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農林水産省

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渋皮が簡単に剥ける早生のニホングリ新品種「ぽろすけ」

ポイント

  • 鬼皮の上から果肉に達する程度の傷を入れて加熱することで渋皮を簡単にむくことができる。
  • 早生品種で、収穫時期は「ぽろたん」よりも1週間程度早い8月下旬~9月上旬。
  • 果実は「ぽろたん」より小さく1果重は21g程度。甘味、香気は中程度で、やや粉質のホクホクとした肉質。
  • 「ぽろすけ」は「ぽろたん」と相互に受粉樹として利用可能で、この2品種のみを植栽することで、渋皮がむきやすいクリを安定生産できる。

「ぽろすけ」の渋皮のむけやすさ

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果実中心部に長さ約2cm、深さ3mm程度の傷を入れ、オーブントースターで7分間加熱

鬼皮の上から果肉に達する程度の傷を入れて加熱することで、「ぽろたん」と同様に容易に渋皮をむくことが可能である。「丹沢」等の従来のニホングリ品種は、同様の方法では渋皮をむくことが困難である。

「ぽろすけ」の結実状況

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「ぽろすけ」の育成地(茨城県つくば市)における収穫時期は8月下旬~9月上旬で、早生の主要品種である「丹沢」と同時期である。


「ぽろすけ」の樹体特性

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農研機構果樹茶業研究部門(茨城県つくば市)における2013~2016年の平均値

樹勢は中程度で、「ぽろたん」よりやや強く、「丹沢」と同程度である。1樹あたりの収量及び双子果、腐敗果、虫害果の発生率はいずれも「丹沢」と同程度である。裂果の発生が見られるが、「丹沢」より若干少ない程度である。


「ぽろすけ」の果実特性

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農研機構果樹茶業研究部門(茨城県つくば市)における2013~2016年の平均値
*HOP法(190℃の食用油で2分間加熱後に渋皮を剥皮する評価法)により、渋皮が綺麗に剥皮できた表面積の割合

果実は「ぽろたん」より小さく、1果重は21 .9gである。「ぽろたん」、「丹沢」に比べて、果肉の色は黄色味がやや薄く、甘味、香気も若干少な目である。肉質はやや粉質で、「丹沢」と同程度にホクホクしている。渋皮剥皮性は、「ぽろたん」と同様に非常に良好である。


「ぽろすけ」と「ぽろたん」の交雑和合性

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農研機構果樹茶業研究部門(茨城県つくば市)における2012~2013年の平均値
「ぽろたん」と従来の受粉樹品種との間の結実率は71%。

「ぽろすけ」と「ぽろたん」とを相互に受粉したそれぞれの結実率は、「ぽろたん」と従来の受粉樹との結実率と同程度である。このため、「ぽろすけ」と「ぽろたん」のみを植栽した園地でも安定した結実が期待でき、またこれら2品種のみを植栽することで収穫した果実に渋皮がむきにくいクリが混入する心配がない。

農林水産省のコメント

渋皮が剥きやすい品質については、需要に応えうる特性を備えており、現在流通しているぽろたんとの相互授粉が可能なことなどから、相乗効果により更なる剥皮性の優れた品種の普及拡大に貢献が期待できる。【農産局果樹・茶グループ】

成果に関するお問い合わせ先

国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構
果樹茶業研究部門落葉果樹品種育成グループ

電話番号 :029-838-6464


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