作況調査(水陸稲、麦類、大豆、そば、かんしょ、飼料作物、工芸農作物)の概要
調査の目的
作物の生産に関する実態を明らかにすることにより、食料・農業・農村基本計画における生産努力目標の策定及び達成状況の検証、経営所得安定対策の交付金算定、作物の生産振興に資する各種事業の推進、農業保険法(昭和22年法律第185号)に基づく農業共済事業の適切な運営等のための農政の基礎資料を整備することを目的とする。
調査の沿革
「作物統計調査」は、昭和22年(1947年)に開始され、昭和25年(1950年)に「作物調査」として指定統計の指定がなされ(昭和46年に「作物統計」に名称変更)、その後、調査対象品目の見直しや調査手法の見直し等を行いつつ、現在に至る。
なお、作物統計のうち、作況調査では単位面積当たり収穫量(単収)と、総量としての収穫量及び単収に影響を与える農産物の被害状況を調査しており、平成17年(2005年)には、てんさい・さとうきびに関する作付面積調査及び予想収穫量・収穫量調査の郵送調査化等の変更、平成19年(2007年)には、かんしょ及び甘味資源作物(てんさい及びさとうきび)に係る予想収穫量調査の廃止、耕地面積調査及び水稲に係る作付面積調査における調査員実測調査の導入、水稲以外の作物に係る作付面積調査及び収穫量調査では農業協同組合その他の関係団体を、水稲以外の作物に係る収穫量調査では標本経営体を対象とする往復郵送調査(自計申告)をそれぞれ導入した。
その後、平成27年(2015年)には、水稲以外の作物に係る作付面積調査及び収穫量調査の関係団体に対する往復郵送調査に加えオンライン調査を導入し、平成29年(2017年)調査には、調査対象にそば及びなたねを追加するほか、作付面積調査及び収穫量調査の一部作物について、全国調査の実施時期の変更等を行った。
また、農業共済制度の見直し等により、平成31年(2019年)調査より、共済減収調査を中止し、令和4年(2022年)調査より被害応急調査を終了した。
調査の根拠法令
統計法(平成19年法律第53号)第9条第1項の規定に基づく総務大臣の承認を受けた基幹統計調査として、作物統計調査規則(昭和46年農林省令第40号)に基づき実施している。
調査体系
次の図の枠で囲んだ部分を掲載している。
調査の対象
調査の範囲については、次表の左欄に掲げる作物について、それぞれ同表の中欄に掲げる区域のとおりである。
なお、全国の区域を範囲とする収穫量調査を6年ごとに実施する作物について、当該周期年以外の年において調査の範囲とする都道府県の区域を主産県といい、令和4年産から令和6年産において、主産県を調査の範囲として実施するものは同表の右欄に「○」を付した。
また、調査対象の属性的範囲については、「抽出(選定)方法」で記載している。
抽出(選定)方法
- 水稲
(1)調査対象の選定
水稲が栽培されている耕地
(2)作況標本筆の抽出
ア 母集団
空中写真(衛星画像等)に基づき、全国の全ての土地を隙間なく区分した200m四方(北海道にあっては、400m四方)の格子状の区画のうち、田耕地が存在する区画を調査のための「単位区」とし、この単位区の集まりを母集団とする。
イ 階層分け
都道府県別に地域行政上必要な水稲の作柄を表示する区域として、水稲の生産力(地形、気象、栽培品種等)により分割した区域を「作柄表示地帯」として設定し、この作柄表示地帯ごとに収量の高低、年次変動、収量に影響する条件等を指標とした階層を編成する。
ウ 調査対象数の算出
都道府県別の調査対象数は、全国の目標精度(0.3%)が確保されるように設定した都道府県別の目標精度(1~2%)に基づき算出する。
エ 調査対象数の配分及び抽出
都道府県別の調査対象数を階層別に水稲の作付面積に10a当たり収量の標準偏差を乗じた結果に比例して配分する。
階層別に配分された調査対象数を単位区の水田面積(田台帳面積)に比例した確率で抽出する確率比例抽出法(具体的には単位区を水田面積(田台帳面積)の小さい方から順に並べ、水田面積(田台帳面積)の合計を調査対象数で除した値の整数倍の値を含む単位区を選ぶ方法)により標本単位区を抽出する。抽出された標本単位区内で、水稲が作付けされている筆から系統抽出法により1筆を無作為に選定して実測調査を行う筆(以下「作況標本筆」という。)とする。 - 茶
荒茶工場
ア 荒茶工場母集団の整備・補正
「荒茶工場母集団一覧表」(以下「母集団一覧表」という。)を6年周期で作成し、これを基に中間年については、市町村、普及センター、茶関係団体等関係機関からの情報収集により、荒茶工場の休業・廃止又は新設があった場合には削除又は追加をし、また、茶栽培面積、生葉の移出入等大きな変化があった場合には当該荒茶工場について母集団一覧表を整備・補正する。
イ 階層分け
母集団一覧表の荒茶工場別の年間計荒茶生産量を指標とし、都道府県別の荒茶工場を一定生産量以上を有する全数調査階層と標本調査階層に区分する。
なお、標本調査階層にあっては、最大で3程度の階層に区分する。
ウ 調査対象数の算出
都道府県別の調査対象数は、全数調査階層の荒茶工場数と標本調査階層の荒茶工場数を足したものとし、荒茶生産量を指標とした全国の目標精度(2~3%)が確保されるよう、都道府県別の目標精度(5%)を設定し、標本調査階層の調査対象数を算出する。
エ 標本調査階層内の標本配分及び抽出
都道府県別に算出された調査対象数を階層別に比例配分し、系統抽出法により抽出する。 - てんさい
日本ビート糖業協会 - さとうきび
全ての製糖会社、製糖工場等
なお、製糖会社において所有する複数の製糖工場の実績が把握できる場合には、製糖工場を調査対象とせず、当該製糖会社で一括して調査を実施している。 - 陸稲、麦類、大豆、そば、なたね、かんしょ及び飼料作物
調査対象作物を取り扱っている全ての農業協同組合等の関係団体
また、都道府県ごとの収穫量に占める関係団体の取扱数量の割合が8割に満たない都道府県については、併せて標本経営体調査を実施することとし(注)、直近の農林業センサスにおいて、調査対象作物を販売目的で作付けし、関係団体以外に出荷した農林業経営体(飼料作物については、飼料作物等を作付けし、関係団体以外に出荷した農林業経営体)の中から作付面積の規模に比例した確率比例抽出や系統抽出により、調査対象経営体を抽出する。
標本の大きさ(標本経営体数)については、全国の10a当たり収穫量を指標とした目標精度(2~3%)が確保されるよう、調査対象品目の全国収穫量に占める都道府県ごとのシェアを考慮して設定した10a当たり収量に対する都道府県別の目標精度(3~20%)を設定し、必要な数を算出する。
なお、都道府県別の標本の大きさについては、抽出率30%を上限とした上で、300を超える場合は300、20を下回る場合は抽出率にかかわらず20とする。
注:ただし、直近の全国調査年において当該作物の作付(収穫)面積が5ha未満(飼料作物については50ha未満)又は母集団の大きさが30戸未満の都道府県は実施しない。
調査事項
- 水稲
(1)作柄概況調査:田植期の遅速、出穂期の遅速、穂数・もみ数等の生育状況、登熟状況、被害状況、耕種状況等
(2)予想収穫量調査:10a当たり予想収量、予想収穫量、穂数・もみ数等の生育状況、登熟状況、被害状況、耕種状況等
(3)収穫量調査:10a当たり収量、収穫量、穂数・もみ数等の生育状況、登熟状況、被害状況、被害種類別被害面積・被害量、耕種状況等 - 水稲以外の作物
(1)関係団体調査
ア さとうきび:栽培面積、収穫面積及び集荷量
イ 茶:摘採実面積、摘採延べ面積、生葉集荷(処理)量及び荒茶生産量
ウ 陸稲、麦類、大豆、そば、なたね、かんしょ、飼料作物及びてんさい:作付(栽培)面積及び集荷量
(2)標本経営体調査
ア 飼料作物:作付(栽培)面積及び収穫量
イ 陸稲、麦類、大豆、そば、なたね及びかんしょ:作付面積、出荷量及び「自家用、無償の贈与、種子用等の量」
※かんしょの内訳として、宮崎県及び鹿児島県において、でん粉原料仕向け用かんしょを調査している。
調査の時期
- 調査期日
(1)水稲
ア 作柄概況調査:8月15日現在
イ 予想収穫量調査:9月25日現在、10月25日現在
ウ 収穫量調査:収穫期
(参考)水稲の作柄予測:7月15日現在の作柄の良否(西南暖地における早期栽培等のみ)及び8月15日現在の作柄の良否(西南暖地における早期栽培等を除く。)については、気象データ(降水量、気温、日照時間、風速等)及び人工衛星データ(降水量、地表面温度、日射量、植生指数等)を説明変数、10a当たり予想収量を目的変数として作成した予測式(重回帰式)に基づき予測したものである。
(2)陸稲、麦類、大豆、そば、なたね、かんしょ、飼料作物、茶、てんさい及びさとうきび:収穫期 - 調査実施期間
調査票の配布:収穫期
調査票の回収:農林水産省大臣官房統計部長が定める時期
水稲については実測調査のため、調査票の配布・回収は行っていない。
調査の方法
調査は、農林水産省大臣官房統計部及び地方農政局等(地方農政局、北海道農政事務所、内閣府沖縄総合事務局及び内閣府沖縄総合事務局の農林水産センター。以下同じ。)を通じて行う。
- 水稲
地方農政局等の職員又は統計調査員による実測調査
作況標本筆の対角線上の3か所を系統抽出法により調査箇所に選定し、株数、穂数、もみ数等の実測調査による。 - 茶、てんさい、さとうきび
調査対象に対する往復郵送調査又はオンライン調査により行う。 - 陸稲、麦類、大豆、そば、なたね、かんしょ及び飼料作物
関係団体に対する往復郵送調査又はオンライン調査及び標本経営体に対する往復郵送調査により行う。
集計・推計方法
集計は農林水産省大臣官房統計部及び地方農政局等において行う。
- 都道府県値の集計・推計方法
(1)水稲
ア 10a当たり玄米重の算定
各作況標本筆について、一定株数(1m2分×3か所の株数)の稲を刈り取り、脱穀・乾燥・もみすりを行った後に、飯用に供し得る玄米(農産物規格規程(平成13年2月28日農林水産省告示第244号)に定める三等以上の品位を有し、かつ、粒厚が1.70mm以上であるもの)となるように選別し、各作況標本筆の10a当たり玄米重を決定する。
ただし、調査期日に収穫期を迎えていない作況標本筆がある場合は、穂数、1穂当たりもみ数及び千もみ当たり収量のうち実測可能な項目については実測値、実測が不可能な項目については過去の気象データ、実測データ等を基に作成した予測式により算定した推定値を用いることとし、これらの数値の積により当該作況標本筆に係る10a当たり玄米重を算定する。
各作況標本筆の10a当たり玄米重の平均を基に階層ごとの10a当たり玄米重を推定し、水稲作付面積で加重平均することにより都道府県別の10a当たり玄米重平均値を算出する。
イ 10a当たり収量の推定
アにより算出した都道府県別の10a当たり玄米重平均値に、コンバインのロス率(コンバインを使用して収穫する際に発生する収穫ロス)や被害データ等を加味して検討を行い、都道府県別の10a当たり収量を推定する。
さらに、作況基準筆(10a当たり収量を巡回・見積りにより把握する際の基準とするものとして有意に選定した筆をいう。)の実測結果を基準とした職員又は統計調査員による巡回・見積り並びに職員による情報収集により、作柄及び被害を見積り推定値を補完する。
ウ 収穫量及び被害量
イにより推定した10a当たり収量に作付面積を乗じて収穫量を求める。
被害量は、農作物に被害が発生した後、生育段階に合わせて被害の状況を職員又は統計調査員による巡回・見積りで把握する。
(2)茶
摘採面積、生葉収穫量及び荒茶生産量については、次の方法により集計する。
ア 全数調査階層の集計値に標本調査階層の各階層の推定値を加えて算出し、必要に応じて職員又は統計調査員による巡回・見積りにより補完している。
なお、全数調査階層に欠測値がある場合は、標本調査階層と同様の推定方法により算出する。
イ 階層ごとの推定方法については、荒茶生産量(母集団リスト値)と荒茶生産量(調査結果)の相関係数を算出し、以下の式を満たす場合には比推定、満たさない場合は単純推定により算出する。
ウ 標本調査階層の各階層において、荒茶生産量は以下の推定式を用いて算出する。
なお、摘採実面積、摘採延べ面積(年間計のみ)及び生葉収穫量についても荒茶生産量と同様の推定方法により算出する(下記推定式の「x及びX」部分を摘採実面積、摘採延べ面積及び生葉収穫量(調査結果)に置き換えて算出。)。
i階層の推定(年間計及び一番茶期別に推定)
(3)てんさい
収穫量の集計は、日本ビート糖業協会に対する調査結果を基に、必要に応じて職員又は統計調査員による巡回・見積りにより補完している。
(4)さとうきび
収穫面積の集計は、製糖会社、製糖工場等に対する調査結果を基に、必要に応じて職員又は統計調査員による巡回・見積りにより補完している。
収穫量の集計は、製糖会社、製糖工場等に対する調査結果を基に、必要に応じて職員又は統計調査員による巡回及び職員による情報収集により補完している。
(5)陸稲、麦類、大豆、そば、なたね、かんしょ及び飼料作物
収穫量の集計は、関係団体調査及び標本経営体調査の結果から得られた10a当たり収量に作付面積を乗じて算出し、必要に応じて職員又は統計調査員による巡回により補完している。 - 全国値の集計・推計方法
当年産の調査において、作付(栽培)面積及び収穫量ともに全国を調査の対象とした作物については、都道府県値の積上げにより算出する。
作付(栽培)面積は全国、収穫量は主産県を調査の対象とした作物については、収穫量は主産県の収穫量に次の式により推計した非主産県の収穫量の計を合計し推計する。
作付(栽培)面積及び収穫量ともに主産県を調査の対象とした作物については、直近の全国調査年の調査結果に基づき次により推計を行っている。
注:作付(栽培)面積の推計方法については、「面積調査の概要 集計・推計方法 2.水稲以外の作物の作付(栽培)面積調査」に掲載している。
(1)陸稲、かんしょ及び飼料作物
直近の全国調査年の全国の収穫量に、当年産における主産県の収穫量の合計値を直近の全国調査年における主産県の収穫量の合計値で除した変動率を乗じて算出する。
(2)茶
荒茶生産量の全国値=主産県の荒茶生産量+非主産県の荒茶生産量(x)
x=非主産県の10a当たり生葉収量の推定値(a)×非主産県の摘採面積の推定値(b)×主産県の製茶歩留り(c)
a=直近の全国調査年における非主産県の10a当たり生葉収量×当年産の主産県の10a当たり生葉収量÷直近の全国調査年における主産県の10a当たり生葉収量
b=当年の非主産県の栽培面積の推定値(d)×直近の全国調査年における非主産県の摘採実面積÷直近の全国調査年における非主産県の栽培面積
c=当年産の主産県の荒茶生産量÷当年産の主産県の生葉収穫量
d=直近の全国調査年における非主産県の栽培面積×(当年の主産県の栽培面積÷直近の全国調査年における主産県の栽培面積)
用語の説明
- 作付面積
は種又は植付けをしてからおおむね1年以内に収穫され、複数年にわたる収穫ができない非永年性作物(水稲、麦等)を作付けしている面積をいう。けい畔に作物を栽培している場合は、その利用部分を見積もり、作付面積として計上する。 - 栽培面積
茶、さとうきびなど、は種又は植付けの後、複数年にわたって収穫を行うことができる永年性作物を栽培している面積(さとうきびにあっては、当年産の収穫を意図するものに加え、苗取り用、次年産の夏植えの収穫対象とするもの等を含む。)をいう。けい畔に作物を栽培している場合は、その利用部分を見積り、栽培面積として計上する。 - 摘採面積
摘採(実)面積とは、茶を栽培している面積のうち、収穫を目的として茶葉の摘取りが行われた(実)面積をいい、摘採延べ面積とは、同一茶園で複数回摘採された場合の延べ面積をいう。 - 収穫面積
さとうきびにあっては、当年産の作型(夏植え、春植え及び株出し)の栽培面積のうち実際に収穫された面積をいう。なお、その全てが収穫放棄されたほ場に係る面積は収穫面積には含めない。
- 収穫量
収穫し、収納(収穫後、保存又は販売できる状態にして収納舎等に入れることをいう。)がされた一定の基準(品質・規格)以上のものの量をいう。なお、収穫前における見込量を予想収穫量という。
飼料作物にあっては、飼料用として収穫された生の状態の量をいう。なお、放牧して直接家畜に与えるものも含む。
さとうきびにあっては、刈り取った茎からしょう頭部(さとうきびの頂上部分)及び葉を除去したものの量をいう。 - 年産区分
収穫量の年産区分は収穫した年(通常の収穫最盛期の属する年)をもって表す。ただし、作業、販売等の都合により収穫が翌年に持ち越された場合も翌年産とせず、その年産として計上する。なお、さとうきびにあっては、通常収穫期が2か年にまたがるため、収穫を始めた年をもって表す。 - 10a当たり収量
実際に収穫された10a当たりの収穫量をいう。 - 10a当たり平年収量
作物の栽培を開始する以前に、その年の気象の推移、被害の発生状況等を平年並みとみなし、最近の栽培技術の進歩の度合い、作付変動等を考慮して、実収量のすう勢をもとに作成したその年に予想される10a当たり収量をいう。 - 10a当たり平均収量
原則として直近7か年のうち、最高及び最低を除いた5か年の平均値をいう。
ただし、直近7か年全ての10a当たり収量が確保できない場合は、6か年又は5か年の最高及び最低を除いた平均とし、4か年又は3か年の場合は、単純平均である。
なお、直近7か年のうち、3か年分の10a当たり収量が確保できない場合は、作成していない。 - 10a当たり平均収量対比
10a当たり平均収量に対する当年産の10a当たり収量の比率をいう。 - 作況指数
作柄の良否を表す指標のことをいい、10a当たり平年収量に対する10a当たり収量(又は予想収量)の比率をいう。
なお、平成26年産以前の作況指数は1.70mmのふるい目幅で選別された玄米を基に算出し、平成27年産から令和元年産までの作況指数は、全国農業地域ごとに、過去5か年間に農家等が実際に使用したふるい目幅の分布において、大きいものから数えて9割を占めるまでの目幅以上に選別された玄米を基に算出していた。令和2年産以降の作況指数は、都道府県ごとに、過去5か年間に農家等が実際に使用したふるい目幅の分布において、最も多い使用割合の目幅以上に選別された玄米を基に算出した数値である。
また、作柄の良否とは、10a当たり(予想)収量が平年と比較して多いか少ないかを表しており、良、やや良、平年並み、やや不良、不良の5段階で表している。 - 子実用
主に食用(なたねについては、食用として搾油するもの)に供すること(子実生産)を目的とするものをいい、全体から「青刈り」を除いたものをいう。なお、「青刈り」とは、子実の生産以前に刈り取られて飼肥料用等として用いられるもの(稲発酵粗飼料用稲(ホールクロップサイレージ)、わら専用稲等を含む。)のほか、飼料用米及びバイオ燃料用米をいう。 - 乾燥子実
食用を目的に未成熟(完熟期以前)で収穫されるもの(えだまめ等)、景観形成用として作付けしたもの(そば)を除いたものをいう。 - 西南暖地における早期栽培等(水稲)
四国及び南九州の地域で主に台風による被害を避けるため8月中旬頃までに収穫する栽培方法並びに沖縄県における二期作の第一期稲である。 - 作柄表示地帯(水稲)
地域行政上必要な水稲の作柄を表示する区域として、都道府県を水稲の生産力(地形、気象、栽培品種等)により分割したものをいう。 - 水稲の二期作栽培(水稲)
同一の田に年間2回作付けする栽培方法をいい、第1回の作付けを第一期稲、第2回の作付けを第二期稲という。 - 穂数の多少(水稲)
1m2当たりの穂の数が平年と比較して多いか少ないかを表しており、多い、やや多い、平年並み、やや少ない、少ないの5段階で表している。 - 1穂当たりもみ数の多少(水稲)
1穂についているもみの平均数が平年と比較して多いか少ないかを表しており、多い、やや多い、平年並み、やや少ない、少ないの5段階で表している。 - 全もみ数の多少(水稲)
1m2当たりのもみ数が平年と比較して多いか少ないかを表しており、多い、やや多い、平年並み、やや少ない、少ないの5段階で表している。 - 登熟の良否(水稲)
登熟(開花、受精から成熟期までのもみの肥大、充実)が平年と比較して良いか悪いかを表しており、良、やや良、平年並み、やや不良、不良の5段階で表している。 - 17から20までの平年比較(水稲)
過年次の作況標本筆の実測調査結果から作成した1m2当たり穂数等の平年値との比較である。 - 茶期区分(茶)
茶期は各地方によって異なっており、さらに、その年の作柄、被害、他の農作物等の関係もあってこれを明確に区分することは困難であるため、一番茶期の区分は通常その地域の慣行による茶期区分によることとする。 - 荒茶(茶)
茶葉(生葉)を蒸熱(じょうねつ)、揉(も)み操作、乾燥等の加工処理を行い製造したもので、仕上げ茶として再製する以前のものをいう。 - 夏植え(さとうきび)
7月頃から9月頃にさとうきびの茎を植え付け、発芽したものを翌年の12月頃から翌々年の4月頃にかけて収穫する栽培方法をいう。 - 春植え(さとうきび)
2月頃から4月頃にさとうきびの茎を植え付け、発芽したものをその年の12月頃から翌年の4月頃にかけて収穫する栽培方法をいう。 - 株出し(さとうきび)
前年収穫したさとうきびの株から発芽したものをその年の12月頃から翌年4月頃にかけて収穫する栽培方法をいう。 - 被害(被害)
ほ場において、栽培を開始してから収納をするまでの間に、気象的原因、生物的原因その他異常な事象によって農作物に損傷を生じ、基準収量より減収した状態をいう。
なお、平成28年産以前は、水稲の被害面積及び被害量について、気象被害(6種類)、病害(3種類)、虫害(4種類)の被害種類別に調査を実施し、公表していたが、平成29年産からは、6種類(冷害、日照不足、高温障害、いもち病、ウンカ及びカメムシ)としている。 - 基準収量(被害)
農作物にある被害が発生したとき、その被害が発生しなかったと仮定した場合に穫れ得ると見込まれる収量をいう。 - 被害面積(被害)
農作物に損傷が生じ、基準収量より減収した面積をいう。 - 被害量(被害)
農作物に損傷を生じ、基準収量から減収した量をいう。 - 被害率(被害)
平年収量(作付面積×10a当たり平年収量)に対する被害量の割合(百分率)をいう。
調査票
作柄概況・(予想)収穫量調査水稲作況標本(基準)筆調査票(PDF:745KB)
畑作物作付面積調査・収穫量調査調査票(団体用)(陸稲用)(PDF:553KB)
畑作物作付面積調査・収穫量調査調査票(団体用)(麦類(子実用)用)(PDF:548KB)
畑作物作付面積調査・収穫量調査調査票(団体用)(飼料作物、えん麦(緑肥用)、かんしょ、そば、なたね(子実用)用)(PDF:481KB)
畑作物作付面積調査・収穫量調査調査票(団体用)(てんさい用)(PDF:366KB)
畑作物作付面積調査・収穫量調査調査票(団体用)(さとうきび用)(PDF:250KB)
畑作物収穫量調査調査票(団体用)(大豆(乾燥子実)用)(PDF:235KB)
茶収穫量調査調査票(団体用)(PDF:269KB)
畑作物収穫量調査調査票(経営体用)(PDF:339KB)
飼料作物収穫量調査調査票(経営体用)(PDF:325KB)
畑作物収穫量調査調査票(経営体用)(なたね(子実用)用)(PDF:331KB)
利用上の注意
- 統計の全国農業地域及び地方農政局の区分とその範囲は、次のとおりである。
- 統計数値については、下記の方法によって四捨五入しており、全国計と都道府県別数値の積上げ、あるいは合計値と内訳の計が一致しない場合がある。
- 統計表中に使用した記号は次のとおりである。
「0」「0.0」:単位に満たないもの(例:0.4ha→0ha)又は増減がないもの
「-」:事実のないもの
「…」:事実不詳又は調査を欠くもの
「x」:個人又は法人その他の団体に関する秘密を保護するため、統計数値を公表しないもの
「△」:負数又は減少したもの
「nc」:計算不能 - 秘匿措置について
統計調査結果について、生産者数が2以下の場合には、個人又は法人その他の団体に関する調査結果の秘密保護の観点から、当該結果を「x」表示とする秘匿措置を施している。
なお、全体(計)からの差引きにより、秘匿措置を講じた当該結果が推定できる場合には、本来秘匿措置を施す必要のない箇所についても「x」表示としている。 - 調査終了からおよそ3か月後(水稲については、7月、8月、10月、11月、12月の年5回)に第1報を公表し、その後第1報に集計区分を追加の上、確報を公表している。なお、確報値は回答データの精査により第1報の概数値から修正される値がある。
各作物の公表予定時期は、農林水産統計年間公表予定を御覧ください。
利活用事例
- 「食料・農業・農村基本計画」における生産努力目標の策定及び達成状況の検証のための資料。
- 「主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律」(平成6年法律第113号)に基づき毎年定めることとされている米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針の策定ための資料。
- 「農業保険法」(昭和22年法律第185号)に基づく農業共済事業の適切な運営のための資料。
- 各種作物の生産振興を図るための各種事業の資料。
- 経営所得安定対策の交付単価の算定のための資料。
- 飼料需給安定法(昭和27年法律第356号)に基づく飼料需給計画の策定(国内の飼料の供給量の把握)のための資料。
その他
諮問第93号作物統計調査の変更について(PDF:9.95MB)[外部リンク]
諮問第93号の答申作物統計調査の変更について(PDF:1.43MB)[外部リンク]
諮問第119号作物統計調査の変更について(PDF:3.64MB)[外部リンク]
諮問第119号の答申作物統計調査の変更について(PDF:347KB)[外部リンク]
諮問第135号作物統計調査の変更について(PDF:70.43MB)[外部リンク]
諮問第135号の答申作物統計調査の変更について(PDF:717KB)[外部リンク]
諮問第145号作物統計調査の変更について(PDF:1.98MB)[外部リンク]
諮問第145号の答申作物統計調査の変更について(PDF:442KB)[外部リンク]
FAQ(Q&A)
- 「作物統計調査(作況調査)」とは
Q. 「作物統計調査(作況調査)」はどのような調査なのですか?
A. 「食料・農業・農村基本法」に基づき定められた「食料・農業・農村基本計画」において、生産努力目標が定められた作物の国内における生産に関する実態を明らかにし、農業行政の基礎資料を整備することを目的に実施している調査です。
Q. どうしても答えなければならないのでしょうか?
A. もし、皆様から回答をしていただけなかったり、正確な回答がいただけなかったりした場合、得られた統計が不正確なものとなってしまいます。そのようなことになれば、この調査の結果を利用して立案・実施されている様々な施策や将来計画が誤った方向に向かったり、行政の公平性や効率性が失われたりするおそれがあります。
調査の精度を高めるためにも、調査の対象になった皆様のご協力をお願いします。
なお、この調査は、統計法に基づく基幹統計調査として実施しており、調査対象者に調査票を記入・提出していただく義務(報告義務)を課すとともに、報告を拒んだり、虚偽の報告をしたりした場合の罰則も規定されています(統計法第13条、第61条第1項第1号)。
Q. 調査票に回答がなかった場合は、なんらかの方法で回答を補っているのですか?
A. 提出された調査票についてのみそのまま集計して、回収率による補正などは行っていません。 - 調査方法について
Q. 「作物統計調査(作況調査)」はどのように行われているのですか?
A. 水稲については、全国の水稲が作付けされている田から無作為にサンプリングしたほ場を対象に、穂数、もみ数等の計測や、刈取りを行い玄米の重さを計測するなど実測調査を行っています。
また、てんさいは日本ビート糖業協会、さとうきびは製糖会社・製糖工場等、茶は荒茶工場、その他の作物は関係団体に対する郵送調査又はオンライン調査及び農林業経営体に対する郵送調査を行っています。
Q. 「作物統計調査(作況調査)」の対象はどのように選ばれるのですか?
A. 水稲については、全国の水稲が作付けされている田から無作為にサンプリングしています。
また、水稲以外の作物で対象となる農林業経営体については、直近の農林業センサスにおいて調査対象作物を作付けたと回答のあった農林業経営体から関係団体のみに出荷を行っている経営体を除外した経営体を無作為にサンプリングしています。抽出された経営体は毎年2分の1ずつ更新します。 - 調査の定義等
Q. 水稲の収量の基準は1.70ミリメートルのふるい目幅を基準にしているということですが何故ですか。
A. 水稲収穫量調査は、農家の自家消費や縁故米を含め、飯用に供し得る玄米の総量を把握することを目的にした調査であり、全国統一的に飯用に供し得る品位として、農産物規格規程に定める三等以上の品位を有し、かつ、ふるい目幅1.70ミリメートル以上で選別された玄米の重量としています。
なお、生産現場における米の生産・流通実態等を踏まえ、各都道府県において最も利用されているふるい目幅で選別された玄米を基に算出した数値に加え、ふるい目幅別の収量についても公表しています。 - 結果の公表について
Q. 調査の結果はいつ頃公表されるのですか?
A. 農林水産省のホームページで年間の公表予定を掲載していますので、大まかな時期はそちらを参考にして下さい。また、具体的な公表予定日時については、公表日を含む週の前週の金曜日に週間公表予定という形で掲載しますのでそちらで確認してください。
(リンク先:農林水産統計公表予定) - プライバシーの保護について
Q. 調査票に記入されたプライバシーは保護されるのでしょうか?
A. この調査は、「統計法」(平成19年法律第53号)に基づく統計調査として行われます。
統計調査に従事する者には統計法により守秘義務が課せられており、違反した場合には罰則(2年以下の懲役又は100万円以下の罰金)が科せられます。また、過去に統計調査に従事していた者に対しても、同様の義務と罰則が規定されています(統計法第41条、第57条第1項第2号)。
このように、統計調査の業務に従事する者、あるいは過去に従事していた者に対して守秘義務と厳しい罰則が設けられているのは、調査対象となる方々に、調査項目全てについて、安心して回答いただくためです。
この調査でいただいた回答(調査票)は、外部の人の目に触れないよう厳重に保管され、統計法で認められている統計の作成・分析の目的にのみ使用されます。統計以外の目的に使うことや、外部に出されることは一切ありませんので、安心して御記入ください。
なお、調査員による調査の場合は、調査員に対して、個人情報の保護を一層徹底させるため、秘密の保護、調査票の厳重管理等についての指導を徹底しています。
お問合せ先
大臣官房統計部生産流通消費統計課
担当者:普通作物統計班
代表:03-3502-8111(内線3682)
ダイヤルイン:03-3502-5687