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農林水産省

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林業産出額の概要

統計の目的

林業産出額は、林業生産の実態を金額で評価することにより明らかにし、林業行政の企画やその実行のフォローアップに資する資料を整備することを目的としている。

統計の沿革

林業産出額の推計は、林業基本法(昭和39年7月)の制定を契機に、民有林に関する生産林業所得の推計が始まり、昭和46年に国有林に関する推計を加え、現行の推計体系となった。
その後、昭和48年から「立木販売部門」と「素材生産部門」を統合して「木材生産部門」とし、昭和51年には沖縄県を加えて推計を行っている。
平成7年から、栽培きのこ類生産部門の推計対象品目として「まいたけ」を追加するとともに、「ひらたけ」に含めていた「ぶなしめじ」を品目として分離し、いずれも平成6年まで遡及して推計した。
木材生産部門に含めていたパルプ工場へ入荷される「パルプ用」及び「その他用」の素材生産量については、平成13年以降、製材統計調査では把握しなくなったことから、平成15年までは『経済産業省生産動態統計(紙・印刷・プラスチック・ゴム製品統計)』のパルプ材消費量の変化率等を用いて樹種別に「パルプ用」及び「その他用」の生産量を計算し産出額を推計した。
また、平成16年以降は、「パルプ用」については、パルプ材消費量及び木材チップ消費割合等を用いて針葉樹・広葉樹別に生産量を計算し産出額を推計し、「その他用」については、基礎データがなくなってから数年が経過していることやウエイトも小さいことから推計を取りやめた。なお、それぞれ平成15年まで遡及して推計した。
平成14年から、薪炭生産部門の推計対象品目として「竹炭」及び「粉炭」を追加し、栽培きのこ類生産部門の推計対象品目として「エリンギ」及び「その他の栽培きのこ類」を追加し、いずれも平成13年まで遡及して推計した。
平成15年から、林野副産物採取部門の推計対象品目として「木ろう」及び「生うるし」を追加し、平成14年まで遡及して推計した。
平成27年から、生産林業所得は都道府県値の公表を取りやめ、全国値のみを参考公表することとし、「生産林業所得統計」から「林業産出額」に名称を変更した。これは、栽培きのこ類生産部門の所得率を、都道府県別の所得率(林業経営統計調査(栽培きのこ経営統計)から推計)から、全国の所得率(産業連関構造調査(栽培きのこ生産業投入調査)から推計)に変更したためである。
平成28年から、木材生産部門の推計対象に「輸出丸太」及び「燃料用チップ素材」を追加し、輸出丸太は財務省『貿易統計』の輸出量を用いて昭和46年まで、燃料用チップ素材は林野庁『木質バイオマスエネルギー利用動向調査』のエネルギーとして利用された木材チップのうち間伐材・林地残材等に由来するものの量を用いて、平成23年(平成23年から26年までは林野庁調べ)まで遡及して推計した。
平成29年から、木材生産部門の推計対象に「しいたけ原木」を追加し、林野庁『特用林産基礎資料』を用いて推計した。また、林野副産物採取部門の推計対象に「野生鳥獣」及び「野草」を追加し、野生鳥獣は農林水産省統計部『野生鳥獣資源利用実態調査』を用いて平成28年まで、野草は林野庁『特用林産基礎資料』を用いて平成22年まで遡及して推計した。

推計期間

本統計の推計期間は、当年1月から当年12月までの1年間である。
ただし、林野副産物採取部門における野生鳥獣は、野生鳥獣資源利用実態調査の調査対象期間(当該年度又は当該年度の期間を含む1年間)とする。

推計範囲

林業生産活動により生産される林産物であり、主な品目は推計の対象とした林産物の範囲のとおりである。推計範囲の品目を対応する日本標準産業分類の概念で示すと次図の矢印の範囲となる。

図 林業産出額における推計範囲の概念図

統計の作成方法

  1. 林業産出額において推計した部門は、木材生産、栽培きのこ類生産、薪炭生産及び林野副産物採取の4部門である。

  2. 林業産出額は、都道府県別に木材統計調査、特用林産物生産統計調査等から得られる品目別生産量に価格(木材生産にあっては樹種ごとの年間平均山元土場やまもとどば価格(注)、木材生産以外にあっては庭先販売価格)を乗じて推計している。

    注:山元土場価格とは、立木を伐採・造材した後、林道沿線等に集材した時点における価格をいい、具体的には素材(丸太)の市場価格から市場手数料、運賃等を控除した金額である。

    なお、次の林産物の産出額については、全国値のみ推計した。
    (1)木材生産部門
    パルプ工場へ直接入荷されるパルプ用素材、輸出丸太及び燃料用チップ素材

    (2)薪炭生産部門
    まき

    (3)林野副産物採取部門
    木ろう及び生うるし

  3. 参考値として公表している生産林業所得は、2より推計した各部門の産出額に林業経営統計調査、産業連関構造調査(栽培きのこ生産業投入調査)等から得られる所得率を乗じて推計した。
    なお、所得率は次のとおり算出した。



    また、部門別所得の推計に用いた所得率は、次のとおりである。
    (1)木材生産部門は、直近の林業経営統計調査から算出した所得率(平成30年以降は全国の所得率)

    (2)栽培きのこ類生産部門は、平成26年までは直近(平成21年から平成26年までは平成20年結果)の林業経営統計調査(栽培きのこ経営統計)から算出した都道府県別の所得率、平成27年以降は産業連関構造調査(栽培きのこ生産業投入調査)から算出した全国の所得率

    (3)薪炭生産部門の算出に当たっては、令和2年から木材生産及び栽培きのこ類生産の各推計結果の合計から割り戻した所得率を代用

    (4)林野副産物採取部門は、物的経費はかからないものとみなし100%の所得率

  4. 都道府県別の林業産出額には、他の都道府県に販売された中間生産物(最終生産物となる林産物の生産のために再び投入される林産物をいう。)を計上するが、全国値には計上しない。このため、木材生産部門の産出額については、都道府県別の林業産出額には他の都道府県に販売されたしいたけ原木を計上するが、全国値には計上しないことから、両者は一致しない。

用語の解説

  1. 木材生産とは、伐木から用材(製材や木材チップ用等)に供される素材を生産することをいい、パルプ工場へ入荷されるパルプ用素材を含む。

  2. 製材用素材等とは、用材として供される素材のうち、輸出丸太及び燃料用チップ素材を除いたものをいう。

  3. 栽培きのこ類生産とは、ほだ木又は培養基(おがくず等)を用いてきのこ類を生産することをいう。

  4. 薪炭生産とは、伐木からまき及び木炭を生産することをいう。

  5. 林野副産物採取とは、山林から天然のまつたけや生うるし等の林産物を採取することをいう。

推計の対象とした林産物の範囲

部門 品目名
木材生産 針葉樹 すぎ、ひのき、あかまつ・くろまつ、からまつ・えぞまつ・とどまつ、その他針葉樹
広葉樹 ぶな、なら、きり、その他広葉樹
竹材
栽培きのこ類生産 しいたけ(生、乾)、なめこ、えのきたけ、ひらたけ、ぶなしめじ、まいたけ、エリンギ、その他栽培きのこ類(マッシュルームを除く。)
薪炭生産 まき、木炭(黒炭、白炭、竹炭及び粉炭)
林野副産物採取 まつたけ、野生鳥獣(イノシシ、シカ等)、樹実(くり、くるみ等)、野草(山菜及び薬草)、木ろう、生うるし等

利用上の注意

  1. 消費税の取扱いについて
    林業産出額等の金額に関する推計結果には消費税を含んでいる。

  2. 統計数値については、表示単位未満を四捨五入したため、合計値と内訳の計が一致しない場合がある。

  3. 表中に用いた記号は、次のとおりである。
    「0」:単位に満たないもの(例:0.4千万円 → 0千万円)
    「-」:事実のないもの
    「…」:事実不詳又は調査を欠くもの
    「x」:個人又は法人その他の団体に関する秘密を保護するため、統計数値を公表しないもの
    「△」:負数又は減少したもの

  4. 秘匿措置について
    本統計は、様々な統計情報等から推計した加工統計であり、推計に用いた一次統計において秘匿された数値が本統計の推計値から類推される可能性がある場合には、当該推計値も「x」表示としている。
    また、情報収集先から秘匿要請があったものについても、同様に「x」表示とする秘匿措置を施している。
    なお、全体(計)からの差し引きにより、秘匿措置を講じた当該結果が推定できる場合には、「x」表示としている。

  5. 本統計の推計に用いた一次統計が訂正された場合は、訂正された年又は翌年の林業産出額の公表において、訂正された一次統計に係る林業産出額の遡及改定を行うこととし、その内容はホームページに掲載する。

利活用事例

  1. 林業諸施策全般の策定、評価等の資料。

  2. 国民経済計算、産業連関表、県民経済計算等の作成のための資料。

  3. 激甚災害制度における激甚災害指定基準のための基礎資料。

お問合せ先

大臣官房統計部経営・構造統計課

担当者:分析班
代表:03-3502-8111(内線3635)
ダイヤルイン:03-6744-2042