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農林水産省

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中山間地域の精密な気象データをアメダス等から推定する農地環境推定システム


成果の概要
  • 半年程度の現地観測を行うことで、その後は観測装置を設置することなくアメダス等の公共データのみから、任意圃場の気温・湿度・蒸発散量が、観測装置の維持管理の手間をかけずに、過去(1986年以降)~現在、未来(7日先)にわたり、実用的な精度で推定できます。
  • 任意の圃場における日射量、降水量の気象データが、実用的な精度で推定され、PC用と携帯通信端末用の2つのシステムからデータを取得することができます。
  • 土壌水分等の観測値についても、遠隔から収集、表示することができます。
  • 気象データにもとづく栽培管理情報(害虫の発生予察、防除タイミング、土壌の体積含水率のpF値への変換式の作成、降水量分布表示)などを配信することができます。
  • WebAPIが開発済みのため、ITベンダー等により開発された他システムでの利用も可能です。

研究成果の紹介動画





研究の背景


   圃場毎の精密な気象を取得するため、気象ロボット等の観測機器が数多く開発されてきましたが、これまでは一定精度の測定を続けるための維持管理費用の負担が必要でした。また、1km解像度のメッシュ農業気象データが開発されていますが、斜面温暖帯や冷気湖等の局地気象が発達する中山間地域では解像度が粗いため、適用が困難な場合がありました。

   そこで、アメダス等の公共のデータを利用して、中山間地域等の複雑な地形であっても、農地の精密な気象を安価に推定できるシステムを開発しました。


成果の紹介


成果のポイント1

ポイント1

携帯端末用データ受信システムの画面

スマートフォンやタブレットといった、携帯端末で圃場の気象データを表示し、ダウンロードできるシステムです。地点別のデータ管理を実施するのに向いています。

成果のポイント2

ポイント2

パソコン用データ受信システムの画面

パソコンにより圃場の気象データを表示・ダウンロードするシステムです。扱える気象データは、携帯端末用のシステムと同じですが、PC用のシステムには、複数地点の管理のための機能の他、降水量分布の表示や土壌の体積含水率をpF値に変換する式の作成機能などがあります。

成果のポイント3

ポイント3

気温データ自動収集装置の外観

商用電源のない地点において、アメダスと同等の精度で気温観測を実現するために開発された観測装置です。データは、携帯回線を通じて、自動で収集されます。

成果のポイント4

ポイント4

携帯端末におけるチャノキイロアザミウマ発生予察情報の表示例

気象データを利用したサービスがユーザーのシステムに追加されることで、オーダーメードの栽培情報の提供が可能になります。この図は、佐賀県農業試験場で開発されたチャノキイロアザミウマの発生予察情報の配信画面です。また、他企業のシステムでの利用を可能とするためのWebAPIも開発されています。


詳細情報


2017年普及成果「中山間地の精密な気象データをアメダス等から推定する農地環境推定システム」[外部リンク]

生物と気象18(2018)「露地における精密な栽培管理の実現に資する農地環境推定システム」(PDF : 1,097KB)[外部リンク]

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本研究成果は、「攻めの農林水産業の実現に向けた革新的技術緊急展開事業(うち産学の英知を結集した革新的な技術体系の確立)」及び「革新的技術開発・緊急展開事業(うち経営体強化プロジェクト)」の支援を受けて得られたものです。

研究成果に関する問い合わせ先

国立研究開発法人  農業・食品産業技術総合研究機構
西日本農業研究センター  研究推進室  広報チーム
www-warc@naro.affrc.go.jp



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お問合せ先

大臣官房政策課技術政策室

担当者:推進班
代表:03-3502-8111(内線3127)
ダイヤルイン:03-6744-0408