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特集1 大豆(1)


アメリカやブラジルは大豆の2大生産国ですが、それぞれの国内で食用として使われるのは1割もありません。
海外では油脂やバイオディーゼル燃料、家畜の飼料など食用以外の用途でほとんど消費されます。
対して日本では、その消費量の3割が食用となる大豆。日本人は古来より豆腐や納豆、みそ、しょうゆなどの食文化を育み、この栄養豊富な食材を活用してきました。

[World]生産と消費量で見る世界の大豆事情




生産と消費量で見る世界の大豆事情
資料:日本のデータは「平成26年度 食料需給表」より、その他の国・地域は米国農務省「PS&D」(2015/2016の数値〈見込み値を含む〉)より作成


生産はアメリカとブラジル 消費は中国が最大
日本は中国から伝わった大豆を自国の食文化に取り込み、根づかせました。

その大豆を日本から母国のアメリカに持ち帰ったのが、19世紀、「黒船」で日本を訪れた東インド艦隊司令長官のマシュー・ペリーです。以来、アメリカでは搾油(さくゆ)用や飼料用として需要が高まり、やがて一大生産国となります。

現在、世界の大豆生産量は年間約3.2億トンに達していますが、その用途は主に搾油です。国別では、アメリカ、ブラジル、アルゼンチンの南北アメリカ3国で世界の生産量の約8割を占めます。

輸出量もアメリカとブラジルがともに約3割と拮抗しています。

世界最大の消費・輸入国は近年、中国です。特に大豆油や飼料用として世界の貿易量の約6割を占めます。

日本は1980年ごろまでアメリカに輸入の大部分を依存していましたが、その後、日本が協力したブラジルでの大増産もあり(コラム参照)、2015年の国別輸入量はアメリカ(233万トン)に次ぐのがブラジル(51万トン)となっています。


世界の大豆生産量・消費量ランキング
世界の大豆生産量・消費量ランキング
資料:日本のデータは「平成26年度 食料需給表」より、その他の国・地域は米国農務省「PS&D」(2015/2016の数値〈見込み値を含む〉)より作成


ブラジルを世界有数の産地に変えた日本
1973年、アメリカの大豆輸出規制により、輸入大豆のほとんどをアメリカに頼っていた日本では豆腐の価格が高騰。買い占め騒動まで起きます。そこで、輸入国の多角化を模索した田中角栄首相(当時)が着目したのがブラジルでした。

同国の内陸部には「セラード」という熱帯サバンナが広がっています。日本国土の5倍以上の広さがありながら、不毛の大地とされていたセラードで日本とブラジルの共同事業が始まったのが1979年です。

さっそく事業計画や資金、技術の面で協力すると、700戸以上の農家が入植し、開拓。その結果、セラード産の大豆は総生産量の6割以上までになりました。このブラジルでの大豆生産の拡大は世界の食料需給に大きく貢献しています。
(話:清水純一農林水産省農林水産政策研究所上席主任研究官)


セラードでは、センターピボットというかんがい農法で、直径約1キロメートルにも及ぶ円形の大豆畑をタイヤのついたアームで散水する。 セラードでは、センターピボットというかんがい農法で、直径約1キロメートルにも及ぶ円形の大豆畑をタイヤのついたアームで散水する。 セラードでは、センターピボットというかんがい農法で、直径約1キロメートルにも及ぶ円形の大豆畑をタイヤのついたアームで散水する。




取材・文/下境敏弘



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