「生食用」、「加熱用」と表示して販売されているかき(牡蠣)はどのような違いがあるのですか。
回答
生の状態で販売されるかきには、そのまま生で食べられるものと、食べる前に加熱しなければならないものがあります。
かきは水中のプランクトンを食べて育ちますが、それと同時に水中の細菌やウイルスを内臓に蓄積しやすいことが知られており、これらの微生物の中には食中毒を引き起こすものもあります。
生食用のかきは、そのような微生物に汚染されていることがないよう、菌が少ない海域で採取されたものであるか、採取後に浄化処理(清浄な水の中に一定時間入れ、菌などを排出させること)がされたものでなくてはなりません。
また、かきに含まれる微生物が十分に少ないことを確認し、微生物が増えないように低温(冷蔵品は10℃以下、冷凍品は-15℃以下)で保存する必要もあります。
採取海域や微生物の基準、保存温度などは食品衛生法によって定められています。
容器包装に入れられた生かきのうち、上記の基準を満たすものは、生食用である旨とその採取海域が表示されて販売されます。
一方、基準を満たさないものについては、「加熱用」「加熱調理用」「加熱加工用」など、食べる前に加熱が必要であることを明確に表示しなくてはなりません。
これら表示については、食品表示法によって定められています。
なお、地方自治体や産地漁協の自主的な取組として、生食用のかきの採取海域を指定していることもあります。
その場合、指定海域以外で採取されたかきは、浄化処理をしても生食用として販売しないこととしています。
かきを生で召し上がる際には生食用の表示があることを必ずご確認いただき、生食用でないものは必ず十分に加熱してからお召し上がりください。
参考
食品安全委員会ホームページ「生食用・加熱調理用牡蠣について」(外部リンク)
https://www.fsc.go.jp/fsciis/questionAndAnswer/show/mob07016000036
CRC食品環境衛生研究所ホームページ「気になる食のはなし(生食用牡蠣)」(外部リンク)
http://www.crc-group.co.jp/esc/hanashi/syoku-47.html
回答日
令和3年10月
お問合せ先
消費・安全局消費者行政・食育課「消費者の部屋」
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