農業支援サービスの普及に向けた要因分析
分析の目的
農業の担い手不足や高齢化が深刻化する中、農業の現場では従来のような地域内での農業者間の農作業の受託が困難になりつつあります。農林水産省では、農業現場における作業代行やスマート農業技術の有効活用による生産性向上支援等、農業者に対してサービスを提供する農業支援サービスの推進・普及に取り組んでいます(参考:農業支援サービス関連施策パンフレット(PDF:1,758KB))。
そこで、農業支援サービスの現在の利用状況や今後の利用意向を明らかにするとともに、現在サービスを利用しておらず、今後も利用する意向がない農業者の特徴や農業支援サービスを利用していない理由を明らかにすることを目的としています。
使用データ
- 令和5年度農業支援サービスに関する意識・意向調査(PDF:562KB)
- 2020年度農林業センサス農林業経営体調査
分析方針
- 令和5年度農業支援サービスに関する意識・意向調査の質問項目の概観は以下のとおりです(問1は過去1年間の販売金額1位の部門についての質問)。
- 回答状況により回答者を1~4の4グループに分け、
(1)利用者グループの特徴
(2)サービスの特徴
を考察しました。 - 分析は、耕種(問1における水田作・畑作・露地野菜・施設野菜・果樹・その他作物(花きなど)の6部門)と畜種(問1における酪農・肉用牛・その他畜産(養豚や養鶏など)の3部門)に分けて行いましたが、ここでは耕種についてその概要を説明します。
*1 耕種の詳細な分析結果については分析資料詳細版(耕種)をご参照ください。(PDF:831KB)
*2 畜種の詳細な分析結果については分析資料詳細版(畜種)をご参照ください。(PDF:1,278KB)
分析結果の概要
1. サービスの特徴
- 耕種について、グループ1~3ごとの、各々の個別のサービスに対する、現在の利用状況(%)及び将来の利用意向(%)を下図のとおり表しました。
- グループ1での回答率が50%以上のサービスを「普及度が高いサービス」とし、それ以外のサービスでグループ2又は3の将来の利用意向が35%以上のサービスを「ニーズが大きいサービス」としました。
- その結果、「耕うん、育苗、定植、草刈、選定、収穫など」及び「農薬散布・施肥」は普及度が高いサービスに分類され、その他のサービス(「年間を通しての人材派遣」は除く。)は「ニーズが大きいサービス」に分類されました。
2. 利用課題
- 現在利用している農業支援サービス以外に将来利用意向のあるグループ2における利用課題は、全てのサービスにおいて「利用料金が高いから」と回答した割合が最も高く、次いで農逆散布・施肥以外のサービスにおいて「希望する作業の農業支援サービスが見つからないから」と回答した割合が高くなっています。
- 現在利用していないが、利用意向のあるグループ3における利用課題は、全てのサービスにおいて、「そもそも農業支援サービスについて具体的に調べていない」又は「今までは農業支援サービスを利用する必要性を感じなかったから」と回答した割合が最も高くなっています。
分析資料詳細版(耕種)はこちら(PDF:831KB)
分析資料詳細版(畜種)はこちら(PDF:1,278KB)
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