伝統食を含む食文化の継承及び地域産物の活用への取組状況の概要
調査の目的
平成12年3月に決定された「食生活指針」の中で食文化や地域の産物を活かした食生活が重要であるとされていることから、本調査は地域ごとに特色のある伝統的な食物(以下「伝統食」という。)を含む食文化の継承及び地域産物の活用への取組の状況を調査することにより、食料自給率の向上、健康な食生活の実現に向けた食生活指針の普及・定着に資することを目的とした。
調査対象
全国の3,247市区町村(東京都特別区を含む。)を対象とした。
調査事項
調査は、伝統食を含む食文化の継承及び食生活における地域産物の活用に関する次に掲げる事項について行う。
- 当該市区町村における現状
- 取組に関する市区町村の意向
- 取組状況
- 取組事例
調査の時期
平成13年9月1日での現況を9月末までに調査した。
調査の方法
伝統食及び地域産物の具体的内容は地域ごとに多様であることから、調査の実施にあたり、都道府県ごとに地方統計情報組織が管内の代表的と考えられる伝統食及び地域産物について各都道府県等からの情報収集に基づいて候補リストを作成した。このリストを含むアンケート調査票と併せて取組調査票及び取組事例の調査票を全国の3,247市区町村(東京都特別区を含む。)の農政担当者に配布し、伝統食を含む食文化の継承及び食生活における地域産物の活用に関し、当該市区町村における現状、取組に関する市区町村の意向、取組状況及び取組事例を記入してもらい、郵送で回収した。
用語の解説
伝統食:
主にその地域で生産される農林水産物を用いて加工・調理された食物で、その地域の風土や習慣に合わせて長い年月をかけて形作られたものとし、多少現代風にアレンジされたものも含む。また、酒類、菓子、茶等の噌好品は対象外とした。
なお、新たに開拓された地域等において、入植者等が当該地域の郷土食として新たに誕生させ、当該地域の住民に広く定着しているものは含めることとした。
地域産物:
その地域で生産される農林水産物をいう。
行事食:
一定の時期に恒例的に行われる年中行事と家庭内の祝事、記念行事に食べる料理のことをいう。
正月、七草、節分、ひな祭り、彼岸、端午の節句、七夕、お盆、十五夜、冬至、大晦日などに食べる料理である。
取組主体:
伝統食を含む食文化の継承への取組又は食生活における地域産物の活用への取組を行っている市区町村、教育委員会、農業改良普及センター、農協婦人部、漁協婦人部、生活改善グループ、郷土料理保存・研究会等をいう。
その他
(1) 全国農業地域区分と地方農政局区管轄区域について
全国農業地域・地方農政局区分は、下表のとおりである。
全国農業地域名・地方農政局管区 | 所属都道府県名 |
---|---|
北海道 | 北海道 |
東北 | 青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島 |
北陸 | 新潟、富山、石川、福井 |
関東・東山 | 茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、山梨、長野 |
東海 | 岐阜、静岡、愛知、三重 |
近畿 | 滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山 |
中国 | 鳥取、島根、岡山、広島、山口 |
四国 | 徳島、香川、愛媛、高知 |
九州 | 福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島 |
沖縄 | 沖縄 |
関東農攻局 | 茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、山梨、長野、静岡 |
東海農政局 | 岐阜、愛知、三重 |
中国四国農政局 | 鳥取、島根、岡山、広島、山口、徳島、香川、愛媛、高知 |
注:東北農政局、北陸農政局、近畿農政局及び九州農政局の各地方農政局管区の所属都道府県は、全国農業地域の所属都道府県と同じである。
(2) 農業地域類型区分について
統計表に用いた農業地域類型区分は、調査対象となった市区町村の性格を分類するため次の基準指標により、都市的地域、平地農業地域、中間農業地域、山間農業地域に類型区分したものである。
農業地域類型 | 基準指標 |
---|---|
都市的地域 | ○可住地に占めるDID面積が5%以上で人口密度500人以上又はDID人ロ2万人以上の市町村。 可住地に占める宅地率等が60%以上で、人口密度500人以上の市区町村。ただし、林野率80%以上のものは除く。 |
平地農業地域 | ○耕地率20%以上かつ林野率50%未満の市町村。ただし、傾斜20分の1以上の田と傾斜8度以上の畑の合計面積の割合が90%以上のものを除く。 耕地率20%以上かつ林野率50%以上で、傾斜20分の1以上の田と傾斜8度以上の畑の合計面積の割合が10%未満の市町村。 |
中間農業地域 | ○耕地率が20%未満で「都市的地域」及び「山間農業地域」以外の市町村。 耕地率が20%以上で「都市的地域」及び「平地農業地域」以外の市町村。 |
山間農業地域 | ○林野率80%以上かつ耕地率10%来満の市町村。 |
注:
- 決定順位:都市的地域→山間農業地域→平地農業地域・中間農業地域
- DID (人口集中地区)とは、原則として人口密度が4,000人/㎢以上の国勢調査の基本単位区等が市区町村の境域内で互いに隣接して、それらの隣接した地域の人口が国勢調査時に5,000人以上を有する地域をいう。
- 傾斜は、1筆ごとの耕作面の傾斜ではなく、団地としての地形上の主傾斜をいう。
- 本調査に用いた農業地域類型区分は、平成13年11月時点のものである。
お問合せ先
大臣官房統計部経営・構造統計課センサス統計室
担当者:農林漁業構造統計班
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