料理に愛を添える調味料の利用術
2月のテーマ
和ごはん×調味料
味を整え、おいしさをアップさせる調味料。「和ごはん」の名バイプレーヤーである調味料について、みなさんはどれだけご存じでしょうか? 基本的な使い方から個性豊かなご当地ものまで、ほんの少し加えるだけで料理をアップグレードしてくれる調味料の奥深さを徹底追及!
調味料2料理に愛を添える調味料の利用術
種類はたくさんで、使い方にも決まりごとが多く、「きちんとやろうとすると面倒」と思われがちな調味料。では、プロの料理人は調味料にどう向き合っているのでしょうか。 フレンチレストラン「La FinS」のオーナーシェフ、杉本敬三さんにうかがってみました。

レシピ通りにつくることが目的ではない
日本料理の調味料の使い方は、「さしすせそ」の順番が大事だとよくいわれます。基本として頭に入れておくのはいいと思いますが、私の場合、調味料の量も順番も、あまり細かくは考えません。大切なのはレシピ通りにつくることではなく、食べる人に「おいしいと感じてもらえるか」だからです。 男性と女性でも、子どもとお年寄りでも感じ方は異なるし、天候や季節によってもおいしさポイントは微妙に変わります。「調味料はこう使わなくてはいけない」と身構えるのではなく、自分の感性を大事にしてもらいたいですね。
“万能調味料”をベースに、自分なりの愛を添える
私が思う調味料は、それ自体は味が完成されていて、組み合わせによって料理全体の味を足したり引いたりできるもの。プロの料理人は、自分の感性によって調味料を使い分けていますが、一般の方が同じようにするには無理があります。でも、現在はいろいろな調味料を組み合わせた“万能調味料”と呼べるものがあり、例をあげれば「めんつゆ」。私の店では、まかないに使うこともあります。
まかないは「簡単」「おいしい」「片付けがラク」が基本で、これは一般家庭の日々のごはんも同じではないでしょうか。めんつゆを使い、子どもなら「もう少し味を濃くしよう」、お年寄りなら「塩分はちょっと控えめがいいかな」と、食べる人の顔を思いながら整えていけばいいのです。料理は「愛」だと思います。めんつゆなどの万能調味料をベースに、ほかの調味料や香辛料、水加減などで“味変”してみてはどうでしょうか。
簡単、おいしい、片付けがラクな「洋風親子丼」
紹介するレシピは「簡単」「おいしい」「片付けがラク」な「洋風親子丼」です。市販されているたまごスープを“万能調味料”として使い、材料はほとんどコンビニエンスストアで購入できるものにしました。火を使わず調理でき、ゴミが少なく片づけもラク。紹介したレシピをベースに、自分の感性で“味変”を楽しんでみてください。
杉本敬三さん直伝レシピ
洋風親子丼

ごはんにバター(20グラム)とドライオニオン(小さじ1)を加えまぜ、ピラフ風にして“味変”すると、より洋食っぽさが増します。

材料2人分
レトルトごはん | ・・・ | 1パック(1人前) |
---|---|---|
たまご | ・・・ | 2個 |
サラダチキン (プレーンタイプ) |
・・・ | 2分の1~1パック (100~200グラム) |
生ハム | ・・・ | 少々 |
たまごスープの素 | ・・・ | 1袋(1人前) |
片栗粉 | ・・・ | 小さじ1 |
長ねぎ | ・・・ | 少々 |
九条ねぎ | ・・・ | 少々 |
みょうが | ・・・ | 少々 |
ゆず | ・・・ | 少々 |
ゆずこしょう | ・・・ | 適量 |
作り方
- サラダチキンは袋から取り出し、極薄切りにする。袋に残ったジュレ状の汁は捨てずに残しておく。
- 長ねぎは白い部分を白髪ねぎにする。九条ねぎは青い部分をみじん切り、みょうがとゆずはできるだけ細い千切りにする。
- レトルトごはんを電子レンジで温め、生たまごを加えて混ぜ合わせる。
- (3)を2等分にして皿に盛り、 (1)のサラダチキンで覆いかくすようにドーム状に盛り付ける。サラダチキンの分量は好みで調節する。
- たまごスープの素と規定量の8割の水(分量外)、(1)のサラダチキンの汁を耐熱容器に入れ、電子レンジで温める。
- 片栗粉に水20cc(分量外)を入れて水とき片栗粉をつくり、(5)に入れてよく混ぜ、電子レンジで再度温めて、餡をつくる。
- (4)のうえに(6)をまわしかける。
- (7)に(2)の薬味と生ハムをトッピングし、好みでゆずこしょうを添える。
お問合せ先
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外食・食文化課食文化室
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