このページの本文へ移動

農林水産省

メニュー

更新日:2023年8月1日

担当:消費・安全局動物衛生課

WOAHの概要

概要

国際獣疫事務局は、1924年に28カ国の署名を得てフランスのパリで発足した、世界の動物衛生の向上を目的とする政府間機関です。動物衛生や人獣共通感染症に関する国際基準の策定等を行っています。2023年6月現在183の国と地域が加盟しています。我が国は1930年1月28日にWOAHに加盟し、この時の加盟条約において日本語で「国際獣疫事務局」と記載されています。

WOAHの作業対象は設立以後拡大してきており、現在では動物衛生のみならず、食品安全及びアニマルウェルフェアの分野も作業対象に含まれています。また取り扱う動物も、哺乳類、鳥類、蜂、魚類、甲殻類及び軟体動物に加え、2008年に両生類が、2016年には爬虫類が対象となりました。

WOAHの目的は以下の6つです。

  1. 世界で発生している動物疾病に関する情報を提供すること。  
  2. 獣医学的科学情報を収集、分析及び普及すること。
  3. 動物疾病の制圧及び根絶に向けて技術的支援及び助言を行うこと。
  4. 動物及び動物由来製品の国際貿易に関する衛生基準を策定すること。
  5. 各国獣医組織の法制度及び人的資源を向上させること。
  6. 動物由来の食品の安全性を確保し、科学に基づきアニマルウェルフェアを向上させること。

組織

1.総会

WOAHの最高意思決定機関であり、最低年1回開催(例年5月、パリで開催)されます。加盟国すべての政府代表より構成され、コード改正案の採択などを行います。

 

2.理事会

総会が開催されていない期間に総会に代わって業務を遂行する機関です。総会議長、副議長、前議長及び総会にて地域バランスを考慮して選出された6名の委員の計9名により構成され、年に2回パリのWOAH本部において財務状況や組織としての戦略などを協議します。

 

3.  地域委員会

各地域特有の課題の検討及び各地域内の協力活動を組織するために、5つの地域委員会(アフリカ、アメリカ、アジア太平洋、ヨーロッパ及び中東)が設置されています。地域委員会は、各地域の加盟国の政府代表が一同に集まり、地域の問題について協議する場である地域総会を2年に一度開催することになっています。2021年5月に行われた第88回総会において、日本のWOAH代表(Delegate)である沖田賢治 消費・安全局動物衛生課長が副議長に選任されました。

 

4.専門委員会

専門的課題に対処するため、総会は専門委員会を設置することができることとされており、現在4つの専門委員会が設置されています。それぞれ、総会にて承認された6名の専門家より構成されています。2021年5月に行われた第88回総会において、消費・安全局動物衛生課の村井清和氏が陸生動物衛生基準委員会のメンバーに、農研機構動物衛生研究部門の川治聡子氏が生物基準委員会のメンバーに選任されました。

(英文サイトに外部リンクしています。)

(1) 陸生動物衛生基準委員会(コード委員会):陸生動物のコードの作成・改正などを行っています。

     Terrestrial Animal Health Standards Commission (Code Commission)

(2) 水生動物衛生基準委員会(水生動物委員会):水生動物のコード及び診断マニュアルの作成・改正などを行っています。

     Aquatic Animal Health Standards Commission (Aquatic Animal Commission)

(3) 動物疾病科学委員会(科学委員会):特定の疾病に関する各国のステータスの評価などを行っています。

     Scientific Commission for Animal Disease (Scientific Commission)

(4) 生物基準委員会(ラボラトリー委員会):陸生動物の診断及びワクチンに関するマニュアルの作成・改正などを行っています。

     Biological Standards Commission (Laboratories Commission)

 

5.事務局長及び事務局

各種委員会及び技術的会合の調整やとりまとめなどの日常的な運営は事務局が行っています。事務局長は、総会にて選出されることとされており、現在の事務局長はフランスのDr. Monique Eloit(2016~)です。

 

6.  地域代表事務所

地域における動物疾病の発生状況やその推移の監視及び防疫の強化などを目的とし、5つの地域代表事務所(アフリカ、アメリカ、アジア太平洋、ヨーロッパ及び中東)が設置され、各地域に適合した各種サービスを提供しています。

1990年の第58回総会において「アジア太平洋地域事務所の設置に関する決議」が満場一致で採択され、1992年6月にWOAH初の地域代表事務所としてWOAHアジア太平洋地域代表事務所(英文サイト)[外部リンク]が東京に開設されました。WOAHアジア太平洋地域代表事務所は、アジア太平洋地域を対象に、動物衛生情報センターとして、地域の動物疾病(人獣共通感染症を含む)の防疫や食品の安全確保などにおいて中核的な役割を果たしています。

 

7.  アドホックグループ及びワーキンググループ

(1) アドホックグループは、特定の科学的及び技術的事項を検討するため、WOAH事務局長により特別に設置される会合で、その報告書は総会及び専門委員会の参照として提供されます。

(2) ワーキンググループは、総会にて設置が承認される会合で、特定の分野に関する情報の継続的な収集、分析及び普及を行います。現在2つのワーキンググループが設置されており、科学的会合、セミナー、ワークショップや研修を通じて情報提供を行っています。

(英文サイトに外部リンクしています。)

 

8.  コラボレーティングセンター及びリファレンスラボラトリー

(1) コラボレーティングセンターは、特定の専門分野(動物用医薬品、新興感染症など)において技術的な支援などを行っています。68施設(2022年現在)が認定されています。

(2) リファレンスラボラトリーは、動物疾病の診断及び診断方法に関する助言や診断に利用する標準株・診断試薬の保管などを行っています。266施設(2022年現在)が指定されています。

 

 WOAHの公式ホームページより一部英語の記載を引用し仮訳しています。


 

 

お問合せ先

消費・安全局食品安全政策課

代表:03-3502-8111(内線4470)
ダイヤルイン:03-5512-2291


消費・安全局動物衛生課

代表:03-3502-8111(内線4584)
ダイヤルイン:03-3502-8295


消費・安全局畜水産安全管理課水産安全室

代表:03-3502-8111(内線4539)
ダイヤルイン:03-6744-2105