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農林水産省

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農業DXの事例紹介(2)オンライン直売所を通じた顧客と生産者のダイレクトな交流

(MAFFアプリでの公開:2020年11月25日)


(写真左:ビビッドガーデンの松浦さん(右)、「食べチョク」を利用するChigasaki Organic Farmの二宮さんご夫妻)
(写真右:Chigasaki Organic Farmが「食べチョク」で販売している商品の一例)

今、社会全体で、デジタル技術を活用して産業や社会をより良いものへと変革を目指すデジタルトランスフォーメーション(DX)の取組が進められています。
農林水産省としても、農業や食関連業界の関係者の皆様に、通信機能を備えたセンサーやロボット、AIなどのデジタル技術を経営に活かしていただきたいと考えていますが、現場からは、「デジタル化やDXという言葉を聞くようになったがどういう意味だろう」、「参考にできる事例はないのか」といった声が聞かれます。
そこで、多くの皆様に農業分野でのDXの具体的なイメージを持っていただけるよう、農業や食関連業界におけるDXの実践事例を紹介していきます。

第2回目の今回は、農林漁業者が個人の顧客に直接商品を販売するためのオンライン直売所「食べチョク」を利用している生産者の取組をご紹介します。
神奈川県で有機農業を実践し、野菜・果実・ハーブの生産・販売を営むChigasaki Organic Farmの二宮さんご夫妻と、「食べチョク」を運営する株式会社ビビッドガーデンの松浦さんにインタビューしました。

――本日はよろしくお願いします。まず、オンライン直売所を使うことの魅力を教えてください。

(二宮さん)
私たちは茅ヶ崎市内で年間30種類程度の野菜を育てています。販路については、野菜の鮮度を重視できる茅ヶ崎市内のマルシェでの対面販売と生産者直売オンラインマルシェでの販売を就農準備段階から検討してきました。ビビッドガーデンの「食べチョク」は、有機栽培を始めとしたこだわりのある生産方法を重視し、値段の安さよりも質の高さを重視している点に共感したので選びました。
「食べチョク」では、購入者が生産者と直接コミュニケーションを取れるコメント機能があるので、販売してすぐに顧客の反応がわかる点が魅力です。売れ筋商品がわかるだけでなく、多くのコメントが寄せられます。商品だけでなく私達の健康を気遣うコメントまでいただけるので、元気をもらっています。これらの購入者の反応は生産・販売戦略の参考にしています。たとえば、野菜セットを販売していた際、寄せられた声から丸オクラがとりわけ人気だと気づいて丸オクラだけのセットを用意して大人気を博しましたし、来年のナスの作付け計画において、今年人気だった賀茂ナスなどの割合を増やす予定です。

(ビビッドガーデン松浦さん)
購入者からの反応は、二宮さんのお話にあったように、それぞれの生産者さんのフィードバックとして活用いただいています。さらに、「食べチョク」全体で見ると、3,000ほどの全ての登録生産者さんに寄せられた反応が、いわばビッグデータとして集積しています。これらの情報を分析することで、商品紹介を含む販売方法の効果的な方法が見えてきます。これらノウハウは登録生産者さんに共有していますし、データを参考にキャンペーンを企画して登録生産者さんに参加してもらうなど、プラットフォーム全体で改善を進めています。

――オンライン直売所だと、生産者さんは顧客の嗜好が即座に把握できるし、プラットフォーム運営者としては情報を蓄積できるのですね。その情報を販売方法や生産段階に反映している様子はまさにデータ駆動型農業といえそうです。
そのほかに、オンラインのプラットフォームだからこその魅力があれば教えてください。

(二宮さん)
いつ・何を・どのように売るかを自分たちで決められる点も大きいです。たとえば台風の影響を避けるために、暴風雨が予想される日の前に集中的に収穫しましたが、食べチョクの機能を使って顧客に畑の状況をお伝えして、普段とは異なる点をご理解いただいたうえで出荷することができました。
商品を売り出すと、登録している顧客には通知が届く仕組みになっているので、潜在顧客へのアプローチにもつながっています。特に、顧客の方とのコミュニケーションが気軽にできることはありがたいです。個人の顧客とクローズドでやり取りできる点はSNSのようですし、すべての食べチョクを利用する顧客向けに情報発信をできる点は自分で作らずにホームページを運営しているようなものですのでとても助かります。
あとは、取引情報がすべてプラットフォーム上で確認できるので、経営管理の面でもとても便利です。

(ビビッドガーデン松浦さん)
お話しいただいた、受注してから鮮度の高さはまさに産地直送、生産者直送の魅力です。購入者目線でのそのほかの魅力としては、生産者と直接つながることができる、通常の流通経路では手に入らない珍しい農産物が買える、という点が挙げられます。

――オンライン直売所を運営する上で、ビビッドガーデンさんが気をつけている点があれば教えてください。

(ビビッドガーデン松浦さん)
プラットフォームなので、生産者さん、顧客の皆さまどちらについても、私達の目指す形に共感してくれる方に使ってほしいと考えています。多くの方に使っていただきたいので門戸は広く開けていますが、利用者が期待するものと我々が提供できるものにズレがあればお互いが不幸せになりますから、マッチングを心がけています。
具体的には、「価格競争を誘発させず、生産者さんのこだわりを重視する場ですよ」という企業イメージ・メッセージは、ウェブサイトのトップページでわかるようにしています。また、ご利用いただく際には、最初だけでなく登録から数日おきに機械的にメールでお知らせする「ステップメール」という手法も用いつつ、理解を促しています。生産者さんとの積極的なコミュニケーションも促しています。
登録生産者さんについても、登録の際には審査をしておりますし、顧客からクレームが続き我々が助言をしても改善の意思のない方については出品を取りやめていただくなど、常にプラットフォームの理念に共感する方に使っていただけるよう工夫をしています。

――二宮さんは、食べチョクを使いながら、今後どのようなことに挑戦していきたいですか。

(二宮さん)
今は、オンライン直売所のように、生産農家自身が「やりたい!」と思ったことを実現できるツールがある良い時代だと思います。
例えば、逗子市内のカフェのオーナーご夫妻にお願いをして「生姜シロップ」や「生姜ジャム」をつくっています。食べチョクで原材料の新生姜とセットで販売できれば生産者直売ならではの商品として喜ばれるのではないか、と思っています。
また、「食べチョク」を通じて私達の野菜を食べてくださっている方々に、農園や農園がある神奈川県・茅ケ崎にお越しいただけるような農業体験なども提供できればと思っています。

――ありがとうございました。

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いかがでしたか。今回は、オンライン直売所を通じて顧客と直接交流し、生産・販売改善につなげている二宮さん夫妻を紹介しました。今後も、DXに取り組む農業・食品産業の方を取材・紹介していきます。
それでは!


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