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農林水産省

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デンマーク

更新日:2016年12月1日

デンマーク政府は、2003年6月から、消費者向けに販売・供給される食品(中食や外食を含む。)に含まれるトランス脂肪酸について、最終製品に含まれる油脂100 gあたり2 gを超えてはならないとする規則を設けています。なお、2003年12月末までは、油脂100 gあたり5 gまでトランス脂肪酸を含むことができるという移行措置がとられました。

この規則は、トランス脂肪酸を、「炭素数が14、16、18、20又は22で、一つ以上のトランス型二重結合を持つ脂肪酸、すなわち、C14:1、C16:1、C18:1、C18:2、C18:3、C20:1、C20:2、C22:1、C22:2のトランス型の異性体を合計したもの。しかし、2つ以上の二重結合がある不飽和脂肪酸については、メチレン基(-CH2-)によって二重結合が離されたもの。」と定義しています。また、動物性脂肪、動物性の製品に含まれている天然由来のトランス脂肪酸は、この規則では対象外としています。 

故意又は著しい怠慢によりこの規則に違反し、違反により健康に悪影響やリスクの増加をもたらしたり、不当な利益を得たりした場合には、最高2年の禁固刑という罰則が定められています。 

なお、この規則は、当初、最終製品に含まれる油脂100 gあたりのトランス脂肪酸含有量が1 g未満である場合には、「トランス脂肪酸を含まない(トランス脂肪酸フリー)」と表示できることとしていました。しかし、2010年3月に、この表示の規定は撤回されました。

デンマーク政府は、この規制の結果、食品産業におけるトランス脂肪酸代替に関する問題は報告されておらず、食品価格の上昇も起こっていないと報告しています。また政府が実施した含有実態調査によると、油脂100 gあたり2 gを超えるトランス脂肪酸を含んでいた製品の割合は、2002-3年には26%(253製品中)、2004-5年には11%(148製品中)、2006-7年には9%(45製品中)、2010年には7%(96製品中)、2012-13年には6%(95製品中)であり、油脂の加工由来のトランス脂肪酸の食品中の含有濃度が漸減していることが報告されています。 

また、上記の調査において2回調査された製品のうち、初回調査時のトランス脂肪酸の含有濃度が2回目の調査時より高かった製品の脂肪酸組成を比較した結果、3分の2以上の製品(菓子、ケーキ、クッキー、パイ、トルティーヤなど)で、油脂の加工由来のトランス脂肪酸が、主に飽和脂肪酸に置き替わっていました。その飽和脂肪酸の多くは、ココナッツ油脂又はパーム油脂に由来していました。他方、フレンチフライや冷凍ポテト製品は、一価の不飽和脂肪酸を多く含むようになっていました。

 

(農林水産省注釈)

食品分析では、トランス脂肪酸が天然由来であるのか、食品の加工由来であるのかを区別することはできません。

Cx:yとは、炭素数がx個で炭素-炭素二重結合をy個もつ脂肪酸を意味する略号です。例えばC14:1というのは炭素数が14、二重結合が一つである脂肪酸です。このうちトランス脂肪酸をC14:1tなどと表示することもあります。

参考

Danish data on trans-fatty acids in foods(デンマーク食料農業漁業省&デンマーク工科大学国立食品研究所, 2014)
Trans-fatty Acid Content in Food(デンマーク食料農業漁業省)(外部リンク)

お問合せ先

消費・安全局食品安全政策課

担当:化学物質管理班
代表:03-3502-8111(内線4453)

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