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農林水産省

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耐性の仕組み

更新日:令和元年11月1日

耐性を持った細菌は、抗菌性物質を分解したり、耐性を持った細菌の中に入ってきた抗菌性物質を細菌の外に出したりして、その細菌が抗菌性物質の影響を受けないようにします。その仕組みは大きくわけて以下の4つになります。

 

(1) 抗菌性物質を分解する

抗菌性物質を分解する酵素を産生し、抗菌性物質の活性をなくすことで耐性菌になることがあります。たとえば、ペニシリンを分解する物質を菌体の外に出すことでペニシリンを分解し、ペニシリン耐性株になることがあります。

(2) 細菌の構造を変えて、抗菌性物質が作用しなくなる

抗菌性物質が標的とする構造を変えることで抗菌性物質の影響を受けなくなり、耐性菌になることがあります。たとえば、フルオロキノロン系抗菌剤は、細菌のなかにあるDNAを複製する酵素を阻害することで菌を殺します。しかし、耐性菌においてはこの酵素のかたちが変わっているため、抗菌性物質の影響を防げます。

(3) 抗菌性物質を細胞から排出する

菌体の中に取り込まれた抗菌性物質を効率よく排出し、抗菌性物質の濃度を低下させることで、耐性菌になることがあります。ある種の抗菌性物質を排出できるようになると、複数の抗菌性物質をまとめて排出することができるようになり、いろいろな系統の抗菌性物質に対して耐性を示すことがあります(多剤耐性)。

(4) 抗菌性物質を細胞内に入れない

抗菌性物質が菌体の中に取り込まれないようにすることで薬剤耐性を示すことがあります。抗菌性物質が効果を発揮するには菌体の中に抗菌性物質が取り込まれなければなりません。細菌の表面には物質が通り抜けるための穴があいており、この穴の数を減らしたり、穴の大きさを狭めることで、抗菌性物質の通過を阻害し、薬剤耐性を示します。

お問合せ先

消費・安全局畜水産安全管理課

担当者:薬剤耐性対策班、飼料安全基準班
代表:03-3502-8111(内線4532)
ダイヤルイン:03-6744-2103