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農林水産省

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ICTを活用した農業用水のスマート水管理システム2選


成果の概要

1) ICT活用によるほ場給水栓の遠隔・自動制御:以下の通り

  • 水田の給水・排水をスマートフォンやパソコンでモニタリングしながら、遠隔操作または自動で制御できる。
  • スマホで水位を設定すれば、水位計測値により給水バルブ等を自動で開閉し、水管理労力の大幅な省力化が可能になる。実証試験では約8割の省力化が確認されている。
  • 水管理の適正化により、水稲の減収抑制や高品質化、さらには節水などの効果が期待できる。
  • 導入先:農家等

2) ICTを活用した圃場-水利施設連携による配水管理制御システム(iDAS):以下の通り

  • パソコンやタブレット端末、スマートフォン等の操作により、パイプラインによる農業用水の供給を制御できる。
  • 圃場の水利用に応じた効率的な配水が自動的に行える。
  • 農家の水管理の省力化に加えて水配分状況の把握による計画的な灌漑が可能となる。
  • パイプラインによる水田灌漑地区の施設管理者の省力化、農業用水の節水、ポンプ電力の節減への貢献が期待できる。
  • パイプラインの長寿命化が期待できる。
  • 導入先:農業水利施設の管理を行なう土地改良区等の水管理組織

研究成果の紹介動画





研究の背景


   水稲栽培において労働時間の約3割を占める水管理は、分散した水田を多数管理する大規模農家にとって大きな負担となっている。さらに、ICT・IoTを活用した自動給水栓の導入など、圃場の水管理の省力化に向けた取り組みが進んでいるが、土地改良区が管理するポンプ場等の水利施設は主に手動で管理されており、管理労力や節水・節電の観点からも水管理の効率化・自動化が求められていた。

   そこで、水田の給水・排水をスマートフォンやパソコンでモニタリングしながら、遠隔操作または自動で制御できるようにするとともに、ICTを活用して土地改良区等が管理するポンプ場から農家が管理する圃場の自動給水栓までを連携させ、水利用に応じた効率的な配水を行う水管理制御システムを開発する。


成果の紹介


成果のポイント1

ポイント1

給水バルブと落水口それぞれを制御するアクチュエータを備え、既存の給水バルブに後付けが可能です。設定した水位を自動制御したり、灌漑時間を設定することが可能です。

成果のポイント2

ポイント2

ほ場に設置される自動給水栓は、湛水深、水温等をセンシングし、基地局を経由してクラウドに送信します。サーバーはクラウドとの間でデータのやりとりを行ないつつ、データ閲覧やバルブの操作、水管理の自動制御、気象災害警告などを行えます。ユーザーはスマホなどの情報端末から遠隔で情報のモニタリングを行なうとともに、給水バルブ・落水口を自動で制御することができます。さらに、iDASとの連携によって広範囲のほ場で最適な配水管理が可能となりました。

成果のポイント3

ポイント3

パイプラインを用いて灌漑(かんがい)する地区において、土地改良区等が管理するポンプ場などの配水施設から、農家が管理する水田の給水栓までをICTを活用して連携し、遠方監視制御することで、農業用水の最適な配水、水管理の省力化、節水・節電が可能となりました。

成果のポイント4

ポイント4

システム導入後のポンプ出力の変化

予約管理や需要に応じた水配分による大幅な節水・節電(約4割の節電効果)を実現しました。管内水圧の制御により、危険圧力の発生や漏水リスクを低減させ、安全な水管理を実現ました。


詳細情報


2017年プレスリリース「田んぼの水管理をICTで遠隔操作・自動制御」[外部リンク]

2018年プレスリリース「ICTを活用した圃場-水利施設連携による 効率的な配水管理制御システムを開発」[外部リンク]

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内閣府「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)(次世代農林水産業創造技術)」の支援を受けて得られたものである。

研究成果に関する問い合わせ先

国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構
農村工学研究部門 研究推進部 研究推進室 渉外チーム
電話番号: 029-838-7677




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お問合せ先

大臣官房政策課技術政策室

担当者:推進班
代表:03-3502-8111(内線3127)
ダイヤルイン:03-6744-0408