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農業・農村の活性化を目指して―令和6(2024)年度農林水産祭天皇杯等受賞者事例紹介―


農林水産祭天皇杯受賞者

農林水産祭天皇杯受賞者

農林水産業者の技術改善・経営発展の意欲の高揚を図るため、効率的な農業経営や地域住民によるむらづくり等を行っている事例のうち、その内容が優れており、広く社会の称賛に値するものについては、毎年度、秋に開催される農林水産祭式典において天皇杯等が授与されています(*1)。ここでは、令和6(2024)年度の天皇杯等の受賞者を紹介します。

1 過去1年間(令和5(2023)年7月~令和6(2024)年6月)の農林水産祭参加表彰行事において、農林水産大臣賞を受賞した463点の中から決定。選賞部門は、掲載5部門のほか、林産部門、水産部門を加えた7部門

令和6(2024)年度農林水産祭天皇杯受賞者

「経営改善」の軌跡とパン用小麦の拡大に向けて
〇農産・蚕糸部門 〇経営(水稲、麦、大豆) 〇滋賀県近江八幡市(おうみはちまんし)
〇株式会社イカリファーム (代表 井狩 篤士(いかり あつし)さん)

滋賀県近江八幡市
株式会社イカリファーム

株式会社イカリファームは、利益率の高い麦や大豆を主力に据えた経営を行うとともに、作目ごとの損益計算データから収益改善や作付面積配分等を社員全員で検討し、収量や売上目標を明確にしています。また、生産管理ICTツールを導入し、データを活用した栽培管理やマニュアル化による作業の効率化、トヨタ式「カイゼン」の導入により従業員が無駄なく作業を行う環境づくりも行っています。

また、国産小麦のニーズの高まりを予測し、パン用小麦の乾燥調製施設と低温倉庫を建設し、集荷から販売までを自社で完結できる仕組みを構築するほか、学校給食や大手コンビニのパンの原料として採用されるなど、販路拡大にも取り組んでいます。

産地一体となった新規就農者の確保により「百年産地」を目指す
〇園芸部門 〇経営(宿根かすみそう) 〇福島県大沼郡昭和村(おおぬまぐんしょうわむら)
〇JA会津(あいづ)よつば昭和(しょうわ)かすみ草(そう)部会 (代表 立川 幸一(たちかわ こういち)さん)

福島県大沼郡昭和村
JA会津よつば昭和かすみ草部会

JA会津よつば昭和かすみ草部会は、雪を利用した集出荷貯蔵施設の機能強化やGI取得等により、ブランド力を強化するとともに、新規就農者を継続的に確保することで生産本数、販売金額の増加に取り組んできました。

特に新規就農者の確保では、インターンシップ制度の導入や就農前の研修の充実を始めとする、栽培技術の習得支援と併せて、部会員や地域住民とのネットワーク構築等を支援することで、就農後の高い定着率を誇っています。また、これまでに移住してきた既就農者が新規就農者の支援・指導を行うことで、担い手の確保・育成の好循環も生まれています。今後も「百年産地」が実現できるよう地域の関係機関と一体となった活動を永続的に展開することで、地域の振興・活性化に貢献していく考えです。

畜産DX・地域資源フル活用による安全・安心なブランド牛肉の一貫生産
〇畜産部門 〇経営(肉用牛一貫) 〇山形県南陽市(なんようし)
〇株式会社蔵王(ざおう)ファーム (代表 髙橋 勝幸(たかはし かつゆき)さん)

山形県南陽市
株式会社蔵王ファーム

株式会社蔵王ファームは、畜産DXの導入、飼料用米やエコフィードをフル活用したTMR飼料の導入等により安全・安心なブランド牛肉の一貫生産の経営体制を築いています。

飼育牛の全情報をクラウド上で一元管理することで生産性を向上させるとともに、地域の飼料用米やエコフィードをTMR飼料に調製し、飼料費を同県平均に比べ3割以上削減しています。また、飼料への抗菌抗生剤・ホルモン剤の無添加に加え飼養衛生管理基準を徹底し、飼育密度を1頭当たり8㎡以上とするなど、アニマルウェルフェアを重視した飼養管理等を通じて、全牛ブランド化も達成しています。

さらに、女性が自社ブランド牛の企画責任を担うほか、飼養管理法の各種改善により事故率低減を実現するなど、経営に貢献しています。

栽培から加工販売まで差別化を図り事業展開
〇多角化経営部門 〇経営(りんご6次産業化) 〇長野県下伊那郡松川町(しもいなぐんまつかわまち)
〇株式会社なかひら農場(のうじょう) (代表 中平 義則(なかだいら よしのり)さん)

長野県下伊那郡松川町
株式会社なかひら農場

株式会社なかひら農場は、昭和25(1950)年にりんご栽培を開始した後、安定した経営を目指し農産加工や観光農業に着手し、ジュース製造を主体とした加工部門が売上げの多くを占めています。

同部門では、製品の差別化を図るため、イタリアの機械メーカーと果肉入りジュースの製造機械を共同開発するとともに、様々な顧客ニーズに応えられるようスムージーやジュース等の40種類以上の加工品を製造しています。また、地元のりんごを使用し、地域の働く場として雇用を創出するほか、働きながら栽培や経営を学べる就農支援も実施するなど、地域振興にも貢献しています。くわえて、高齢化や後継者がいないなどにより、農業生産の継続が難しい樹園地の荒廃防止や産地の維持に貢献しています。

88のアイデア実現を目指して、「え~ひだ」を創るカンパニー
〇むらづくり部門 〇むらづくり活動 〇島根県安来市(やすぎし)
〇えーひだカンパニー株式会社 (代表 川上 義則(かわかみ よしのり)さん)

島根県安来市
えーひだカンパニー株式会社

人口減少により比田(ひだ)地区の存続が危ぶまれる中、協議会や自治会が住民にアンケートと世代別ワークショップを実施し、その中で寄せられた88のアイデアを盛り込んだ「比田地域(ひだちいき)ビジョン」を策定するとともに、実現に向けた取組を進める組織として、えーひだカンパニー株式会社を設立しました。同社では農業面から生活面まで幅広い取組を行っています。

農業生産面では高齢化等で作付けが困難となった農地の営農や、ドローンによる農薬散布、リモコン除草機による除草作業等を行っています。また、排水不良の水田を活用した、特産のどじょうの養殖にも取り組んでいます。生活面では、高齢者の買物支援、見守り活動を兼ねた移動販売車の運行や、小学生が地域の祭りの出店や商品開発に関わることで郷土愛の醸成につながるなどの取組を行っています。

令和6(2024)年度農林水産祭内閣総理大臣賞受賞者

令和6(2024)年度農林水産祭内閣総理大臣賞受賞者

令和6(2024)年度農林水産祭日本農林漁業振興会会長賞受賞者

令和6(2024)年度農林水産祭日本農林漁業振興会会長賞受賞者

令和6(2024)年度農林水産祭内閣総理大臣賞受賞者(女性の活躍)

令和6(2024)年度農林水産祭内閣総理大臣賞受賞者(女性の活躍)

令和6(2024)年度農林水産祭日本農林漁業振興会会長賞受賞者(女性の活躍)

令和6(2024)年度農林水産祭日本農林漁業振興会会長賞受賞者(女性の活躍)


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