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農林水産省

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(1)食料消費の動向


(我が国の食のバリューチェーン)

我が国で生産された食材及び輸入された食材は、加工・流通等の段階を経て、最終消費されます。平成23(2011)年においては、食用農林水産物10.5兆円(国内生産9.2兆円、輸入1.3兆円)と輸入加工食品5.9兆円が食材として国内に供給されました(図1-3-1)。これらの食材は、食品製造業、食品関連流通業、外食産業を経由することで加工経費、流通経費、調理サービス代等が付加され、飲食料の最終消費額は76.3兆円となりました。

平成23(2011)年において飲食費として支出された額のうち、生鮮品等は12.5兆円、加工品は38.7兆円、外食は25.1兆円となりました。


図1-3-1 我が国の農林水産物の生産・流通・加工・消費の流れ(平成23(2011)年)

飲食料の最終消費額の推移をみると、平成7(1995)年をピークとして減少傾向にあり、平成23(2011)年は平成7(1995)年に比べ8%減少しました(図1-3-2)。

このような中、加工品及び外食の割合は8割を占め、食の簡便化志向の高まりや外部化の進展がうかがえます。

また、消費者が支払う飲食料の最終消費額のうち、各業種に帰属する額についてみると、食品製造業、食品関連流通業、外食産業への帰属額の割合は、平成23(2011)年では最終消費額全体の86%を占めています。



(国民1人・1日当たりの総供給熱量は減少傾向で推移)

我が国の国民1人・1日当たりの総供給熱量は、平成8(1996)年度の2,670kcalをピークに減少傾向で推移しており、平成26(2014)年度は2,415kcalとなりました(図1-3-3)。

これを品目別にみると、畜産物、油脂類、小麦、いも類・でん粉の供給熱量に大きな変化がない中、米、魚介類を中心に供給熱量が減少傾向で推移しています。


図1-3-3 国民1人・1日当たり供給熱量の推移
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国民1人・1日当たりの総供給熱量が減少傾向で推移する中、国民が実際に摂取した熱量である摂取熱量についても、減少傾向で推移しており、平成26(2014)年は1,863kcalとなりました(図1-3-4)。


図1-3-4 国民1人・1日当たり摂取熱量の推移
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また、年齢階層別の摂取熱量について、平成7(1995)年と平成26(2014)年を比較すると、70歳以上を除いたすべての年齢階層において減少しています(図1-3-5)。

摂取熱量が減少する要因としては、食事量や食事回数の減少が考えられます。朝食欠食率については、平成7(1995)年は8.0%、平成26(2014)年は11.6%と上昇しており、このような朝食欠食率の上昇も摂取熱量の減少の一因となっているとみられます(図1-3-6)。


図1-3-5 年齢階層別の摂取熱量の推移
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図1-3-6 朝食欠食率の推移
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コラム:各国の食料自給率と食生活の変化

我が国の食料自給率(*1)(供給熱量(*2)ベース)は、昭和40(1965)年は73%でしたが、その後、40%程度まで低下し、近年は横ばいで推移しています(図1)。

他の先進国について、食料自給率の推移をみると、韓国やイタリアは低下傾向で推移している一方、英国やドイツでは上昇がみられます。

これらの国々の食生活の変化について、国民1人・1日当たり供給食料割合をみると、日本と韓国は米、イタリアは小麦が大きく減少し、肉類及び油脂類が増加しています(図2)。

我が国は、家畜の飼料となるとうもろこしや食用油脂類の原料となる大豆等の多くを輸入に頼っており、肉類及び油脂類の増加といった食生活の変化は食料自給率を低下させる要因となります。

他方、英国やドイツでは、1人・1日当たり供給食料割合について大きな変化がない中で、小麦の生産を増加させたこと等の要因によって、食料自給率が上昇しました(図3)。


1、*2 [用語の解説]を参照

図1 各国の食料自給率の推移(供給熱量ベース)
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図3 英国及びドイツの小麦生産量の推移
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図2 各国の国民1人・1日当たり供給食料割合の比較(供給熱量ベース)(試算)
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(単身世帯では加工食品の支出が増加)

我が国の世帯数(*1)は、近年、単身世帯及びひとり親と子の世帯を中心に増加しています(図1-3-7)。

今後、世帯数が平成32(2020)年をピークに減少に転じる中、単身世帯及びひとり親と子の世帯は増加が見込まれています。


図1-3-7 家族類型別世帯数の推移
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平成26(2014)年の二人以上世帯における1人1か月当たりの食料消費支出は、2万3,070円と横ばいで推移しています(図1-3-8)。これを項目別にみると、生鮮食品による支出が減少する一方、加工食品及び外食による支出が増加しています。

また、単身世帯において、男性は、加工食品の支出が増加する一方、外食による支出が大きく減少したことから、食料消費支出全体では減少傾向で推移しています。単身女性は、生鮮食品及び外食による支出が減少する一方、加工食品による支出が増加しており、食料消費支出全体では横ばいとなっています。

加工食品への支出については、単身男性、単身女性とも、二人以上世帯の1人1か月当たりの支出に比べて多い状況です。今後、単身世帯の増加に合わせ、加工食品の消費支出が更に増加していくことが見込まれます。


1 国勢調査における「一般世帯数」

図1-3-8 世帯別の1人1か月当たり食料消費支出の推移
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コラム:鶏卵の価格の季節的な動向

安価で栄養価が高く様々な調理法がある鶏卵は、食卓に欠かせない食材のひとつです。

鶏卵については、例年、気温が上昇する夏場は低需要期となり、秋から冬にかけては、おでん等の鍋やクリスマスケーキ等の需要の高まりにより高需要期となる傾向にあります。

他方、鶏はほぼ毎日卵を産むことから、生産量は年間を通じて安定的に推移しています。

鶏卵の価格は他の農産物と同様に、このような需給のバランスにより変動することがうかがえます。


鶏卵の価格及び生産量の推移
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