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農林水産省

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「安全な農畜水産物安定供給のための包括的レギュラトリーサイエンス研究推進委託事業」食品安全プロジェクト試験研究課題に関する研究成果報告会の開催及び参加者の募集について

農林水産省は、令和6年8月2日(金曜日)に「安全な農畜水産物安定供給のための包括的レギュラトリーサイエンス研究推進委託事業」食品安全プロジェクト試験研究課題に関する研究成果報告会を開催します。本報告会は、ウェブ会議システムにより開催します。

1.趣旨

農林水産省は、安全な農畜水産物の安定供給に資するよう、食品安全、動物衛生、植物防疫等に関する行政施策・措置の決定に必要な科学的知見を得るための研究事業「安全な農畜水産物安定供給のための包括的レギュラトリーサイエンス研究推進委託事業」を実施しています。
本報告会では、行政施策・措置と科学的情報の橋渡しとなる「レギュラトリーサイエンス」について解説した上で、本事業において実施した食品安全分野における試験研究課題について、どのような社会的背景により研究課題の設定を行ったかをご説明し、主要な研究成果についてご報告いたします。
コメのヒ素低減技術の開発や、かび毒の低減に関する技術開発、食品中の有害化学物質低減のための研究等の成果を分かりやすく解説しますので、生産現場に携わる生産者、農業団体、地方自治体、食品関連事業者や研究機関・検査機関の研究者のほか、ご関心のある方はぜひご参加ください。

2.開催日時及び開催方法

  • 日時︓令和6年8月2日(金曜日)13時30分~16時15分
  • 会場︓Microsoft Teamsによるウェビナー(参加申込をされた方には、開催前日を目途にURLをお知らせします。)

3.主催

農林水産省 消費・安全局 食品安全政策課

4.プログラム

1.開会のあいさつ(農林水産省)/13時30分~13時35分

2.レギュラトリーサイエンスとは(農林水産省 消費・安全局 食品安全政策課)/13時35分~13時45分

3.研究課題の背景と成果 /13時35分~16時10分

(1)省力的かつ現場で使い易いコメの無機ヒ素低減技術の開発

  • 予定時刻:13時45分~14時10分
  • 説明者:行政担当官(消費・安全局 農産安全管理課)、板橋 直(国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構 農業環境研究部門)
  • 研究概要
    日本人の食生活において無機ヒ素の主要な摂取源となっているコメにおいて、ヒ素濃度を低減するためには、水田を好気的に管理することにより土壌中のヒ素の溶出が抑制される性質を利用することが有効です。しかし、このときにカドミウムが可溶化して水稲に吸収されるというトレードオフ問題を解消する必要があります。また、生産現場に新たな管理を導入するに当たっては、現場での実行性に加え、収量・品質への影響も考慮する必要があります。
    本研究では、収量・品質を落とさずに間断灌漑3湛4落と同等の無機ヒ素低減効果を持ち、現場での実行性の高い水管理を中心とした栽培管理技術の開発、そのための水管理のタイミングの参考になる使いやすい指標の開発に取り組みました。さらに、鉄資材既施用区の低減効果の持続性、安価な資材の新規連年施用によるヒ素、カドミウムの低減効果の確認、コメへのヒ素蓄積の大きいイネ生育期間の特定及び玄米中ヒ素濃度の早期予測法の開発を目的としました。

研究の詳細はこちらをご覧ください。

(2)国産農産物中のかび毒及びかび毒類縁体の動態解明並びに汚染の防止及び低減に関する研究

  • 予定時刻:14時10分~14時35分
  • 説明者:行政担当官(消費・安全局 農産安全管理課)、久城 真代(国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構 食品研究部門)
  • 研究概要
    麦類赤かび病は、世界中で発生している麦の最重要病害であり、収量・品質低下をもたらすのみならず、子実へのかび毒(デオキシニバレノール(DON)、ニバレノール(NIV)等)蓄積の原因となります。近年、諸外国で麦子実におけるDON配糖体が注目されていますが、蓄積量の情報が少なく、類縁体を含めたかび毒の分析法の高度化が望まれています。また、麦類穀粒等、農産物中及び環境中のかび毒産生菌(DON、NIV等のトリコテセン及びアフラトキシン(AF))の分布実態が明らかにされていません。
    本研究では、小麦、大麦等の主要穀物及び主要農産物中のかび毒及びかび毒類縁体(主にDON、NIV、AF)汚染実態を明らかにし、汚染を防止、抑制、低減し、安全性の高い国産農産物を安定的に供給する技術を開発することを目標としました。

研究の詳細はこちらをご覧ください。

(3)抗菌剤の使用による薬剤耐性発現の実態調査手法の開発

  • 予定時刻:14時35分~15時00分
  • 説明者:行政担当官(消費・安全局 農産安全管理課)、木嶋 伸行(国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構 食品研究部門)
  • 研究概要
    各種細菌性感染症の治療に使用される抗菌剤に対する耐性菌の出現はヒトの健康への大きな脅威となることから、関係分野での実態把握や対応策が講じられています。既に医療分野、畜産、水産分野ではそれらの実態把握やその対策への動きがあります。
    農業生産環境においても生産性確保の観点から植物病害防除を目的とした様々な抗菌剤が用いられており、その一部はヒト感染症への適用例があります。農業分野では病害防除という観点から耐性菌の出現については検討が進められていますが、ヒトの健康への影響との関連について検討されていません。
    このため、本研究では、農薬として農業生産環境に投入される抗菌剤のうち、ヒト感染症への適用例のあるオキシテトラサイクリンおよびストレプトマイシンを対象に、抗菌剤を農薬として農業生産環境に投入することでヒトの健康に悪影響を及ぼす耐性菌の出現の可能性を把握すると共に、これら抗菌剤の存在下で特異的に出現する細菌の選抜を行い、農業生産環境への影響を評価するための指標菌としての利用可能性の手法開発を目標としました。

研究の詳細はこちらをご覧ください。

(4)食品中の3-MCPD脂肪酸エステル類及びグリシドール脂肪酸エステル類に関する研究

  • 予定時刻:15時00分~15時20分
  • 説明者:行政担当官(消費・安全局 食品安全政策課)
  • 研究概要
    3-MCPD脂肪酸エステル類(3-MCPDE)及びグリシドール脂肪酸エステル類(GE)は、近年の分析化学の発展によって食品への含有が確認された化学物質であり、ともに油脂の精製工程において意図せず生成される物質です。国際的に3-MCPDE、GEの低減の取組が進められており、我が国においても企業毎に3-MCPDE、GEの低減の取組が進められている中、食用植物油脂の精製方法や条件を変えることにより、油脂としての品質の劣化や、他の有害物質等の生成の有無を検証する必要性がありますが、そのような知見が不足しています。
    食用植物油脂の精製方法や条件を変えることによる3-MCPDE、GE等の生成に及ぼす影響と、その際の油脂の品質やその他の化学物質(トランス脂肪酸等)の濃度に及ぼす影響を併せて把握し、3-MCPDE及びGEの低減方法の実行可能性を総合的に検証しました。これにより、有効かつ実行可能性のある3-MCPDE・GE低減技術に関する知見を調査、蓄積することを目標としました。

研究の詳細はこちらをご覧ください。

(5)黒糖の安全性をさらに向上するための研究(生産・加工条件におけるアクリルアミド生成に関する基礎的知見の収集)

  • 予定時刻:15時20分~15時45分
  • 説明者:行政担当官(消費・安全局 食品安全政策課)、小野 裕嗣(国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構 基盤技術研究本部)
  • 研究概要
    黒糖は、蔗汁を加熱濃縮して製造される含蜜糖の一種であり、製造工程の高温加熱によってアクリルアミドが生成する懸念があります。農林水産省の実態調査結果では、含蜜糖及び含蜜糖を原料とする菓子類の一部において比較的高濃度のアクリルアミドが含まれることが報告されています。農林水産省の指針等に整理されているとおり、アクリルアミド低減対策の基礎的知見として、製造工程の温度管理や食品添加物の利用が知られていますが、さとうきびの栽培から工場搬入までの管理の違いが蔗汁中のアクリルアミド前駆体濃度及び蔗汁から製造される黒糖中のアクリルアミド濃度に及ぼす影響や、製造後の黒糖に残存するアクリルアミド前駆体から二次加工時に新たなアクリルアミドが生成する懸念については、先行研究がなく、これらの知見の蓄積に取り組むことは黒糖の安全性をさらに向上させる上で喫緊の課題です。

研究の詳細はこちらをご覧ください。

(6)海洋生物毒生成藻類と海洋生物毒に関する研究

  • 予定時刻:15時45分~16時10分
  • 説明者:行政担当官(消費・安全局 畜水産安全管理課)、松嶋 良次(国立研究開発法人 水産研究・教育機構 水産技術研究所)
  • 研究概要
    アザスピロ酸食中毒及びシガテラ魚類食中毒は、水産食品を原因とする食中毒を引き起こす海洋生物毒です。国内でその原因毒成分が二枚貝や魚類から検出されているものの、原因毒を生産する微細藻株については分離株がほとんど存在していないことや、当該藻類株を用いた標準物質の製造技術が確立されていないため、国内では十分なリスク管理体制が整っていない現状があります。
    本研究では、アザスピロ酸生産藻について、複数の培養株を確立して国内分離株の毒生産能の有無を解明するとともに、培養藻体を原料としたアザスピロ酸標準物質製造手法を確立し、精製方法を標準手順書として完成させました。
    また、シガテラ魚類食中毒原因物質(シガトキシン類、マイトトキシン類)生産藻の培養株を複数確立し、毒生産能の有無を解明しました。さらに、培養藻体を原料として、シガテラ魚類食中毒原因物質を精製する手法を確立し、標準物質とするための値付け手法を検討しました。これによりシガテラ魚類食中毒原因物質の精製方法を標準手順書として完成させることを目標としました。

研究の詳細はこちらをご覧ください。

4.閉会のあいさつ(農林水産省)/16時10分~16時15分

5.参加可能人数

1000回線程度(先着順)

6.参加申込方法

参加ご希望の方は、インターネットにて、以下の申込先にご氏名、ご所属先、メールアドレス等をご記入の上、お申込みください。

<申込先>お申し込みを締め切りました。
https://forms.office.com/Pages/ResponsePage.aspx?id=_6DkBnJJi0qvMEVxNh0TRGcz-45nPVxOngWm3wVoKVBUQ1NFRlFUVFBBWkVISUxKMkY0Qkc5NzZOTS4u

<申込締切>
令和6年7月30日(火曜日)

7.報道関係者の皆様へ

報道関係者で取材を希望される方は、上記お申込み先にお申込みください。その際、報道関係者であり、取材を希望される旨を参加申込フォームの「備考欄」に必ず明記してください。

お問合せ先

消費・安全局食品安全政策課食品安全科学室

担当者:細谷、内山、川上
代表:03-3502-8111(内線4451)
ダイヤルイン:03-3502-5722