国産資源を活用した日本独自チーズ
ポイント
- 日本の発酵食品から分離した乳酸菌を活用したゴーダチーズ
- 日本伝統の麹菌と酒粕を活用したカビ熟成チーズ
Jチーズスターター乳酸菌とそれを用いて製造したチーズ
乳酸菌OUT0010株(丸囲み内)と熟成中のゴーダチーズ
乳酸菌OUT0010株をチーズに添加すると、熟成中に旨味成分が増加し、特徴的な香り成分が高まるなどの効果があります(特許出願)。OUT0010株を含む乳酸菌4菌株を、Jチーズ乳酸菌/Jチーズスターターと呼称しています。
Jチーズスターター添加チーズの試食投票結果
Jチーズスターター(OUT0010株または33-5株)を添加したチーズと、添加していない従来品チーズの3種をイベント会場で配布し、最も美味しいと感じたチーズに投票してもらいました。投票の結果、Jチーズスターター添加チーズは従来品より高く評価されました。
麹菌チーズ
牛乳に酒粕を添加してチーズを作り、カマンベールチーズのように表面に麹菌を生やして熟成させました。酒粕と麹菌によって特有の風味がつきます。
麹菌チーズの揮発成分の特徴
揮発成分のガスクロマトグラフィー分析。緑文字はケトン類、赤文字は直鎖状脂肪酸です。
麹菌チーズの揮発成分は、青カビチーズの香り成分であるケトン類とピリッとした味をもたらす直鎖状脂肪酸が多く、市販カマンベールチーズとは異なる特徴を有しています。
酒粕添加がγ-グルタミルペプチド生成に及ぼす影響
γ-グルタミルペプチド:アミノ酸にγ-グルタミル基が付加したペプチド。コク味増強効果を有するペプチドとして知られている。酒粕を添加することで、麹チーズ中の各γ-グルタミルペプチド量が2倍程度増加します。
農林水産省のコメント
国内の乳酸菌や麹菌の活用により、うまみの増強等、国産チーズの差別化・高付加価値化に繋がる成果を得られた点が高く評価できる。熟成期間の短縮による生産性向上が期待できる点も評価できる。【畜産局牛乳乳製品課】
詳細情報
2019年度普及成果情報 ご当地乳酸菌チーズスターターと地域ブランドチーズ【外部リンク】
ご当地乳酸菌チーズスターターカルチャー開発マニュアル【外部リンク】
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本研究成果は、【生物系特定産業技術センター「革新的技術開発・緊急展開事業(うち経営体強化プロジェクト)」】(「国産スターターを用いたブランドチーズ製造技術の開発」)、同(「独自発酵技術による日本オリジナル・ナチュラルチーズの開発」)、公益財団法人全国競馬・畜産振興会助成国産チーズ・イノベーション事業の支援を受けて得られたものである。
成果に関するお問い合わせ先国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構 |
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大臣官房政策課技術政策室
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