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農林水産省

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高精度施肥が可能な重量計付きブロードキャスタ

ポイント

  • 重量計により散布量を自動補正することで、高精度な散布を実現。
  • 資材残量を作業中常に確認できるため、安心して作業が可能。
  • 残量が一定量以下になるとアラームでお知らせ。資材補給のタイミングを容易に判断可能。

開発機の概要

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開発機はスパウトタイプのブロードキャスタで、本体、電動シャッタ、施肥コントローラ、経路誘導装置、GPSアンテナで構成されます。前方フレームと後方フレームの間に搭載されている重量計(ロードセル)によってリアルタイムに資材残量を計測し、肥料繰出し部(シャッタ開度)を制御することで、設定値通りの正確な散布が可能です。

開発機の主要諸元

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開発機は、ホッパ容量が600Lと1200Lの2種類の仕様が用意されており、導入するほ場面積や使用トラクタの出力に応じて選択できます。速度に合わせてシャッタ開度を自動調整する車速連動機能、地点毎ごとに施肥量を変えられる可変施肥機能が標準装備されており、トラクタと接続した状態でも公道走行が可能です。

資材残量の可視化、資材残量一定以下アラーム機能搭載

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資材量は経路誘導装置の画面上に常に表示され、作業中いつでも確認することができるため、安心して作業が可能です。また残量が一定量以下になるとアラームでお知らせする機能が備わっているため、残量を気にせず作業に集中したまま肥料追加のタイミングを判断できます。

散布量自動補正機能

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重量計によって散布流量を計測しているため、作業中にシャッタ開度を自動補正することが可能です。本機能により、作業環境や使用する資材、機械の状態など、作業のたびに変化する諸条件の影響を受けない正確な散布が可能です。

散布量自動補正機能の効果について

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ほ場にて、肥料流動測定値が不明の場合や正しくなかった場合を想定し、肥料流動測定値(繰出し量決定のためのパラメータ)を実際の1.2倍に設定した条件では、補正を行った場合、補正なしと比較して大幅に散布誤差を低減できることが確認されました。

開発機の散布精度

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1)前年の生育量に基づいたマップベース可変施肥
2)車速、設定散布幅、設定散布量から算出した値
3)開発機重量計から取得した値

農研機構 農業機械研究部門附属農場にて実施した粒状化成肥料を用いた試験では、散布精度(理論散布量と実散布量の比)が97~101%となり、高精度に散布できることが確認されました。

農林水産省のコメント

化学肥料の低減に資する取組であり、農業の生産力向上と持続性の両立をイノベーションで実現する「みどりの食料システム戦略」の実現に資する成果である。データを活用したスマート農業の実現に資する成果で、本技術の活用により、農地の条件等によっては増収・増益効果が期待される。【農産局技術普及課】

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本研究成果は「戦略的イノベーション創造プログラム」(課題名:トラクタの作業機の高度連携による高精度化技術の開発)の支援を受けて得られたものである。

成果に関するお問い合わせ先

国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構
農業機械研究部門研究推進部研究推進室広報チーム

電話番号 :048-654-7030
メールドレス :iam-koho@ml.affrc.go.jp


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お問合せ先

大臣官房政策課技術政策室

担当者:推進班
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