G20農業大臣会合及びG20食料安全保障大臣会合の結果概要(令和7年9月)
(1)概要
令和7年9月18日(木曜日)に、南アフリカ(ケープタウン)において、G20農業大臣会合が開催され、持続可能な農業生産やイノベーションの活用、包摂的な市場参加の促進等について議論が行われました。また、翌日19日(金曜日)には、G20食料安全保障大臣会合が開催され、食料価格の高騰と変動への対応策や食料安全保障を強化するための協調確保について議論が行われました。我が国からは滝波農林水産副大臣が出席し、食料安全保障の確保における国内の農業生産強化の重要性や、持続可能性との両立の必要性について主張しました。
農業大臣会合では、議長国の南アフリカから「G20農業大臣成果文書及び議長サマリー」が発出され、食料安全保障大臣会合では「G20食料安全保障タスクフォース宣言」と「食料安全保障及び栄養、並びに過剰な食料価格の変動に関するウブントゥ・アプローチ」が採択されました。

(2)開催日時
令和7年9月18日(木曜日)から9月19日(金曜日)まで
(3)出席国・国際機関
【G20】
日本、南アフリカ(議長国)、アルゼンチン、豪州、ブラジル、カナダ、中国、フランス、ドイツ、インド、インドネシア、イタリア、メキシコ、韓国、ロシア、サウジアラビア、トルコ、英国、米国(注:農業大臣会合のみ)、アフリカ連合(AU)、欧州連合(EU)
【招待国等】
エジプト、アイルランド、ノルウェー、ポルトガル、シンガポール、スペイン、オランダ、アラブ首長国連邦、南部アフリカ開発共同体(SADC)
【国際機関】
アフリカ開発銀行(AFDB)、世界食料安全保障委員会(CFS)、国際農業研究協議グループ、国連食糧農業機関(FAO)、国際農業開発基金(IFAD)、経済協力開発機構(OECD)、国連貿易開発会議(UNCTAD)、国連工業開発機関(UNIDO)、世界銀行(WB)、国連世界食糧計画(WFP)、国際獣疫事務局(WOAH)
(4)滝波農林水産副大臣の発言のポイント
G20農業大臣会合
- 持続可能で生産性の高い、強じんな食料システムの構築において、「万能の解決策はない」との考えに基づき、各国の状況に応じたテーラーメイドの連携・協力の推進が必要
- 8月に開催されたTICAD9で、G7宮崎農業大臣会合で立ち上げた「民間セクター・小規模生産者連携強化」通称ELPS(エルプス)イニシアチブの第2号案件として、ルワンダにおける「マカダミアナッツのバリューチェーン強化プロジェクト」を立上げ
G20食料安全保障大臣会合
- 農業・食料システムの変革を推進し、持続可能な農業生産を続けるためには、これまでにも増して多角的な観点が必要
- 各国は既存の国内農業資源を最大限活用し、国内生産の増大を図りつつ、食料貿易も円滑化し、地元の、地域の、そして世界の農業・食料システムを強化する必要
- 我が国は、食料・農業・農村基本法を改正し、平時から食料安全保障の確保に向けて取り組み、安定した食料供給を目指す
(5)G20農業大臣成果文書及び議長サマリーのポイント
- 国内生産とともに、農業貿易が食料価格の変動を抑え、農村地域の開発を促進しながら、食料安全保障の改善に重要な役割を果たすことを認識
- 知的財産制度の保護と執行は、イノベーションを促進・拡大し、長期的に持続可能で強じんな農業・食料システムの実現に重要
- 農業の持続可能性に「万能の解決策」はないことを認識し、地域、作物、社会経済に応じて調整される必要
(6)G20食料安全保障タスクフォース宣言のポイント
- 多様な食料供給と持続可能な資源の管理及び活用の重要性を認識し、食料安全保障と栄養の達成を目指す
- WTOルールに従い、開かれ、公正で、予見可能で、かつルールに基づく農業、食料及び肥料の貿易を促進
- 国内生産の拡大と国際貿易の強化による、強じんで持続可能かつ包摂的な農業・食料システムを推進することで、すべての人々が十分で安全な食料にアクセスできるようになる
〈添付資料〉
- 「G20農業大臣成果文書及び議長サマリー」(英文(PDF : 638KB)・仮訳(PDF : 441KB))
- 「G20食料安全保障タスクフォース宣言」(英文(PDF : 491KB)・仮訳(PDF : 364KB))
- 「食料安全保障及び栄養、並びに過剰な食料価格の変動に関するウブントゥ・アプローチ」(英文(PDF : 346KB)・仮訳(PDF : 164KB))
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