元気の源は「発酵」にアリ!
1月のテーマ
和ごはん×健康
飲食の機会は増えながら、睡眠や食事、生活習慣は不規則になりがちな年末年始。気づかないうちに胃腸に負担がかかり、放っておくと体調を崩すきっかけにもなりかねません。今月のテーマは、「健康」。胃腸がよろこぶ、健康的な「和ごはん」生活のポイントをご紹介します。
健康3元気の源は「発酵」にアリ!
健康的な食生活に欠かせない発酵食品。和食の料理人はきっと、日々の料理に発酵食品をうまく取り入れながら、健康維持、体調管理に気を使っているのではないか。そう考えて、京都の料亭「木乃婦」の三代目、髙橋拓児さんを訪ねてみました。
毎日バランスよく!とは考えない理由
料理人は基本が食いしん坊ですから、焼肉も、こってりした中華料理も食べます。栄養バランスが偏っている日があるとしても、私は毎日毎食、バランスがきっちり取れた食生活を続けるのは難しいし、そんなに窮屈に考える必要もないと思っています。
日ごろ、心がけているのはトータルバランスです。焼肉をおなかいっぱい食べた翌日は、たっぷりの野菜と、腸内環境を整えてくれる発酵食品をとるように意識しますね。そもそも日本は、調味料を含め発酵ものが身のまわりにあふれた「発酵大国」。最も手軽なのは、味噌を使った味噌汁でしょう。
1日単位ではなくトータルバランスで考える
食べ過ぎた、バランスが偏っているなと感じたら、次の日は野菜中心の具だくさんの味噌汁にして、たんぱく質が不足しないように発酵食品の納豆を添える。これだけで、疲れた胃腸を整えるメニューになります。1日単位で「バランスよく」と身構えるのではなく、例えば数日から1週間のトータルで考えればいいのです。発酵食品は毎日少しあれば十分で、我が家では、メインが洋食のハンバーグでも味噌汁をつけたりします。
食の面から健康を考えるには、「今日はなにを食べるか」だけではなく、一歩引いて、前日食べたもの、または翌日に外食の予定があれば、それもふまえた「トータルバランス+発酵食品」の視点が必要だと思いますね。
疲れた胃腸もほっこり癒す、酒粕の効果
寒い時期にすすめたい、発酵食品を使った料理に「粕汁」があります。酒粕は栄養成分がたっぷりで、酵母菌や麹菌なども豊富に含まれる理想的な発酵食品のひとつ。味噌仕立ての粕汁にして、根菜や豚肉などを入れれば、それだけで栄養バランスの取れた料理として完成します。おいしくいただくポイントは塩分と糖分。味噌で塩分を、みりんで糖分を加えると、コクの中にほのかな甘みが感じられるはずです。
年末年始に負荷をかけた胃腸を、粕汁で癒してみてはどうでしょうか。
髙橋拓児さん直伝レシピ
粕汁
酒粕は、できるだけよい品を選んで使うのがおいしさの秘訣です。また薬味に柚子を加えると、より本格的な味わいに仕上げることができます。(※料理完成イメージ写真に柚子は入っていません)。
材料2人分
豚肉 | ・・・ | 80グラム |
---|---|---|
大根 | ・・・ | 100グラム |
人参 | ・・・ | 40グラム |
お揚げ(油揚げ) | ・・・ | 60グラム |
青ねぎ | ・・・ | 2本 |
酒粕 | ・・・ | 70グラム |
水 | ・・・ | 15cc |
酒 | ・・・ | 15cc |
鰹と昆布のだし | ・・・ | 500cc |
白味噌 | ・・・ | 大さじ1 |
薄口しょうゆ | ・・・ | 適量 |
塩 | ・・・ | 適量 |
黄柚子 | ・・・ | 4分の1個 |
七味唐辛子 | ・・・ | 適量 |
作り方
- ボウルに、酒粕、水、酒を入れ、20分ほどなじませておく。(丸仕立て風)
- 豚肉は食べやすい大きさに切る。大根、人参は、皮をむいて短冊切りにする。青ネギは、刻んで水にさらし、ザルで水気をきっておく。
- お揚げは、野菜の大きさと同じくらいに切り、お湯にくぐらせて軽く油抜きする。
- 黄柚子は皮を幅広に切り、皮の下にある白い部分を削ぎ落とし、黄色の部分だけを千切りにする。
- 鍋にだしを入れ、大根と人参を入れて火にかける。
- 豚肉を入れ、アクをとったら、お揚げを入れる。
- (1)に鍋のだしを少量入れてビーターでとき、ザルを使ってこしながら鍋に入れる。
- 薄口しょうゆと塩を入れて味を整え、隠し味に白味噌を加えて仕上げる。
- お椀に盛って青ネギをのせ、好みで刻み黄柚子、七味唐辛子を加える。
お問合せ先
大臣官房新事業・食品産業部
外食・食文化課食文化室
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