多機能センサを用いた家畜の早期疾病検知技術
- 内蔵される加速度センサにより、行動の変化を判別可能な手法を開発した
- 発情に伴う体表温と行動の変化から、発情を検知可能な機械学習モデルを開発した
- 分娩に伴う体表温の変化から、分娩時期を予測可能な機械学習モデルを開発した
- 一部の疾病(乳房炎、産褥熱、子牛の肺炎)に伴う発熱の検知に成功した
研究成果の紹介動画
研究の背景
一農場当たりの飼養頭数は、この20年間で肉用牛(1998年 21.3頭→2018年 52.0頭)・乳用牛(同 49.7頭→84.6頭)ともに倍増している。その一方で、畜産従事者の高齢化や後継者不足が深刻化しており、多数の牛を少人数で効率よく管理可能な技術の開発が望まれている。
そこで、家畜生産の省力化・効率化を目的とし、牛用多機能尾部センサならびに人工知能(AI)を活用した疾病の早期自動検知技術の開発に取り組んでいる。
成果の紹介
成果のポイント1
牛用多機能尾部センサデータの一例
ある個体の24時間におけるセンサデータを示している。体表温と活動量に明瞭な日内変動(朝方低く、夕方高い)が認められる。また、ロール角(尾の長軸に対する捻じれ)からは、起立と横臥の判別が可能なことから、起立や横臥の時間、起臥回数が定量可能である。
成果のポイント3
牛の分娩前後における体表温と行動の推移
牛の分娩前後(分娩10日前から2日後)における、体表温、活動量、起立時間、起臥回数の推移を示している。日内変動の影響を軽減するため、体表温は前3日間の同時刻平均値との差を体表温差として、活動量・起立時間・起臥回数は前24時間の合計値をその前24時間における合計値で割った比として示している。分娩前には体表温差は低下する一方、活動量比、起立時間比、起臥回数比は上昇することが明らかとなった。
詳細情報
本研究は、農研機構生研支援センター「革新的技術開発・緊急展開事業(うち人工知能未来農業創造プロジェクト)」の支援を受けて実施した。
研究成果に関する問い合わせ先国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構 |
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お問合せ先
大臣官房政策課技術政策室
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