早期成園化と省力化を実現するニホンナシのジョイントV字トレリス樹形
ポイント
- ニホンナシのジョイントV字トレリス樹形
- 早期多収
- 年間作業時間の大幅削減
- 作業姿勢の改善
- 自動化機械の導入が可能
ニホンナシのジョイントV字トレリス樹形
主枝高を従来のジョイント栽培より低く、 70~80cmの高さとし、そこから側枝を仰角60°に斜立させ、架線に誘引することで樹冠を形成する樹形です。
累積収量の年次別推移(幸水)
ジョイントV字トレリス樹形は2年生苗定植後の6年目には累積収量が7.7t/10aとなり、慣行の4本主枝整枝よりも5.5t/10a 多い
着果管理、収穫、枝梢管理に要する樹形別の作業時間と削減率
慣行に対するジョイントV字トレリス樹形の作業時間削減率
着果管理、収穫、枝梢管理の各作業において、慣行樹形より作業時間が削減されます。省力効果が特に大きいのは受粉、せん定(枝せん除)、枝誘引です。
せん定時の枝誘引作業時における樹形別の10a当り身体部位別(首部・背部・上肢・下肢)作業姿勢の発生時間(h)
被験者Aの結果から算出(誘引時間:ジョイントV字5.3h/10a、慣行50.5h/10a)
せん定時の枝誘引作業では、慣行樹形より首部の後屈(上向き)や両腕が肩の高さか上になる作業姿勢が大幅に減ります。
自動走行車牽引式防除機による自動防除
列状の薄層・均一な樹冠構造のため、自動防除が可能になります。※自動走行車牽引型防除機の販売は未定。
農林水産省のコメント
日本なしの栽培面積が減少している今日において、早期成園化、大型機械の導入や作業時の上向き姿勢割合の減少など作業の省力化が見込める本技術は、日本なし栽培拡大の一助となる可能性を有していると考えられる。果樹経営支援対策においても定額支援が可能な樹形として位置づけており、今後の積極的な普及による生産基盤の強化が期待される。【農産局果樹・茶グループ】
詳細情報
省力樹形樹種別栽培事例集【外部リンク】
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本研究成果は、革新的技術開発・緊急展開事業(うち人工知能未来農業創造プロジェクト)「果実生産の大幅な省力化に向けた作業用機械の自動化・ロボット化と機械化樹形の開発」(2017~2020)の支援を受けて得られたものである。
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