側条施薬装置による農薬の水稲移植同時側条施用技術
ポイント
- 薬剤繰出ロール、施薬量調節ラック、農薬・肥料合流部、薬剤ホッパで構成される。
- 粒状側条施肥装置付き田植機の移植部後方に装着する。
- 農薬は肥料と同時に側条施肥の施肥位置に条施用される。
- 葉いもち、イネミズゾウムシに実用的な防除効果が得られる。
- 疎植等の使用育苗箱数が少ない場合でも十分な防除効果が得られる。
開発した側条施薬装置
側条施薬装置は、薬剤繰出ロール、施薬量調節ラック、農薬・肥料合流部、薬剤ホッパで構成されます。
田植機に取り付けられた側条施薬装着
本装置は粒状側条施肥装置付き田植機の移植部後方に装着します。
施薬の状況
注1)施薬条が覆土されていない状態で撮影
薬剤は側条施肥の施肥位置に条施用され、肥料と同時に覆土されます。
側条施用による葉いもち、イネミズゾウムシに対する防除効果
注1)農薬はDr.オリゼフェルテラ粒剤を使用した。 注2)品種は「ナツミノリ」である。 注3)いもち病の試験では6月下旬に伝染源を設置した。 注4)いもち病の防除価は、7月下旬の水稲上位3葉の株あたり病斑数から算出した。 注5)イネミズゾウムシの試験では5月下~6月上旬に枠内に成虫を放虫した。 注6)イネミズゾウムシの防除価は、7月上中旬に根部に寄生した幼虫と蛹数から算出した。 注7)密播苗+37株植は、高密度播種苗を株間30cmで移植した。使用した育苗箱の枚数は5.7枚/10a。
本方式は単位面積あたりで施薬するため、使用する育苗箱数が大幅に減少する高密度播種苗と疎植栽培の組み合わせでも、葉いもちおよびイネミズゾウムシに対して実用的な防除効果が得られます。
農林水産省のコメント
田植えと同時に農薬を施用することができるため、コメの生産コスト低減に寄与する技術であると考える。
【政策統括官付穀物課】
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