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農林水産省

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スギヒラタケの毒性に関する調査研究

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  • 国内ではこれまでにスギヒラタケの摂取と急性脳症の発生の因果関係等に関して、様々な調査研究が行われています。
  • 農林水産省は以下の調査研究を実施しました。

 先端技術を活用した農林水産研究高度化事業(緊急課題即応型調査研究)

課題名:スギヒラタケの生理・生態特性と含有物質の関連性の解明(平成17年度)

委託先:独立行政法人森林総合研究所(共同機関:高崎健康福祉大学)

研究概要:スギヒラタケの系統的な検体の採取を行い、生理・生態活性を明らかにし、またスギヒラタケの発生する樹種、発生時期、発生地域を考慮して乾燥子実体から抽出物を調製し、マウスにおける急性経口毒性試験及び腹腔内投与試験、腎障害モデル動物(ラット)への投与試験を行い、検体の毒性を評価した。

生理・生態毒性や毒性の評価結果に基づき、DNA分析によりスギヒラタケの多系性の有無の検証や含有成分変動の解析を行った。

農林水産省委託プロジェクト研究

課題名:「安全で信頼性、機能性が高い食品・農産物供給のための評価・管理技術の開発」のうち、「スギヒラタケ事件の化学的解明とその応用展開」(平成18-19年度)

委託先:静岡大学

研究概要: スギヒラタケからのマウスに対する致死性毒物質の分離精製と構造決定に関して、スギヒラタケからの致死性毒物質の単離に成功した。この物質は糖タンパク質であった。スギヒラタケからのレクチンの精製、諸性質の検討を行い、スギヒラタケからレクチン(PPL)を精製し、全1 次配列を決定した。腎障害ラットに対する影響について、シスプラチン投与によってマウスに腎障害を惹起し、スギヒラタケ抽出物、致死性毒物質などを与えて影響を検討したが、正常マウスとの顕著な差が観察されなかった。

 新たな農林水産政策を推進する実用技術開発事業

課題名:キノコ中の急性脳症原因物質の特定と発症機序の解明及び検出法の開発(平成21-23年度)

委託先:静岡大学(共同機関:宮城県林業技術総合センター、東京都神経科学総合研究所、静岡県立大学、山梨大学、大阪大学、独立行政法人森林総合研究所)

研究概要: レクチン(PPL)の異種発現、大量生産系の構築に成功し、recombinant PPLとnative 致死性高分子(B3)を混合することで、タンパク質分解活性の再現に成功した。また、その活性は基質特異性を持たない。また酵母Two-hybrid法で得られた陽性クローンシーケンスデータより、スギヒラタケのトランスクリプトームデータ中からB3のLC-MS/MS断片を検索することにより、5つの遺伝子を選抜し、これら遺伝子の完全長cDNAの取得に成功した。

動物試験から、B3とPPLの混合物投与したマウスでのみで血液脳関門 (BBB)が破壊されるといった再現性を得た。またin vivoで得られたBBB破壊がin vitroでも起きているかを、血液脳関門再構築モデル(BBB kit)を用いて試験し、Claudin 5を用いた免疫染色によってその破壊を確認した。

また、最終的に脱髄病変を惹起する毒性物質として推定された低分子で不安定な第3の鍵化合物pleurocybellaziridineの合成に成功し、そのスギヒラタケ中での存在の確認にも成功した。

細胞レベルの検討では、pleurocybellaziridineがオリゴデンドロサイト優先的に細胞死を誘導し、そのオリゴデンドロサイト毒性はミトコンドリア障害を介していることを明らかにした。また、pleurocybellaziridineはCaco-2 monolayerにおけるFITC-dextran 70kの透過を著しく促進し、TERの低下とFITC-dextran 70kの透過促進を引き起こし、さらにMDCK Iに対して細胞障害性を示すことが明らかになった。

動物実験では、脳脱随病変との関連性(BBBの破壊)が示唆されるPPL及びB3の混合投与は、腎障害マウスにおける致死活性を増強するという知見を得た。また、pleurocybellaziridineは、BBB破壊マウスモデルにおいて人為結果とは無関係と推定される脳病変をもたらした。


  • 厚生労働省でも、以下のとおりスギヒラタケと急性脳症の関連性に関する調査研究を実施しています。
  • 各研究の概要、報告書は、厚生労働科学研究成果データベースのウェブサイトでご確認いただけます。

厚生労働科学研究成果データベース(国立保健医療科学院)

URL: http://mhlw-grants.niph.go.jp/

 厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究

課題名:スギヒラタケ中の有害成分の分析に関する研究(平成16年度)

代表研究者(所属機関):米谷民雄(国立医薬品食品衛生研究所食品部)

研究分担者(所属機関):佐々木久美子(国立医薬品食品衛生研究所食品部)、小西良子(国立医薬品食品衛生研究所衛生微生物部)、穐山浩(国立医薬品食品衛生研究所食品部)

課題名:東北北陸等での急性脳症多発事例にかかる研究(平成16年度)

代表研究者(所属機関):柳川洋(埼玉県立大学)

研究分担者(所属機関):岡部信彦(国立感染症研究所)、米谷民雄(国立医薬品食品衛生研究所)、河岸洋和(静岡大学農学部)、江口文陽(高崎健康福祉大学健康福祉学部)、山本都(国立医薬品食品衛生研究所)、大橋教良(日本中毒情報センター)、下条文武(新潟大学)、西澤正豊(新潟大学脳研究所)、山本保博(日本医科大学)

課題名:腎不全モデル動物を用いたスギヒラタケとの関連が疑われる急性脳症の発症機序解明(平成16年度)

代表研究者(所属機関):下条文武(新潟大学大学院医歯学総合病院)

研究分担者(所属機関):成田一衛(新潟大学医歯学総合研究科)、河内裕(新潟大学医歯学総合研究科)、清水不二雄(新潟大学医歯学総合研究科)、高橋均(新潟大学医歯学総合研究科)

課題名:スギヒラタケの有害成分に関する研究(平成17年度)

代表研究者(所属機関):米谷民雄(国立医薬品食品衛生研究所食品部)

研究分担者(所属機関):穐山浩(国立医薬品食品衛生研究所食品部)、近藤一成(国立医薬品食品衛生研究所食品部)

 厚生労働科学研究費補助金健康安全確保総合研究分野 食品の安心・安全確保推進研究

課題名:自然毒のリスクプロファイル作成を目指した調査研究(平成20-21年度)

代表研究者(所属機関):塩見一雄(東京海洋大学海洋科学部)

研究分担者(所属機関):長島裕二(東京海洋大学海洋科学部)、荒川修(長崎大学水産学部)、近藤一成(国立医薬品食品衛生研究所)、佐竹元吉(富山大学和漢医薬学総合研究所)

課題名:食品中の自然毒のリスク管理に関する研究(平成22-23年度)

代表研究者(所属機関):長島裕二(東京海洋大学海洋科学部)

研究分担者(所属機関):荒川修(鹿児島大学水産学部)、塩見一雄(東京海洋大学海洋科学部)、近藤一成(国立医薬品食品衛生研究所)、佐竹元吉(富山大学和漢医薬学総合研究所)、紺野勝弘(富山大学和漢医薬学総合研究所)、登田美桜(国立医薬品食品衛生研究所) 


お問い合わせ先

消費・安全局農産安全管理課
担当者:生産安全班
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FAX:03-3580-8592