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農林水産省

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だいこんを切ったら切断面が青くなっていました。これは何でしょうか。

回答

だいこんの切断面が青くなっているのは、「ダイコン青変症」と呼ばれ、大根を収穫した数日後に根の内部組織に青色色素が生成する生理現象です。
ウイルスなどによるだいこんの病気ではなく、食べても害はありませんが、苦味があります。
この現象は比較的古くから知られていますが、だいこんの中心部に発生した「ダイコン青変症」は外見からまったく判別できないため、消費者の手元に届いた段階でクレームにつながり、生産者にとっても重大な問題です。

以前は、この青い色はアントシアニン系色素ではないかと考えられていましたが、最近の研究では、アブラナ科野菜に微量に含まれる物質が酸化した青色物質群であることが明らかになってきました。
この青色物質群の元になる物質の量は、施肥の量、栽培温度が関わっているとの研究結果も出ています。

「ダイコン青変症」は20℃前後で発生しやすく、出現しやすさには品種間差異があることが認められています。
また、低温貯蔵では発生しないことが過去の再現実験で確認されています。
現在、「ダイコン青変症」の発生リスクを評価する方法や、発生しにくい品種の研究が行われています。

参考資料

「なぜ?か気になる食と暮らしのQ&A」生活協同組合コープこうべ商品検査センター
「神奈川県農業技術センター 研究報告第160号」神奈川県農業技術センター
「農耕と園藝2017年2月号 冬春どりダイコンにおける青変症の発生条件の解明」
「農耕と園藝2018年1 月号 ダイコン青変症に関する研究の最前線」株式会社誠文堂新光社
「ダイコン青変症の発症機構の解明とその抑制法に関する研究」 科学研究費助成事業研究成果報告書 平成30年5月21日
「種子を用いたダイコン青変症の発症リスク評価法」野菜茶業研究所研究報告 

回答日

令和2年12月

お問合せ先

消費・安全局消費者行政・食育課「消費者の部屋」

ダイヤルイン:03-3591-6529