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農林水産省

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土地管理情報収集分析調査の概要

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調査の目的

全国の農地等の権利移動及び転用の状況について、体系的に調査、分析を行い、農地移動等の実態を明らかにし、今後の構造政策の推進に資するものである。

調査体系

調査体系

調査対象

農地法及び農業経営基盤強化促進法に基づき、権利の設定・移動がされた農地等、賃借が終了した農地等及び転用された農地等の全て。

調査事項

1.農地法第3条に基づく許可・届出及び農業経営基盤強化促進法第19条に基づく農用地利用集積計画の公告に係る農地等の耕作目的の権利移動の状況

2.農地法第20条に基づく許可又は通知に係る農地賃貸借の終了及び農用地利用集積計画の公告に係る利用権の終了の状況

3.農地法第4条又は第5条に基づく許可又は届出に係る農地等の転用及び同法の許可を要しない農地等の転用(農用地利用集積計画の公告に係るものを含む。)の状況

調査の時期

当該年の1月1日から12月31日の1年間

調査の方法

都道府県による自計申告調査

集計・推計方法

しっ皆調査であることから単純集計を行っている。

用語の解説

本調査は、農地法及び農業経営基盤強化促進法による権利移動実績であるので、用いられている用語は、農地法及び農業経営基盤強化促進法上の用語であり、その定義も両法律の定義にしたがっている。

〔件数〕

本調査において「件数」とは、農地法許可の場合、許可件数である。
戸数や人数という概念とは異なり、法第5条の許可申請において時々みられるように、1件に関係者が数十人ということもあり得る。また、常識的にいえば、農地の交換の場合は、農地法上2件以上の移動になるということもある。

 

〔面積〕

農地法に基づく処理の場合は、許可(通知、届出)された土地の面積の合計であって、原則として土地登記簿の地積である(法第86条)。
農業経営基盤強化促進法による場合は、公告された面積で同じように原則として土地登記簿の面積となる。

 

〔農地、採草放牧地、農用地、混牧林地、開発農用地〕

農地法は農地と採草放牧地を統制の対象としている。
農地法で「農地」とは、「耕作の目的に供される土地」、「採草放牧地」とは「農地以外の土地で、主として耕作又は養畜の事業のための採草又は家畜の放牧の目的に供されるもの」と定義されている(法第2条)。
農業経営基盤強化促進法では、農地法上の農地と採草放牧地を「農用地」と定義している(「農用地」とは耕作の目的又は主として耕作若しくは養畜の事業のための採草若しくは家畜の放牧の目的に供される土地をいう(農業経営基盤強化促進法第4条第1項第1号))。
また、農業経営基盤強化促進法に基づく利用権設定等促進事業(同法第4条第3項第1号)では「木材の生育に供され併せて耕作若しくは養畜の事業のための採草若しくは家畜の放牧の目的に供される土地」を事業の対象にしているが、これらの土地を本調査では便宜「混牧林地」と称する。同様にこの事業では「開発して農用地若しくは農業用施設の用に供される土地」も事業の対象としているが、この土地を「開発農用地」と称する。

 

〔自作地と小作地〕

「自作地」と「小作地」の区別は、すべて農地法の許可申請時(移動前)の状態によっている。また、法第2条第2項の小作地の定義「耕作の事業を行う者が所有権以外の権原に基いてその事業に供している農地」に該当しない法律上「自作地でも小作地でもない農地」は、すべて自作地に含めている。
なお、農業経営基盤強化促進法では、「自作地」、「小作地」の定義はないので、同法に基づく利用権の設定、終了、所有権移転における「自作地」、「小作地」の区別は、上記の農地法の定義に準ずることとなる。

 

〔農地法による権利移動〕

(1)自作地の有償所有権移転

自作地を、売買等によって所有権移転するものがこれに当たる。交換とか、借金との相殺、所有権の出資など、たとえ現金の授受がなくても、何らかの形での対価、代償があるものはすべて有償所有権移転である。

(2)自作地の無償所有権移転

自作地であるものを、何らの反対給付なしに他に所有権移転することをいう。生前贈与、分家などへの親族間の贈与のほか、純粋な寄付を含んでいる。このうち同一世帯内での所有権移転の場合には、経営規模は世帯単位で把握されるから、譲渡人も譲受人も同一規模であり、また移動の前も後もその経営規模は同一不変である。

(3)小作地の所有権移転

農地法上の小作地である農地の所有権を移転するものである。
小作地の所有権を取得し得るものは当該小作地の小作人又はその世帯員に限られていたため、この小作地の所有権移転は、原則として、譲渡人、譲受人いずれもの経営規模にも変動を与えるものではなかったが、昭和45年法改正により、小作人の書面による同意がある場合には、第三者による権利取得も可能となった。

(4)賃借権の設定

自作地であるものを他に賃貸し、法律上小作地となるものである。

(5)使用貸借による権利の設定

自作地であるものを他に使用貸借させ、法律上小作地になるものである。賃貸借では、借賃つまり小作料の授受があるが使用貸借ではこれがない。
なお、この使用貸借による権利の解約等は、法第20条の統制の対象とはならないので、その解約等の実績は、農地法統制としてはつかみ得ず、したがって法第20条(賃貸借の解約等)の実績には含まれないことになる(地上権、永小作権の解約等についても同様)。

(6)賃借権の移転、使用貸借による権利の移転

いずれも移動の前後とも小作地であって、借人がある小作人から他の小作人に変わるものである。民法との関係で、慣行小作権でない限りこの許可申請は、地主の承諾をとって行われないと地主の解除原因となり得るので、一般に地主の承諾をとって行われる。

(7)農地等の賃貸借の解約等

法第20条に係る、いわゆる小作地の引上げ、小作地の返還である。法第20条の統制はその第2項において、5つの許可該当要件を定めている。賃借人の信義違反、かい廃相当、賃貸人の自作相当、農業生産法人の欠格等、その他正当な事由の5つである。これは申請事由と深くかかわりあってはいるが、必ずしも一致するのではない。そこでこの調査では、許可該当条項と解約の申請事由の二つを調査している。45年の法改正後は、合意解約と10年以上の定期賃貸借の期間満了に伴う解約、水田裏作の一時賃貸借等についての解約等は、許可を必要とせず、代わりに農業委員会への通知が義務づけられているので、この調査ではこの通知事案と許可事案とを別に把握している。

(8)農地等の転用

ア.農地を農地以外、採草放牧地を採草放牧地以外(農地にする場合を除く。)にすることであり、この調査では次の3つに分けて把握している。

(ア)法第4条、第5条の許可によるもの(原則として「市街化区域外」)

(イ)法第4条、第5条の届出によるもの(「市街化区域内」)

(ウ)法第4条、第5条の許可、届出以外のもの(「市街化区域内」、「市街化区域外」に区分)

イ.農地等転用における法第4条と第5条該当及び大臣許可と知事許可-ここで法第5条は権利の設定、移転を伴うものである。第4条は農地だけを対象としているが、第5条は採草放牧地をも対象としているので、第5条の許可実績には採草放牧地の分がある。
さらにこの転用統制は都道府県知事と農林水産大臣とに許可権限を区分している。従来、農地について2ヘクタールを超える事案は農林水産大臣、2ヘクタール以下の事案及び採草放牧地の転用は知事となっていたが、平成10年の農地法の一部改正により、平成10年11月1日からは2ヘクタールを超え4ヘクタール以下の農地転用の許可権限については農林水産大臣であったものが都道府県知事になっている。
なお、届出については、従来は都道府県知事への届出であったが、昭和55年の農地法の一部改正により、昭和55年10月1日からは農業委員会への届出に変更された。

ウ.農地転用における法第4条、第5条該当以外-法第4条及び第5条では、いくつかの許可除外を設けており、これは、その適用除外等を別途、行政庁ベースで把握したものである。

 

〔農業経営基盤強化促進法による権利移動〕

(1)利用権の設定

農業経営基盤強化促進法では、「利用権」とは、「農業上の利用を目的とする賃借権若しくは使用貸借による権利又は農業の経営の委託を受けることにより取得される使用及び収益を目的とする権利」と定義しており、その権利の内容は、農地法の「賃借権」、「使用貸借による権利」及び「農業経営の委託を受けることにより取得する権利」に当たる。
ただし、この場合、その賃借権の期間満了に際しては農地法第19条(賃借権の法定更新)の適用を受けない。

(2)利用権の移転

(1)の利用権の移転であり、農地法に基づく賃借権の移転、使用貸借による権利の移転等とかわるものではない。

(3)所有権の移転

この法律に基づく所有権の移転は、「自作地有償所有権移転」、「自作地無償所有権移転」、「小作地所有権移転」に大別できるが、その権利の内容は、農地法による権利移動の(1)、(2)、(3)とかわるものではない。

(4)利用権の終了

利用権の終了に際しては、それが賃借権であっても農地法第19条(賃借権の法定更新)の適用を受けず、したがって、農地法第20条(農地又は採草放牧地の賃貸借の解約等の制限)の適用を受けない。この利用権の終了に関しては、行政処理上は把握できないので農業委員会等において本調査の目的に沿って独自に把握することとしている。
なお、利用権を中途解約したものについては農地法による賃貸借の解約等の実績として別途把握されている。

(5)利用権の再設定

利用権が終了した農地について、引き続き利用権(再設定前後の権利の種類が違う場合も含む。)が設定されるものである。
なお、「再設定した」とは、終了と同一年間に再設定したもののみが該当し、利用権が終了してもその年に再設定されずその翌年に再設定されたか、または、再設定されることが明らかなものは「再設定する予定」に区分している。

(6)農業用施設用地への転用

農業経営基盤強化促進法に基づく利用権設定等促進事業においては、「農業用施設用地」に限定して農用地の転用を認めている(農地法第4条、5条の手続不用)。

(7)混牧林地、開発農用地の権利移動

混牧林地、開発農用地の権利移動については、農地法上は統制の対象とならないが、農業経営基盤強化促進法では事業の対象としているため、本調査において把握を行っている。

 

〔その他の事項〕

5号(下限)該当

いわゆる農地法の下限面積制限以下に該当するもののことである。昭和45年の法改正後の法第3条第2項第5号は、取得後北海道で2ヘクタール、都府県で50アール(都道府県知事が農林水産省令で定める基準に従い、それ以下の別段の面積を定めている区域にあってはその面積)未満の場合は、その権利取得は許可しないこととしているが、これについては例外が認められ、施行令第1条の6第2項で、草花栽培等集約経営をする場合については、その取得を許可できることにしている。これはそれに該当するもののことである。

調査票

土地管理情報収集分析調査入力原票(様式1~3)(PDF : 217KB)

お問合せ先

経営局構造改善課

担当者:調査班
代表:03-3502-8111(内線5168)
ダイヤルイン:03-6744-2153