食品に含まれるソラニンやチャコニン
どんな食品に、どのくらい含まれているの?
- ナス科の植物のジャガイモ、ツルナス、イヌホオズキなどに含まれます。
- じゃがいも(いも部分:塊茎)には、ソラニンやチャコニンなどのグリコアルカロイドが100 gあたり平均7.5 mg(0.0075 g)含まれており、そのうち3~8割が皮の周辺にあります。
- じゃがいもに光が当たったり、傷がついたりすると、グリコアルカロイドの量が増えます。光に当たって緑色になった皮の部分には、100 gあたり100 mg(0.1 g)以上のグリコアルカロイドが含まれているといわれています。
- グリコアルカロイドは、じゃがいもの芽に一番多く含まれ、葉、茎、花、果実、根にも含まれています。
じゃがいも(植物)の各部位におけるグリコアルカロイドの濃度
部位 | グリコアルカロイドの濃度 (mg/100 g 湿重量) |
通常の塊茎(全体) 表皮部分(全体の2~3%) 皮部分(全体の10~15%) |
4.3~9.7 30~60 15~30 |
苦みのある塊茎 | 25~80 |
芽 | 200~730 |
葉 | 23~100 |
茎 | 2.3~3.3 |
花 | 215~500 |
果実 | 18~135 |
根 | 18~85 |
市販のじゃがいもにはどのくらい含まれているの?
国内で市販されているじゃがいも5品種(品種ごとに各5点:いずれも芽がみられないもの)中のα-ソラニンやα-チャコニンの濃度を調べたところ、5品種全てにおいて、皮層部(約1 mmの厚さでむいた皮)に高い濃度で含まれ、髄質部(ずいしつぶ:皮層部を除いた部分)にはほとんど含まれていないことが報告されています。市販じゃがいも中のα-ソラニン及びα-チャコニンの濃度
品種名 | 部位 | α-ソラニンの濃度 (mg/100 g湿重量) |
α-チャコニンの濃度 (mg/100 g湿重量) |
メークイン | 皮層部 | 26~32 | 50~69 |
髄質部 | 0.3~1.2 | 0.3~1.5 | |
男爵 | 皮層部 | 19~24 | 31~37 |
髄質部 | 0.6~3.1 | 0.5~2.4 | |
ワセシロ | 皮層部 | 4.3~6.3 | 8.5~11 |
髄質部 | <0.2 | <0.2 | |
ジャガキッズレッド | 皮層部 | 14~20 | 15~21 |
髄質部 | <0.2 | <0.2 | |
ジャガキッズパープル90 | 皮層部 | 8.4~13 | 13~16 |
髄質部 | <0.2~0.2 | <0.2 |
出典:新藤哲也ほか. 2004.のTable 1を農林水産省で改変の上、転載
参考文献
JECFA Monographs. 764. Solanine and chaconine(WHO Food Additives Series 30)
Cressey P & Thomson B. 2007. Scoping risk from natural toxins in New Zealand crop plants. ESR Client Report FW07009.
新藤哲也ほか. 2004. ジャガイモ中のα-ソラニン, α-チャコニンの含有量および貯蔵中の経時変化. 食衛誌, vol.45, No.5, 277-282
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