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農林水産省

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消費者の部屋

消費者相談

マグロの資源回復のために、我が国が漁獲制限以外でやっている対策があれば教えてください。

回答

【マグロの資源回復の対策~養殖について~】
現在、我が国では各地でクロマグロの養殖が行われており、平成29年の養殖生産量は約1万6千トンです。「養殖」というと、つくり育てる漁業で、天然資源に影響を与えないような印象を受けますが、クロマグロの養殖では、実は海で捕まえた天然クロマグロの稚魚(これを天然種苗といいます)をいけすの中で育てて出荷しているのです。
約10年前から、クロマグロの養殖が増加したため、天然クロマグロの稚魚がたくさん獲られて、クロマグロの天然資源が少なくなるかもしれないということが問題となりました。そこで、農林水産省は、「平成24年、養殖で使う天然クロマグロの稚魚の数を増やさないように」という指示を出しました。
  天然の稚魚を使わないで養殖の生産量を増やしていくためには、人工の稚魚(これを人工種苗といいます)を使わなければなりません。人工の稚魚をつくるには、親となるクロマグロを海から捕まえてきて卵を産ませ、稚魚まで育てる必要があります。ただし、それではまだ天然資源に影響を与えてしまいます。天然の資源に影響を与えないようにするためには、人工の稚魚を親まで育てて卵を産ませ、それを育てて人工の稚魚にし、養殖を行う必要があります(これを完全養殖といいます)。近年、クロマグロの完全養殖が可能になりました。それには高い技術が必要で、日本以外では成功していません。
  【マグロの養殖の今後の課題】
マグロは完全養殖することはできるようになりましたが、生まれたマグロの稚魚の大半は、小さいうちに死んでしまいます。その原因の一つとして、養殖に用いられている餌には、小さいマグロが大きくなるために必要な成分がバランスよく含まれていないことが考えられます。水産庁では、平成28年度から小さいマグロの成長に適応した餌を開発する研究を進めています。
こうした餌を開発するためには、マグロが成長するに従って、どのような成分をより吸収しているか調べる必要があります。このためには、マグロに与えた餌とそれを食べたマグロの糞の成分を分析してもとの餌からどのような成分がなくなっているか(あるいは残っているか)を調べる必要があります。
しかしながら広い海の中で泳いでいるマグロの糞を採集することはできませんが、室内の水槽の中で小さいマグロを飼育して糞を回収し、その成分を細かく分析する技術ができました。マグロは餌に含まれるタンパク質を分解し、アミノ酸というさらに細かい物質にして吸収しています。アミノ酸には非常に多くの種類があり、どの種類のアミノ酸が吸収されているかを突き止めるのは非常に手間がかかるのですが、これもできるようになりました。現在、どのアミノ酸が必要かを具体的に確かめる研究が続いています。
  この研究でマグロの成長に必要な成分がわかれば、マグロにあった餌をマグロに適切に与えることができ、よりたくさんのマグロを養殖できるようになることが期待されています。
【参考】
*当省HP平成30年3月30日付けプレスリリース
平成29年における国内のクロマグロ養殖実績について(速報値)↓
http://www.jfa.maff.go.jp/j/press/saibai/180330.html


    

   



参考資料

 

回答日

お問合せ先

消費・安全局消費者行政・食育課消費者の部屋
ダイヤルイン:03-3591-6529

 


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