木質バイオマス利用実態調査の概要
調査の目的
木質バイオマスの種類別工場残材発生量及びその用途を明らかにし、木材利用の拡大、地球温暖化の防止、循環型社会の形成に向けた施策推進のための資料を整備することを目的とする。
調査の根拠法令
統計報告調整法(昭和27年法律第148号)第4条第1項の規定に基づく総務大臣の承認を受けた統計報告として実施した。
調査の対象
全国の製材工場、合単板工場、木材チップ工場、集成材工場及びプレカット工場において17年12月31日現在で事業を行っている工場を調査対象とした。
調査事項
1 製材工場
素材消費量、製材品生産量
2 木材チップ工場
木材チップ生産量
3 合単板工場
単板用原料消費量、普通合板生産量、特殊合板生産量
4 プレカット工場
原料消費量
5 集成材工場
原料消費量
6 各工場における種類別(樹皮、端材等、おがくず、その他)工場残材発生量
7 各工場における工場残材利用種類別利用量
調査の時期
調査期日を平成17年12月31日現在とし、過去1年間の状況について調査した。
調査の方法
統計調査員が調査対象の代表者に調査票を配布して行う自計申告調査の方法又は当該代表者に対する面接調査の方法によって行った。
集計・推計方法
都道府県別に、次の方法により推定した。
また、全国結果は都道府県推定値を積み上げて作成した。
1製材工場
次の推定式により集計した。
X:xの合計の推定値
n:標本工場数
xi:i番目標本工場のxの値
yi:i番目標本工場の前年の素材消費量
Y:前年の総素材消費量
P:実査の際に把握した工場のxの合計値
2合単板工場
工場類型ごとに、次の推定式により集計し、工場類型別の推定値を合計して全体の推定値とした。
なお、yi及びYは、単板専門工場の推定においては単板製造用素材の入荷量、普通合板工場の推定においては普通合板生産量、特殊合板工場の推定においては特殊合板生産量とした。
Xi:a.工場類型のxの合計の推定値
ni :a.工場類型の標本工場数
xij:a.工場類型のj番目の標本工場のxの値
yij:a.工場類型のj番目の標本工場の前年の単板製造用素材の入荷量(普通合板生産量又は特殊合板生産量)(合単板統計調査結果)
Yi:a.工場類型の前年の単板製造用素材の総入荷量(普通合板製造量又は特殊合板製造量)の合計(合単板統計調査結果)
Pi:a.工場類型の実査の際に把握した工場のxの合計値
3木材チップ工場
兼営区分ごとに次の推定式により行い、兼営区分別の推定値を合計して全体の推定値とした。
Xi:a.兼営区分別のxの合計の推定値
ni :a.兼営区分別の標本工場数
xij:a.兼営区分別のj番目の標本工場のxの値
yij:a.兼営区分別のj番目の標本工場の前年の木材チップの生産量
Yi:a.兼営区分別の前年の木材チップ生産量の合計(木材チップ統計調査結果)
Pi:a.兼営区分別の実査の際に把握した工場のxの合計値
4集成材工場及びプレカット工場
全ての工場の値を積み上げて作成した。
用語の解説
1 木質バイオマス
製材、合単板、集成材及びプレカット工場等の木材加工工場においてそれぞれの製品を製造する過程で生じた樹皮、端材等及びおがくず等をいう。
2 樹皮
素材(丸太)をバーカ機等にて、はく皮した時に発生する樹木の皮をいう。
3 端材等
背材、単板・合板・特殊合板の屑・耳等、製品製造時に発生する木材片をいう。
この場合、例えば合単板工場における単板製造後のむき芯材等についても含める。
4 おがくず等
製品等製造過程にて発生する、おがくず、プレナー屑、サンダー屑、ドリル屑等をいう。
5 製材工場
製材を行う事業所をいい、移動製材工場を含めるものとする。ただし、製材に用いる動力の出力数が7.5kw未満の工場は除く。
6 木材チップ工場
素材、木質バイオマス、林地残材及び解体材・廃材をチッパー等にかけて木材チップを製造する事業所をいう。
7 合単板工場
単板、普通合板及び特殊合板を製造する事業所をいう。
8 集成材工場
集成材を生産する事業所をいう。
なお、集成材とは、ひき板、小角材などの部材を繊維方向(木目方向)を平行にして、長さ、幅、厚さの方向に集成接着した通直又はわん曲した形状の材及びその表面に美観を目的として化粧板を張り付けたものをいう。
9 プレカット工場
軸組工法(建築物の骨格を軸組で形づくる工法。在来工法(柱と梁・桁等の横架材で骨組を構成している工法)ともいう。)による木造建築物の構造材(柱、土台、梁等)、羽柄材(板、垂木、敷居、鴨居等)の仕口(二つの木材を直角あるいは斜めに接合する方法。また、その部分。)、継手、ほぞ等従来は大工が手で行っていた加工を機械で行う事業所をいう。
10 工場残材
木材チップ工場において製品を製造した後にできる樹皮、おがくず等をいう。
11 林地残材
立木を丸太にする際に出る枝葉や梢端部分、森林外へ搬出されない間伐材等、通常は林地に放置される残材をいう。
12 木材乾燥施設
木材を天然乾燥及び人工乾燥により乾燥材を得るための施設をいう。天然乾燥は屋外などに桟積みし、自然乾燥により木材を乾燥させる方法をいい、人工乾燥はくず材・のこくず・重油・石炭を燃焼させ、この燃焼熱により木材を乾燥させる方法をいう。
13 発電施設
木質バイオマス等をボイラーやガス火炉の燃料として使用し、蒸気の力やガスによりタービンを回し発電する施設をいう。
14 木質ペレット
木質バイオマス等を破砕して成形した固形燃料をいう。
15 堆肥・土壌改良材
土壌が本来持っている物理的、化学的、生物的性質を改良して、土壌の肥よく度を高めるために施用する資材をいう。
16 畜産敷料
畜産等の飼育の際、畜舎の床に敷くわらやおがくずなどのことをいう。
17 木質ボード
繊維板・パーティクルボード等、木質・植物質材料を原料としたボードの総称。原料を繊維状にしてからプレス成型したのが繊維板、細片にしてからプレス成型したのがパーティクルボードとなる。
調査票
利用上の注意
木質バイオマス利用実態調査は、平成17年のみ実施したものである。
お問合せ先
大臣官房統計部生産流通消費統計課
担当者:畜産・木材統計班
代表:03-3502-8111(内線3686)
ダイヤルイン:03-3502-5665