じゃがいもの加工調理によるソラニン・チャコニンへの影響
更新日:2022年2月7日
芽が出ている、長時間光があたった等、毒素が多いと考えられるじゃがいもを調理するときには、芽を周辺部も含めて確実に取り除き、皮を厚くむくことが最も大切です。 |
皮むき
- 皮むきによって、じゃがいも中の毒素は25~75%程度取り除くことができるとの報告があります。これは工場で用いられるような水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)等を使った皮むき方法なども含めたものであり、包丁などを使った家庭などで一般的に行われる皮むき方法での毒素の低減は30~70%程度とされています。
加熱調理
- 海外では、じゃがいもの加熱調理によって、じゃがいもに含まれる毒素であるソラニンやチャコニンが減少したとの報告があります。ただし、調理前のじゃがいもの毒素の濃度や加熱条件は様々であり、毒素の減り方にもかなりばらつきがあります。
加熱方法 | 毒素の低減率 | 備考 |
---|---|---|
ゆでる・ブランチング(注) | 5~65% | 皮をむいた後の状態からの低減率 |
揚げる | 20~90% | |
焼く(オーブン) | 20~50% | 皮をむく前の状態からの低減率 |
電子レンジ加熱 | 3~45% |
- ソラニンやチャコニンは水に溶けるため、毒素の濃度が高いじゃがいもを調理した水(ゆで汁、煮汁)には、毒素が一部溶け出している可能性があります。
- α-ソラニンやα-チャコニンの標準品(高純度のα-ソラニンやα-チャコニンを含む溶液)を沸騰水中で150分間ゆでても分解しなかったとする報告もあります。
<出典>
EFSA:Risk assessment of glycoalkaloids in feed and food, in particular in potatoes and potato‐derived products〔外部リンク〕
高木加代子ほか. 1990. ジャガイモ中のα-チャコニン及びα-ソラニンの加熱調理による影響.食衛誌, vol.31, No.1, 67-73.
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