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農林水産省

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農業組織経営体経営調査の概要

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調査の目的

農業組織経営体経営調査は、農家以外の農業事業体及び農業サービス事業体(以下「農業組織経営体」という。)における経営収支及び農産物の生産費の実態を明らかにし、農業組織経営体育成等の農業施策の資料を整備することを目的としている。

調査の沿革

農業組織経営体の経営収支及び生産費については、平成2年から農業生産組織生産費調査により把握して来た。そのような中、平成4年の「新しい食料・農業・農村政策の方向」及び平成6年の農政審議会報告において、今後の我が国の農業生産を担う望ましい経営体として「組織経営体の育成」並びに経営体質の強化を図るため「法人化の推進」が農業政策の重要な課題として位置づけられ、このような課題に対応する諸施策推進の資料としての経営情報の提供が強く求められてきた。

このため、平成8年に平成2年から「農産物生産費調査」で実施していた「農業生産組織生産費調査」を吸収した農業組織経営体の経営実態を把握する経営統計として、「農業組織経営体経営調査」を開始し、毎年実施してきた。

その後、「食料・農業・農村基本計画」を受け、農業経営統計調査の改編に伴い、平成15 年(産)調査をもって中止することとなった。

調査の根拠法令

統計報告調整法(昭和27 年法律第148 号)第4 条第1 項に基づく承認統計調査として実施した。

調査体系

農業組織経営体経営調査の体系

調査の対象

本調査は、2000 年世界農林業センサス(以下「2000 年センサス」という。)結果による農家以外の農業事業体(販売目的)及び農業サービス事業体のうち以下の条件にあてはまるものを対象とした。

(1) 経営統計(農家以外の農業事業体)

ア 稲作〔稲作販売金額1 位かつ経営耕地面積10ha 以上〕

イ 麦類作〔麦類の作付があり、かつ経営耕地面積5ha 以上〕

ウ 大豆作〔大豆の作付があり、かつ経営耕地面積3ha 以上〕

(2) 生産費統計

ア 農家以外の農業事業体

(ア) 米〔水稲作付面積5ha以上〕

(イ) 小麦(又は六条大麦)〔小麦(又は六条大麦)作付面積3ha以上〕

(ウ) 大豆〔大豆作付面積3ha 以上〕

イ 農業サービス事業体

(ア) 米〔水稲作全作業受託を行うサービス事業体〕

(イ) 小麦〔小麦作全作業受託を行うサービス事業体〕

(ウ) 大豆〔大豆作全作業受託を行うサービス事業体〕

抽出方法

2000 年センサス結果において調査対象に該当した組織を、経営統計においては取りまとめセンター等別に経営耕地面積規模の大きいものから順に、また、生産費統計においては取りまとめセンター等別に対象作物作付面積規模の大きいものから順に配列したリストを作成し、同一規模階層に属する組織を規模別標本数で除して等分し、等分した各区分から1 組織を無作為に抽出した。

調査事項

1. 経営統計

(1) 法人

ア 経営の概況……………………構成農家数、経営耕地面積、農業投下労働時間等

イ 財産の状況(貸借対照表)……資産、負債、資本

ウ 損益の状況(損益計算書)……農業・農外・事業外収入及び費用

エ 投資と資金……………………期中投資額・資金調達等

(2) 任意

ア 経営の概況……………………構成農家数、経営耕地面積、農業投下労働時間等

イ農業経営等収支………………農業・農外収入及び費用

2. 生産費統計

(1) 生産の概要・経営の概況……構成農家数、経営耕地面積、作付実面積等

(2) 生産費………………………生産活動を維持・継続するために投入した費目別の費用

調査の時期

1. 経営統計

調査年1 月から12 月までの1 年間。

2. 生産費統計

(1) 米及び大豆生産費統計は、調査年1 月から12 月までの1 年間。

(2) 麦類生産費統計は、調査年の前年9 月から翌年8 月までの1 年間。

調査の方法

農林水産省-地方統計組織の系統で、職員が調査票を配布し、調査組織の代表者が記帳する自計調査及び職員による面接聞き取り調査を併用した。

集計・推計方法

調査結果の取りまとめ方法

(1) 経営統計

ア 1組織当たり平均値の算出方法

平均値は各調査組織について取りまとめた個別の結果(様式は別添の「個別結果表」に示すとおり)を用いて、全国、全国農業地域別及び規模階層別に区分して集計を行い、次のように算出した。

式 1組織当たり平均値

 

ウエイトは、取りまとめセンター等別経営耕地面積規模別に抽出時における調査組織数をセンサス結果による対象組織数(調査組織の抽出がない階層分は隣接する調査組織の抽出がある階層に加算)で除した値(標本抽出率)の逆数とし、調査組織別に定めた。

イ 農業経営費の取り扱い

会計処理法等が異なる組織(法人)と組織(任意)並びに農家を対象とした農業経営統計調査部門別統計との比較ができるように、農業経営費について次のとおり取りまとめた。

(ア) 算出の概念図

経営統計では、組織(法人)及び組織(任意)の調査結果を個別経営(農家)と比較できるよう、次の概念で取りまとめている。

算出の概念図

(イ) 組織(法人)

当該会計上の農業費用から、構成員に支払われた農産物生産に関わる労務費、事務に関わる給与、地代及び負債利子を除外して農業経営費とした。

(ウ) 組織(任意)

利益金の内部留保となる減価償却費の積立が認められていないため、償却計算を行っていないのが通例であることから、本調査では、当該会計上の農業費用に別途把握した減価償却費の農業負担分を加えて農業経営費とした。

(2) 生産費統計

ア 1組織当たり平均値の算出

米生産費、麦類生産費及び大豆生産費は次の算式により平均値を算出した。

1組織当たり平均値の算出

ウエイトは米生産費、麦類生産費及び大豆生産費については、取りまとめセンター等別作付面積規模別に抽出時における調査組織数をセンサス結果による対象組織数(調査組織の抽出がない階層分は隣接する調査組織の抽出がある階層に加算)で除した値(標本抽出率)の逆数とし、調査組織別に定めた。

六条大麦生産費は単純平均値を算出した。

イ 計算単位当たり生産費の算出

計算単位当たり生産費の算出

計算単位は主産物計算単位及び作付面積10a の2 通りとしそれぞれについて計算単位当たり生産費を算出した。

ウ 計算単位

各作物別の主産物単位当たり生産費における計算単位は、次のとおりである。

計算単位

エ 収益性指標(所得及び構成員労働報酬)の計算

収益性指標は、本来は組織の経営全体の成果を計算し求めるべき性格のものであるが、ここでは、調査作物と他作物との収益性を比較する指標として該当作物部門についてのみ取りまとめているので、利用に当たっては十分留意されたい。

(ア) 所得

所得=粗収益-〔生産費総額-(構成員労働費+自己資本利子+自作地地代)〕

ただし、生産費総額=費用合計+支払利子+支払地代+自己資本利子+自作地地代

(イ) 1日当たり所得

1日当たり所得=所得÷構成員労働時間× 8(1 日換算)

(ウ) 構成員労働報酬

構成員労働報酬=粗収益-(生産費総額-構成員労働費)

(エ) 1日当たり構成員労働報酬

1日当たり構成員労働報酬=構成員労働報酬÷構成員労働時間× 8(1 日換算)

(オ) (参考)奨励金を加えた場合

調査作物の生産・販売に係る奨励金を主産物価額に含めた場合の収益性を参考として算出した。

用語の解説

1. 経営統計

(1) 組織の構成員

ア 組織(法人)の場合

組織(法人)の構成員とは、法人への個人出資者のことである。また、出資者の世帯員が組織の事業に従事している場合には出資名義者のみを構成員とした。

イ 組織(任意)の場合

組織(任意)の場合は、基本的に世帯(農家)が構成単位となっており、また出資制を採っているケースも少ないことから、当該組織の事業に従事する構成世帯員はすべて構成員とした。

(2) 専従換算農業従事者数

組織の農業部門及び調査部門において投下された構成員及び雇用者の農業労働時間を 2,000 時間(8 時間× 250 日)で除して算出した。

(3) 構成農家の主副業別区分

組織を構成する農家の主副業については、以下により区分した。

構成農家の主副業別区分

(4) 経営耕地団地数

組織が作業単位としている地続きの耕地を1 団地とした団地数である。

(5) 減価償却費

組織経営体の所有する施設・機械等の減価償却費については、国又は都道府県等の補助金を取得価額から控除して計算した償却額を減価償却費として計上したが、この場合、実際に投入された補助金は回収されないため、その分だけ利益を生じることとなる。このため、補助金を圧縮しなかった場合の経営成績についても把握できるよう、参考として「圧縮計算しなかった場合の減価償却費」についても計上した。

(6) 構成員帰属分(分配金)

組織(任意)の場合には、利益金の内部留保となる減価償却費の積立が認められないため、経営体収入から減価償却費を含めない費用を控除して計算した額を「構成員帰属分(構成員分配金)」として算出した。

1. 生産費統計

(1) 農産物生産費の概念

農産物生産費調査において「生産費」とは、農産物の一定単位量の生産のために消費した経済費用の合計をいう。ここでいう費用の合計とは、具体的には、農産物の生産に要した材料(種苗、肥料、農業薬剤、光熱動力、その他の諸材料)、土地改良及び水利費、賃借料及び料金、物件税及び公課諸負担、労働費(雇用・構成員(生産管理労働を含む。))、固定資産(建物、構築物、農機具、生産管理機器)の財貨及び用役の合計をいう。

(2) 主な約束事項

ア 生産費の種別(生産費調査においては、「生産費」を次の3 種類に区分する。

(ア) 「生産費(副産物価額差引)」

調査作物の生産に要した費用合計から副産物価額を控除したもの。

(イ) 「支払利子・地代算入生産費」

「生産費(副産物価額差引)」に支払利子及び支払地代を加えたもの。

(ウ) 「資本利子・地代全額算入生産費」

「支払利子・地代算入生産費」に自己資本利子及び自作地地代を擬制的に計算して算入したもの。

イ 物財費

調査作物を生産するために消費した流動財費(種苗費、肥料費、農業薬剤費、光熱動力費、その他の諸材料費等)と固定財(建物、農機具、生産管理機器の償却資産)の減価償却費の合計である。

ウ 労働費

調査作物の生産のために投下された構成員労働の評価額と雇用労働に対する支払額の合計である。

エ 費用合計

調査作物を生産するために消費した物財費と労働費の合計である。

オ 副産物価額

副産物とは主産物(生産費集計対象)の生産過程で主産物と必然的に結合して生産される生産物である。生産費調査においては、主産物生産に要した費用のみとするため、副産物を市価で評価(副産物価額をもって、副産物の生産に要した費用とみなす。)し費用合計から差し引くこととしている。

(3) 全作業受託組織の収益概念

全作業受託組織については、収穫物の帰属が委託者(委託農家)にあることから、全ての販売金額が把握できない場合がある。

この場合、調査対象作物の主産物生産数量(収穫量)を基に、主産物、副産物の販売数量を推計し、類似する品種、品質の市価評価を用いて販売金額を算出した。

利用上の注意

(1) 経営統計

本調査は、5年ごとに実施される農林業センサス結果を基に標本選定替えを実施し、5年間標本を固定してその動向を把握しているところであるが、5年間に新規参入の増加など母集団の大幅な変化があったことから、最新2000年センサス結果を母集団とする平成14 年結果と1995年センサス結果を母集団とする13年結果を比較した場合、その動向が現れないことがある。

このため、「〔参考〕累年統計表」には既に公表している稲作1位の13年調査結果の加工値を参考掲載した。加工値の試算方法は、13年調査結果の集計組織を、より最近年次である2000年センサス結果を母集団とみなした新たなウエイト(抽出率の逆数)により加重平均することとした。

なお、上記加工値は14年調査結果とおおよその動向を比較するために試算したものであり、12年調査結果と直接比較できるものではないので、利用に当たっては十分留意されたい。

(2) 生産費統計

ア 統計表に掲載した統計値

六条大麦生産費については事例的な調査であるので、利用に当たっては十分留意されたい。

イ 農産物生産費調査の見直しに基づく調査項目の一部改正

農産物生産費調査は、近年における農業・農山村・農業経営の著しい実態変化を的確にとらえたものとするため、平成2~3年にかけて見直し検討を行い、その検討結果を踏まえ調査項目の一部改正を行った。(農業生産組織生産費調査については平成3年産から適用。)

したがって、この見直しにより平成3年産以降の生産費及び関係費目並びに収益性に関する数値は、厳密な意味で平成2年産のものとは接続しないので、利用に当たっては十分留意されたい。

なお、改正の内容は次のとおりである。

(ア) 構成員労働の評価方法を、「毎月勤労統計調査」(厚生労働省)により算出した単価によって評価する方法に変更した。

(イ) 「生産管理労働時間」を構成員労働時間に、「生産管理費」を物財費に新たに計上した。

(ウ) 土地改良に係る負担金の取扱いを変更した。(米については、償還金のすべてを計上(整地、表土扱いに係るものを除く。)することとし、小麦(又は六条大麦)及び大豆については、維持費、償還金(整地、表土扱いに係るものを除く。)のうち調査作物の生産に必要な負担分を新たに算入した。)

(エ) 減価償却費の計上方法を変更し、更新・廃棄等に伴う処分差損益を新たに計上した。

(オ) 物件税及び公課諸負担のうち、調査作物の生産を維持・継続していく上で必要なものを新たに計上した。

(カ) 資本利子を支払利子と自己資本利子に、地代を支払地代と自作地地代に区分した。

(キ) 統計表章においても「第1次生産費」を「生産費(副産物価額差引)」に、「第2次生産費」を「資本利子・地代全額算入生産費」にそれぞれ置き換え、「生産費(副産物価額差引)」と「資本利子・地代全額算入生産費」の間に新たに、実際に支払った利子・地代を加えた「支払利子・地代算入生産費」を新設した。

ウ 農業経営統計調査への移行に伴う調査項目の一部変更

平成6年7月に従来、別体系で実施していた農家経済調査と農畜産物繭の生産費調査を統合し、農業経営統計調査へと移行したことに伴い、農産物の生産に係る直接的な労働以外の労働(購入附帯労働及び建物・農機具等の修繕労働等)を間接労働として関係費目から分離し、「労働費」及び「労働時間」に含め計上することとしており、農業組織経営体経営調査生産費統計についても、両調査間の生産性比較等の整合を図るため同様の変更を行った。

エ 米生産費統計の集計対象組織の改定

米生産費統計における集計対象組織については、平成6年産より「脱落組織」、「収穫皆無組織」及び「災害組織」(平年作に対する調査年の収量の減収が20%以上であった組織)に加え、平年作に対する調査年の収量の増収が20%以上であった組織についても異常な生産状態の下にあったものとみなし、「災害組織」と併せて対象から除外するよう改定した。

(3) 統計表中に用いた記号の用法は、次のとおりである。

「-」: 事実のないもの

「…」: 事実不詳又は調査を欠くもの

「x」: 個人又は法人その他の団体に関する秘密を保護するため、統計数値を公表しないもの

「0」、「0.0」: 単位に満たないもの

「△」: 負数のもの

利活用事例

農業組織経営体の育成等の農業施策の推進、評価等の資料。

お問合せ先

大臣官房統計部経営・構造統計課
担当者:農業組織・集落営農経営統計班
代表:03-3502-8111(内線3638)
ダイヤルイン:03-6744-2243