平成29年12月5日
ブロイラー鶏群から製造された鶏肉のサルモネラ汚染の季節変化調査
2.1.2.2. 食鳥処理場
2.1.2.2.3. ブロイラー鶏群から製造された鶏肉の菌汚染の季節変化調査(平成23年度)
食鳥処理場から出荷される鶏肉のサルモネラ汚染率が、季節によって変化するかどうかを把握するために、食鳥処理場2か所において、約半年にわたり、計44鶏群から製造された鶏肉を対象にサルモネラの調査を行いました。その結果、一方の食鳥処理場では、調査した全ての月(10月~翌年3月)に鶏肉の17%~53%からサルモネラが分離されました。もう一方の食鳥処理場では、9月と翌年2月は鶏肉からサルモネラは分離されず、10月~翌年1月は鶏肉の13%~78%からサルモネラが分離されました。 |
(1) 目的
食鳥処理場から出荷される鶏肉のサルモネラ汚染率が、季節によって変化するかどうかを把握する11。
11 「ブロイラー鶏群から製造された鶏肉のカンピロバクター汚染の季節変化調査」(2.1.1.2.3)と併せて実施。
(2) 試料採取
ブロイラー生産者2社の食鳥処理場2カ所(A及びB)において、平成23年9月~平成24年3月の間に、それぞれ11処理日ずつ(隔週)を選び、第1鶏群(1番目に処理される鶏群)及び第2鶏群(2番目に処理される鶏群)を調査対象(計44鶏群)としました。各鶏群から、解体・包装後に鶏肉(ムネ肉、モモ肉及び肝臓)を5袋ずつ(1鶏群につき試料15点)採取しました。
(3) 微生物試験
鶏肉を試料としてサルモネラの定性試験(3.2.1.5)を実施しました。
(4) 結果
食鳥処理場Aでは、調査した全ての月(10月~翌年3月)で鶏肉からサルモネラが分離され、汚染率は17%(10月:10/60)~53%(翌年1月:32/60)の間を推移しました。一方、食鳥処理場Bでは、10月~翌年1月は鶏肉の13%(翌年1月:8/60)~78%(11月:47/60)からサルモネラが分離され、9月と翌年2月は、鶏肉からサルモネラが分離されませんでした(表22)。
表22:鶏肉のサルモネラ汚染率の季節変化(部位別)
処理場 |
鶏肉 |
鶏肉のサルモネラ汚染率(%)[陽性点数/試料点数]) |
||||||
9月 |
10月 |
11月 |
12月 |
1月 |
2月 |
3月 |
||
A | 全体 |
採取せず |
17% [10/60] |
38% [23/60] |
52% [31/60] |
53% [32/60] |
42% [25/60] |
40% [12/30] |
ムネ肉 |
採取せず |
10% [2/20] |
20% [4/20] |
45% [9/20] |
55% [11/20] |
50% [10/20] |
60% [6/10] |
|
モモ肉 |
採取せず |
30% [6/20] |
15% [3/20] |
60% [12/20] |
45% [9/20] |
35% [7/20] |
40% [4/10] |
|
肝臓 |
採取せず |
10% [2/20] |
80% [16/20] |
50% [10/20] |
60% [12/20] |
40% [8/20] |
20% [2/20] |
|
B | 全体 |
0% [0/30] |
65% [39/60] |
78% [47/60] |
62% [37/60] |
13% [8/60] |
0% [0/60] |
採取 |
ムネ肉 |
0% [0/10] |
35% [7/20] |
80% [16/20] |
55% [11/20] |
20% [4/20] |
0% [0/20] |
採取 |
|
モモ肉 |
0% [0/10] |
90% [18/20] |
85% [17/20] |
60% [12/20] |
15% [3/20] |
0% [0/20] |
採取 |
|
肝臓 |
0% [0/10] |
70% [14/20] |
70% [14/20] |
70% [14/20] |
5% [1/20] |
0% [0/20] |
採取 |
まとめ 一方の食鳥処理場の鶏肉は、調査した全ての月(10月~3月)でサルモネラが分離されました。もう一方の食鳥処理場の鶏肉は、10月~翌年1月に鶏肉からサルモネラが分離され、9月と翌年2月には鶏肉からサルモネラが分離されませんでした。 食鳥処理場から出荷される鶏肉の汚染率の季節変化を把握するためには、さらに追加の調査を行い、調査対象の食鳥処理場や鶏群の数を増やす必要があると考えられました。 |
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