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農林水産省

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土壌水分見える化システム


成果の概要
  • 簡易土壌水分計は土壌の乾燥程度を水位の低下量として測定する測器です。
  • 簡易土壌水分計の1日当たり水位低下量はカンキツが受けている乾燥ストレスの指標になります。
  • 土壌水分見える化システムは、簡易土壌水分計の水位を自動計測し、計測したデータをウェブ上に公開することにより、産地全体で情報を共有します。
  • 土壌水分見える化システムは、簡易土壌水分計の他、土壌の体積含水率や雨量、かん水量、蒸発量の測定が可能です。
  • センサーを取り付けたデータロガー(子機)と通信ユニット(親機)は無線でデータをやり取りするため、道路をまたいで複数の園地で測定が可能です。

研究成果の紹介動画





研究の背景


   カンキツ類では果汁蓄積期に適度な乾燥ストレスをかけることにより、糖度が上昇し、商品価値が高まります。しかし、乾燥ストレスのコントロールは葉の巻き加減や葉色、樹勢などを判断材料に、生産者の経験と勘に頼っているのが現状です。

   そこで、【簡易土壌水分計】を使ってカンキツ樹が受けている乾燥ストレスを把握する技術を開発するとともに、計測したデータをウェブ上に公開し、産地全体で情報を共有する【土壌水分見える化システム】を構築しました。その研究成果を紹介します。


成果の紹介


成果のポイント1

ポイント1

簡易土壌水分計は塩ビ管内の水位低下量を指標に土壌の乾燥程度を判定する測器です。簡易土壌水分計をカンキツ園地に設置すると、1日当たり水位低下量はカンキツが受けている乾燥ストレスの指標となり、梅雨明けから収穫までの水位低下量を積算した値は糖度の指標になります。

成果のポイント2

ポイント2

簡易土壌水分計の水位は目視での測定が基本です。その一方で、簡易土壌水分計の水位を自動計測し、産地全体で情報を共有したいとの要望があります。そこで、簡易土壌水分計に水位センサーを取り付け、通信ユニットと組み合わせることにより、計測したデータをウェブ上から確認できる土壌水分見える化システムを構築しました。

成果のポイント3

ポイント3

土壌水分見える化システムは簡易土壌水分計の他、土壌の体積含水率および雨量を測定します。この他に、水道メータや蒸発量目視計を取り付ければ、かん水量や蒸発量のモニタリングが可能になります。

成果のポイント4

ポイント4

計測したデータはウェブ上で閲覧でき、年変化を半旬値で示したグラフや、直近30日間の変化を日別値で示したグラフが表示されます。また、乾燥ストレスの指標となる簡易土壌水分計の1日当たり水位低下量や、糖度の指標となる積算水位低下量、黒点病防除の指標となる積算降水量のグラフを閲覧できます。データは毎日更新されます。


詳細情報


黒瀬義孝ら、2016、園芸学研究、15 (2)、139–144「ウンシュウミカンと中晩生カンキツ‘はれひめ’における簡易土壌水分計を用いた水分ストレスの把握」(PDF : 1,093KB)[外部リンク]

マニュアル「カンキツ用簡易土壌水分計利用マニュアル(設置・修理)」(PDF : 511KB)[外部リンク]

2015年普及成果「簡易土壌水分計の水位低下量はカンキツが受けている乾燥ストレスの指標となる」[外部リンク]

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本研究の一部は、農研機構生研支援センター「革新的技術開発・緊急展開事業(うち経営体強化プロジェクト)」で実施した。

研究成果に関する問い合わせ先

国立研究開発法人  農業・食品産業技術総合研究機構
西日本農業研究センター  研究推進室  広報チーム
www-warc@naro.affrc.go.jp



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大臣官房政策課技術政策室

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