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農林水産省

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特集 米の安定供給に向けた対応


我が国の主食である米については、令和6(2024)年夏の端境期において、生産量が需要量に対し不足し、民間在庫が減少傾向となる中、南海(なんかい)トラフ地震臨時情報の発表や地震、台風に伴う購買量の増加による品薄等をきっかけに、令和7(2025)年に入り、小売価格が前年の約2倍に高騰し、その供給に対する不安が高まりました。このため、生産性向上を通じた持続的な生産等による安定供給の実現に向け、政府は令和7(2025)年6月に「米の安定供給等実現関係閣僚会議」を開催し、農林水産省において、対応の方向性について取りまとめたところです。

本特集では、このような米の価格高騰の要因や対応の検証、これを踏まえた対応策について紹介します。

(1)米の価格高騰の要因や対応の検証

(米の小売価格は、約2倍に高騰)

令和7(2025)年5月の米の小売価格は、前年同月の約2倍の価格となりました(図表 特-1)。新米が本格的に出回り始めた同年9月以降も横ばいで推移しています。集荷業者と卸売業者間の相対取引価格を見ると、令和6(2024)年産が前年産に比べ64.4%上昇し、さらに令和7(2025)年産が、令和8(2026)年2月時点で前年産に比べ44.2%上昇しています(図表 特-2)。

一方、米の価格高騰の影響により、米の輸入量も増加しました。国家貿易の中で輸入され、主に主食用に流通するSBS(*1)米が輸入枠上限の10万t輸入されたほか、令和7(2025)年の民間貿易による米の輸入量は9万6,834tと前年に比べ大幅に増加しており、今後もこの傾向が続けば、国産の主食用米等の需要が減少し、国内生産に影響を及ぼすことが懸念されます(図表 特-3)。

図表 特-1 米の小売価格

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図表 特-2 米の相対取引価格

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図表 特-3 民間貿易による米の輸入量

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*1 Simultaneous Buy and Sellの略で、売買同時契約のこと

(価格高騰の要因や対応の検証を実施)

令和7(2025)年8月、農林水産省は、令和6(2024)年夏以降の価格高騰の要因や対応の検証を取りまとめ、米の安定供給等実現関係閣僚会議で公表しました。

以下では、同会議で公表された内容を中心に、令和7(2025)年産米の価格の高止まりの要因等について、要点を整理して紹介します。

米の価格高騰の主な要因としては、生産量が需要量を下回っていたことが挙げられます。

近年、主食用米の需要量は、人口減少等により減少傾向で推移してきているとして、農林水産省は、そのマイナス・トレンドの継続を前提として、需要量の見通しを作成するとともに、その減少する需要見通しを踏まえて生産量も減少の見通しを作成してきました。これに応じて、生産面では、作柄がほぼ平年並みで推移する中で、令和4(2022)年産の実際の生産量は前年産に比べ31万t減少し、その後の令和5(2023)、6(2024)年産もおおむね横ばいで推移しました。また、令和5(2023)年産は高温障害等により精米歩留りが悪く精米ベースの供給量が減少しました。一方で、需要面では令和5/6(2023/24)、6/7(2024/25)年の実際の需要量(*1)は、インバウンド(*2)需要や、精米歩留りが悪かったことによる玄米ベースでの必要量の増加に加え、家計購入量の増加等の1人当たり消費量の増加により、増加傾向で推移し、需要の見通しと実績に乖離(かいり)が生じました(図表 特-4、図表 特-5)。

この結果、令和5/6(2023/24)年以降、生産量が需要量に対し不足し、民間在庫を取り崩して需要量に見合う供給量を確保せざるを得ない状況となりました(図表 特-6)。民間在庫の減少に伴い、流通段階では、翌年の端境期に米が不足するとの不安が高まり、集荷競争が発生しました。卸売業者等では、新規の調達ルートの開拓や、同業者間で取引するスポット市場を通じた比較的高い価格での米の調達が行われることとなり、米の価格が高騰しました。

しかしながら、農林水産省では、需要のマイナス・トレンドの継続を前提として需要を見通していたこと等から、生産量が足りていると認識していました。このため、流通実態の把握に消極的で、マーケットへの情報発信や対話が不十分であり、また、政府備蓄米についても、不作時に備蓄米を放出するというルールの下、放出時期が遅延したこと等により、卸売業者等の不安感を払拭できず、このことが更なる米の価格高騰につながりました。

また、令和7(2025)年産米について、需要量を上回る十分な供給量が確保されていますが、令和6(2024)年夏からの米の不足感により集荷競争が激化し、生産量が判明する以前から集荷価格が著しく上昇したことで、価格の高止まりにつながっていることが考えられます。

図表 特-4 需要実績と需要見通しの乖離

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図表 特-5 需要が増えたと考えられる主な要因

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図表 特-6 主食用米の生産量、需要量、民間在庫量

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*1 需要量は、実績値。「令和5/6(2023/24)年」の場合は、令和5(2023)年7月~6(2024)年6月までの需要量を指す。

*2 訪日外国人旅行者のこと

(2)米の安定供給に向けた取組

(政府備蓄米を売り渡し)

農林水産省では、流通の円滑化を図るため、令和6(2024)年度から政府備蓄米の一般競争入札による売渡しを開始しました(図表 特-7)。入札は、集荷業者を対象に令和7(2025)年3月に2回、同年4月に1回行われ、約31万tの政府備蓄米を売り渡しましたが、同年5月上旬時点の小売業者、中食・外食事業者までの流通は約1割にとどまっていました。

このような状況を改善し、早く、安定した価格で米を供給する目的で、同年5月26日から随意契約による売渡しの受付を開始し、小売業者、中食・外食事業者等を対象に約28万tの政府備蓄米を売り渡しました。

また、加工原材料用の国産米の供給量が大きく減少したことから、加工原材料用米穀の需要者を対象に、同年8月1日から政府備蓄米の売渡しを開始し、約5万tを売り渡しました。

図表 特-7 政府備蓄米の売渡状況

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(ミニマム・アクセス米の入札を前倒しで実施)

政府備蓄米の売渡しに加えて、ミニマム・アクセス米(以下「MA米」という。)の買入入札時期の前倒しにも取り組みました。

我が国では、ガット・ウルグアイ・ラウンド合意に基づき、米についての最低限の輸入機会を提供するため、年間77万玄米tの無税の輸入枠を設定し、MA米を輸入しています。MA米については、国産米の需給に悪影響を与えないよう国家貿易で管理しており、その大部分を占める一般MA米は、加工用、飼料用等の非主食用に販売しています。しかし、不測の事態が生じた際に、政府備蓄米を活用してもなお、供給が不足する場合には、MA米を活用することとしており、売渡しにより政府備蓄米の在庫水準が低下する中、万が一の事態に備えていくことも重要です。

このようなことから、令和7(2025)年度輸入分の一般MA米については、買入入札時期の前倒しを行い、令和7(2025)年6月に1回目の入札を実施するとともに、国産の主食用米の品質に近い、中粒種の輸入量を増加させました。

また、MA米のうち年間10万tを上限に、主に主食用に流通するSBS輸入を行っていますが、これについても、国産米の価格が高止まりする中で、安価で安定的な米の供給を図るため、1回目の見積合わせを前倒しして、同年同月に実施しました。

(米の流通実態の把握の強化に向けた緊急調査を実施)

農林水産省では、米の流通実態をより詳細に把握するため、令和7(2025)年6月に緊急調査として、新たに生産者の在庫・出荷先・数量の調査等を行うとともに、米の出荷・販売事業者の調査対象を拡大しました。

生産者の在庫数量等に関する聴き取り調査(*1)では、令和6(2024)年産米について、生産者の出荷数量のうち農協系統等の集荷業者への出荷数量は前年産に比べ34万t減少していた一方、生産者の直接販売等は48万8千t増加していたことが分かりました(図表 特-8)。このように、多様化する流通実態を把握するためには、生産者から出荷される米の約半分が流通する集荷業者以外の業者等の仕入れ、販売、在庫の実態も定期的に把握する必要があることが明らかとなりました。

図表 特-8 生産者の在庫数量等

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図表 特-9 精米歩留り

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また、精米歩留りの状況調査では、令和5(2023)、6(2024)年産の歩留りが、令和2(2020)~4(2022)年産の平均に比べ低かったことが分かりました(図表 特-9)。この歩留りの低下により、玄米ベースでの必要量は、令和5(2023)年産では10万玄米t程度、令和6(2024)年産では6万玄米t程度増加し、その分需要の増加要因として影響していると考えられ、需要を見通すためには、精米ベースでの流通実態も把握する必要があることが明らかとなりました。

さらに、主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律(以下「食糧法」という。)に基づく全届出業者を対象に実施した、仕入れ・販売・在庫数量の調査では、回答率が約2割にとどまり、実効性のある把握手法の仕組みを含め、検討する必要があることが明らかになりました。このため、報告をしていない者の状況の把握に向けて、令和7(2025)年9月から、期日までに報告がなかった者のうち、届出時点の年間取扱数量が300t以上の業者に対するフォローアップ調査を実施しました。

*1 令和7(2025)年6月末時点

(3)米の価格高騰の要因と対応の検証を踏まえた対応策と今後に向けて

(生産量に関する統計調査の精度向上に向けた取組を実施)

水稲の収穫量に関する統計については、生産現場の実感と乖離があるとの指摘があったことを踏まえ、その要因の分析と見直しを行い、生産現場の実感に合った情報の提供と、精度向上に取り組みました。

具体的には、令和6(2024)年産までは、過去30年のトレンドを基にした平年収量との比較である「作況指数」を公表していましたが、近年の高温等が収量に与える影響を十分に反映できておらず、生産現場の実感との乖離の要因となっていました。このため、令和7(2025)年産から、作況指数に替えて、直近5年中3年の平均収量と比較する「作況単収指数」を新たに公表することとしました。

また、主食用米の収穫量を把握するためのふるい目幅を生産者が使用している大きなものに変更しました。具体的には、米は、収穫後、ふるい等により選別されますが、統計調査では、主食用として供給される可能性のある玄米の全量を把握することを目的としており、1.70mmのふるい目幅で選別して、主食用米の収穫量を算定していました。一方、生産現場では、品位を高めるため、より大きなふるいを用いて選別し、このふるいに残った米を収穫量として認識していました。このため、生産者が使用するふるい目幅と統計調査で使用するふるい目幅が異なることが、実感との乖離の要因となっていました。このことから、新たに生産者が使用するふるい目幅ベースで主食用の収穫量を算定し公表することとしました(*1)。

このほか、白未熟粒(しろみじゅくりゅう)、着色粒(ちゃくしょくりゅう)、胴割粒(どうわれりゅう)等の割合を新たに公表するなど、公表内容を見直しました。さらに、都道府県や農業団体等の関係機関から気象や病虫害の被害情報等をきめ細かに収集し、調査結果に反映するなどの取組を行いました。

生産者が使用しているふるい目幅(1.80~1.90mm)ベースでの令和7(2025)年産の収穫量(主食用)は、718万1千tと、前年産に比べ10.2%増加しました。これは、同年産米の備蓄米の買入れを中止したことや、新規需要米等からの作付転換等があったため、主食用作付面積が136万7千haと、前年産に比べ8.6%増加したことに加え、10a当たり収量が526kgと、前年産に比べ1.3%増加したことによるものです。これまで公表していたふるい目幅1.70mmベースでの収穫量(主食用)で見ると、746万8千tと、前年産に比べ10.0%増加しています。

くわえて、精度向上に向けて、生産者の収穫量データを活用した新たな調査手法の導入に向けた取組を進めています。具体的には、令和7(2025)、8(2026)年産において、試行的に生産者等から収穫量に関するデータを収集するなどのほか、生産者団体の乾燥調製施設のデータについて、統計的に活用可能か検証するなど、調査手法を検証した上で、令和9(2027)年産から、生産者等の収穫量データを活用した調査の本格導入を目指すこととしています。このほか、将来に向けて、令和7(2025)年度から人工衛星データ・AI(*2)を活用して収量を予測するための実証研究も開始しています。

*1 従来の1.70mmのふるい目幅で選別した収穫量も引き続き公表

*2 Artificial Intelligenceの略

(新たな算出方法による需給見通しを公表)

令和5/6(2023/24)、6/7(2024/25)年の需要実績と需要見通しに乖離が生じたことを受け、令和7(2025)年9、10月に、令和7/8(2025/26)、8/9(2026/27)年の需給見通しの算出方法について、見直しを行いました。具体的には、需要見通しは、人口減少や直近の1人当たり精米ベースの消費量の実績、インバウンド需要の動向、精米歩留りを考慮した幅で設定するとともに、これを検証するものとして、とう精数量・精米歩留りの実績を踏まえた需要量の推計を行うこととしました。生産見通しについては、需要見通しに対して余裕を持って設定するという考えの下、令和8(2026)年産の主食用米等の生産量の見通しとしては、令和8/9(2026/27)年の需要見通しの上位値に合わせ余裕を持って設定し、今後の生産量や需要量の変動の把握に努め、必要に応じて柔軟に見直していくこととしました。このため、収穫量の確定値や最新のとう精数量、精米歩留り等を踏まえて更新し、令和8(2026)年3月に公表した需給見通しにおいて、同年6月末時点の民間在庫量の見通しは玄米ベースで221~234万tとなっており、直近10年程度で最も高い在庫水準に相当する見込みです(図表 特-10)。さらに、需給を把握するためには、玄米ベースのみでなく、精米ベースでの把握も必要なことから、精米ベースでの需給見通しの公表も行うこととしました。

図表 特-10 主食用米等の需給見通し

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(食料システム法に基づく米のコスト指標作成に向けて検討)

米の生産コストは、近年の肥料・農薬等の物財費や人件費の上昇の影響を受けています。

このような中で、食料システム法(*1)に基づき、米の合理的な費用を考慮した価格形成を推進するため、コスト指標の作成等を通じて、生産から販売に至る各段階で掛かっているコストを明確にしていくこととしています。

米のコスト指標
(公益社団法人米穀安定供給確保支援機構)
URL:https://www.komenet.jp/costindicate/

生産・流通・販売等の関係者を委員とする「コスト指標作成等委員会」(*2)が開催され、令和7(2025)年12月から米のコスト指標の作成方法等の検討が行われ、令和8(2026)年3月に米のコスト指標のイメージを公表しました。

*1 第4章第2節及び第3節を参照

*2 米の需給・価格等に関する情報提供を行っている、公益社団法人米穀安定供給確保支援機構が、委員会の事務局を担当

(米の生産性向上や国内外の需要開拓に向けた取組を推進)

米粉を使用したスフレショコラ

資料:株式会社モンサンクレール

我が国の水田農業を維持するとともに、食料安全保障を確保していくためには、生産者自らが米の様々な需要に応じた生産を行える環境を整えるとともに、より効率的な生産体制の構築や流通の合理化、米粉の利用促進、輸出による米の国内外の需要開拓を図ることが重要です。

このため、産地・生産者による多様な用途の米の作付判断に資するきめ細かな情報提供を行うほか、農業の構造転換のための農地の大区画化、共同利用施設の再編集約・合理化といった施策に集中的に取り組んでいるところです。また、育苗・田植作業が不要となる直播(ちょくはん)栽培等の普及や、再生二期作等の新たな技術の確立、近年の高温による影響等を踏まえた高温耐性・多収品種への切換えを推進するとともに、多様化する実需者ニーズに対応するための流通等の共同化の取組や、小売事業者等と生産性向上に取り組む産地との長期契約に基づく直接取引等のモデル構築への支援により、米の流通構造の合理化・効率化等を推進することとしています。

米粉については、延べ14万人を超えるフォロワー数を獲得した米粉情報サイト「米粉タイムズ」に加え、「米コ塾」による情報発信や新商品開発への取組支援等を進めてきた結果、米粉の特徴を活かしたおいしい商品が次々と開発され、飲食店や量販店等において米粉を使用したメニューや米粉パン等が定番商品となるなど、令和6(2024)年度の米粉の需要量は5.6万tと、令和2(2020)年度に比べ2万t増加しました。更なる市場規模の拡大に向けては、輸出も含めた新たな市場ニーズを捉えた商品開発への支援やSNSを活用した米粉レシピのライブ動画の配信、外食チェーン店と連携したグルメフェアの開催による喫食機会の拡大等を通じた新たな需要の創出を図るとともに、米粉加工に適した専用品種の開発・普及等による需要の増加に対応した米粉用米の生産量の確保と生産コストの削減を推進することとしています。

米・パックご飯・加工米飯・米粉及び米粉製品の輸出については、認定農林水産物・食品輸出促進団体(*1)(以下「認定品目団体」という。)である一般社団法人全日本コメ・コメ関連食品輸出促進協議会等による、業界一体となったプロモーション等への支援を行うなど、官民で日本産米の需要拡大に取り組んできた結果、令和7(2025)年の輸出量は約4.8万tとなり、直近5年間で約2.3倍に拡大しました。同年4月に閣議決定した食料・農業・農村基本計画(以下「基本計画」という。)では、令和12(2030)年に「米・パックご飯・米粉及び米粉製品」として、35.3万tの輸出量の達成を目指すこととしており、輸出の伸びを更に加速させるため、日本食のプロモーションや商流構築、国内外を一貫してつなぐサプライチェーンのモデル構築、おにぎり屋、日本食レストランといった日系外食企業の海外進出や、農地の集積・集約化や大区画化、多収品種の作付拡大等の生産性向上に取り組む大規模輸出産地の形成等を推進していきます。

*1 第3章第2節を参照

(酒造好適米の安定供給に向けた取組を実施)

主食用米の価格高騰等に伴い、主食用米の作付けが増加して、醸造用に適した酒造好適米の作付けが減少したため、事業者から日本酒原料米の確保を心配する声が出ていました。このため、産地と実需の連携強化の下、生産性向上等に取り組む酒造好適米生産者への支援に取り組むこととしています。

また、我が国の「伝統的酒造り」(*1)という観点からも重要な酒造好適米の安定的な生産・供給に向け、「日本酒原料米の安定取引に向けた情報交換会」を毎年開催し、日本酒原料米の生産者団体と実需者である酒造組合との間で情報共有を図っています。

*1 令和6(2024)年12月にユネスコ無形文化遺産に登録

(食糧法の改正を検討)

米価高騰の要因及び政府備蓄米の売渡しの対応を検証する中で、農林水産省が多様化する流通実態を把握できていなかったことや政府備蓄米の売渡手続に時間を要し、機動性を欠くという課題が明らかになりました。

このため、米の安定供給に向けて、国が流通実態をより正確に把握し、その流通状況に応じて適確な対応を行えるよう、食糧法の改正を検討しています。

具体的には、米の流通が多様化していることを踏まえ、米穀を取り扱う事業者について、届出の対象を拡大するとともに、米の在庫数量等の定期報告制度を創設することとしています。

また、備蓄制度については、生産量の減少による供給不足に加えて、需要量の増加等による供給不足にも備えて保有できるよう、備蓄の保有目的を見直すとともに、備蓄米の迅速な流通を可能にするため、政府備蓄を補完するものとして、民間備蓄制度を創設することとしています。

あわせて、米の需要を拡大し、これに応じた生産を推進するために、米の需要の減少を前提とした生産調整に関する規定を廃止するとともに、生産者は需要に応じた生産に主体的に努力すること、政府は輸出等により需要を拡大しつつ、需要に応じた生産を促進すること等を明記することとしています。

(水田政策の見直しに向けて)

農業者の急減という農業構造の変化に対応し、農業生産の維持・拡大を図り、食料安全保障を確保するためには、少数の農業者がより多くの農業生産を担う農業構造へ転換すべく、生産性向上を図る必要があります。

このため、基本計画に基づき、水田政策について、作物ごとの生産性向上等への支援へと転換する方向で、令和9(2027)年度から根本的に見直すこととしています。


お問合せ先

大臣官房広報評価課情報分析室

代表:03-3502-8111(内線3260)
ダイヤルイン:03-3501-3883

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