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農林水産省が優先的にリスク管理を行うべき有害化学物質のリスト(令和8年2月20日現在)

令和8年2月20日公表 


食品安全の観点から、農林水産省が優先的にリスク管理を行うべき有害化学物質のリストです。基本的な考え方、対象とする有害化学物質の選定の規準、農林水産省が実施すべきリスク管理とその進捗状況に応じた区分について説明しています。

1. 基本的な考え方

農林水産省は、科学に基づいた食品安全行政の推進のため、「農林水産省及び厚生労働省における食品の安全性に関するリスク管理の標準手順書」(平成17年8月25日公表。以下「標準手順書」という。)を作成し、この標準手順書に記載された標準的な作業手順(危害要因に関する情報の収集・分析、データの作成、優先度の検討、リスク評価の依頼、施策の検討・決定に当たり考慮すべき事項等)に従ってリスク管理を実施している。

農林水産省が標準手順書に基づいてリスク管理を始めた当初は、危害要因がどのような食品群・飼料に含まれるのかが明らかではなかった。約20年が経過し、危害要因/食品群・飼料ごとに含有実態データを蓄積してきた結果、このような危害要因については、含有濃度と食品消費量から、食品に由来する消費者の健康リスクに関して一定の科学的根拠に基づく評価やリスク管理に関する判断ができるようになっている。一方、気候変動や新技術の導入等により、新興の危害要因が新たに顕在化する可能性がある。

このため、これまで集積したデータや最新の科学的知見を活用して、国民の健康保護のために優先的にリスク管理を行うべき危害要因を特定した上で、安全性向上対策の策定・普及及び対策の検証・見直しを一層進める必要がある。

今般、農林水産省は、標準手順書に基づき、食品中の危害要因の含有実態や食品由来の摂取量などを収集した食品安全に関するデータや、消費者、食品事業者など関係者の関心や意見、国際的動向を考慮に入れた上で、別途定める規準(別紙)により、食品の安全性に関するリスク管理検討会での議論も踏まえて、農林水産省の所掌範囲で優先的にリスク管理に取り組むべき危害要因を選定した。

2. 農林水産省が実施すべきリスク管理

(1) 農林水産省は、食品の安全性をより向上させるため、以下の事項に取り組む。

1)食品中の危害要因に関する国内外の情報の収集、分析。なお、情報収集の対象は、優先的にリスク管理を行うべき危害要因のみに限定されない。

2)優先的にリスク管理を行うべき危害要因に関して、必要に応じて、食品及び飼料中の含有実態の調査。

3)調査等の結果をもとに食品から危害要因をどの程度摂取するか、人の健康に悪影響を及ぼす可能性がどの程度あるかを予備的に推定。

4)健康に悪影響がないと言い切れない危害要因については、食品の安全性を向上させる措置(食品関連事業者向けの指針等)の策定・普及。

5)食品の安全性を向上させる措置の検証・見直し。

6)安全な食品の安定的な供給には国際貿易が関係するため、また、国際的な規格、基準に我が国の実態を反映するため、当該規格、基準の策定に関与、貢献。

(2) 優先的にリスク管理を行うべき危害要因について、農林水産省のリスク管理の進捗状況に応じて、以下の3区分に大別した。なお、分類I~IIIは、リスク管理の優先度を示すものではない。

  • 食品の安全性向上のためのリスク管理措置を導入済であり、当該措置の有効性の検証及び措置の見直しを実施【分類I】

(注)農林水産省が、過去の実態調査の結果からリスク管理措置を導入すべきと判断し、汚染の防止、低減のための指針の策定など何らかの措置を導入したものが該当する。各種情報、データの収集を継続するとともに、リスク管理措置により、有害化学物質の濃度が低く保たれているか等、最新の実態に基づき当該措置の有効性を検証し、措置の継続又は見直しを行う。

  • 食品の安全性向上のためのリスク管理措置の必要性を検討するとともに、必要かつ実行可能と判断した措置の実施に資する含有実態調査やリスク低減技術の開発等を実施【分類II】

(注)農林水産省が、過去の実態調査の結果やリスク評価の結果等からリスク管理措置の必要性を検討すべきと判断したものが該当する。摂取寄与が高いと考えられる食品を中心に詳細な実態を調査し、予備的な健康リスクの推定を行う。その際、国内におけるリスク評価で得られた毒性指標値(国内評価がない場合には国際機関による評価)等を参考にする。リスク管理措置は、標準手順書「5. リスク管理措置の策定」に基づき、発生する可能性がある他の食品安全上のリスク、技術面及び財政面での実行可能性、健康リスクと便益との関係等を考慮の上で検討し、策定する。

  • 危害要因の毒性や含有実態等の関連情報を収集【分類III】

(注)国内外における含有実態等の関連情報を収集し、どのようなデータが不足するかを検討、特定し、必要に応じて、含有実態の調査、汚染機序の研究、分析法の開発等を行い、不足しているデータの取得に向けた取組を進める。

3. 優先的にリスク管理を行うべき有害化学物質のリスト

(注)海産毒素、かび毒、植物に含まれる自然毒に属する危害要因については、毒性やばく露の実態を踏まえ、必要に応じてその類縁体や代謝物もリスク管理の対象に含む。

食品の安全性向上のためのリスク管理措置を導入済であり、当該措置の有効性の検証及び措置の見直しを実施【分類I】

  • 海産毒素
    下痢性貝毒、麻痺性貝毒

  • かび毒
    アフラトキシンM1、タイプBトリコテセン類※1、パツリン
    ※1)タイプBトリコテセン類は、デオキシニバレノール(DON)、ニバレノール(NIV)等が含まれる。

  • 重金属等
    カドミウム、水銀、鉛、ヒ素

  • その他環境汚染物質
    放射性セシウム

  • 食品の製造過程などで生成する危害要因
    グリシドール脂肪酸エステル類、3-MCPD脂肪酸エステル類、 生体アミン類※2、多環芳香族炭化水素類
    ※2)生体アミン類は、ヒスタミン、チラミン、カダベリン等が含まれる。

食品の安全性向上のためのリスク管理措置の必要性を検討するとともに、必要かつ実行可能と判断した措置の実施に資する含有実態調査やリスク低減技術の開発等を実施【分類II】

  • かび毒
    オクラトキシンA、ステリグマトシスチン、 総アフラトキシン※3、タイプAトリコテセン類※4
    ※3)総アフラトキシンは、アフラトキシンB1、B2、G1、G2の総和をいう。
    ※4)タイプAトリコテセン類は、T-2トキシン、HT-2トキシン、ジアセトキシスシルペノール等が含まれる。

  • その他環境汚染物質
    パーフルオロアルキル化合物(PFAS)※5
    ※5)PFASは、パーフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)、パーフルオロオクタン酸(PFOA)、パーフルオロヘキサンスルホン酸(PFHxS)等が含まれる。

  • 食品の製造過程などで生成する危害要因
    アクリルアミド

危害要因の毒性や含有実態等の関連情報を収集【分類III

  • 海産毒素
    シガテラ毒

  • かび毒
    ゼアラレノン、麦角アルカロイド類、フモニシン類

  • 重金属等
    タリウム、ニッケル

  • 植物に含まれる自然毒
    ピロリジジンアルカロイド類

  • その他環境汚染物質
    鉱物油炭化水素類、ダイオキシン類(コプラナーPCBを含む)、マイクロプラスチック※6
    ※6)マイクロプラスチックやナノプラスチックについては、定義が未確立であるが、本文書ではナノプラスチック等を含めて「マイクロプラスチック」と総称する。

  • 食品の製造過程などで生成する危害要因
    トランス脂肪酸、2-クロロエタノール、ニトロソアミン類、フラン及びアルキルフラン類

4. 留意事項

(1) 優先的にリスク管理を行うべき有害化学物質及びその分類について、リスク管理の進展に応じ随時見直しを行う。

(2) リストに掲載した有害化学物質について、以下のいずれかに該当する場合は、優先的にリスク管理を行うべき有害化学物質のリストから除く。

1)リスク管理措置を実施した結果、日本人に対する健康上の影響が無視できるほど小さくなったと判断される場合であって、リスク管理措置の検証を継続しなくても健康リスクが十分低いと判断したとき。

2)各種情報収集(実態調査と予備的な健康リスクの推定を含む)や食品安全委員会によるリスク評価の結果から、現状において日本人に対する健康上の影響が無視できるほど小さく、かつ、特段のリスク管理措置が不要と判断したとき。

(3)優先的にリスク管理を行うべき有害化学物質のリストに掲載していない有害化学物質についても、国内外の動向や研究の進展等について、各種情報収集を可能な範囲で実施し、実態調査を含めて必要な対応をとる。

関連情報

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お問合せ先

消費・安全局食品安全政策課

担当者:リスク管理企画班
代表:03-3502-8111(内線4459)
ダイヤルイン:03-3502-7674