知って得する「乾物・干物」の基礎知識
3月のテーマ
和ごはん×保存食
かつお節や昆布などの乾物は、保存性を高めながら、旨みをギュッと閉じ込めた日本の伝統食。の料理に使う野菜や魚介、肉類も、保存の仕方次第で鮮度と旨みを保てます。今月は「保存」をキーワードに、おいしくて、食品ロス削減にもつながるコツを伝授しましょう。
保存食1知って得する「乾物・干物」の基礎知識
乾物と干物は、どちらも水分を抜き、乾燥させることで保存性を高め、旨みが増すところは同じ。一般的には海藻や野菜を乾燥させたものを「乾物」、魚介類を乾燥させたものを「干物」と呼んでいるようです。ここでは乾物にスポットをあててみます。
乾物選びのポイントは「かたさ」にあり
野菜や鮮魚などの生鮮食材と違い、見た目で判断するのは難しい乾物ですが、いくつかのポイントがあります。乾物は短時間で、しっかり乾燥させたほうが旨みは凝縮し、質が高くなるとされるため、「かたさ」がひとつの目安。例えばシイタケなら、傘の中央あたりを軽く指で押して、かたいほうを選びます。
また、汁物によく使うお麩は、断面がきめ細かく、気泡が少ないほうが、味がよくしみるといわれています。
等級表示のある海苔は試す価値あり
かつお節にはカビをつけて乾燥させた枯節・本枯節、カビをつける前の荒節があります。違いはというと、荒節のほうが魚の風味が強いだしになり、枯節・本枯節はすっきり上品なだしがとれ、料理人は用途によって使い分けているそうです。
削り方でも違いがあり、横に薄く削る“花かつお”はだし用に、縦に細かく削ったものは味がしみやすいので、冷ややっこにのせたり、タレで煮て佃煮に使ったりします。
海苔は色が黒々としているものを選ぶのが基本ですが、産地が多く、産地ごとに等級も細かく分かれてるものの、等級表示をしていない製品がほとんど。でも中には「本当においしい海苔を食べてほしい」と等級表示しているものもあります。一等級などの表示を見つけたら、ほかの海苔と食べ比べてみてもいいかもしれません。
水戻しをせずに、手軽に使える乾物も
多くの乾物は「だしをとるため」に使いますが、塩昆布のように乾物を「トッピング」として使うケースも増えています。これなら簡単で、例えば、カレーにかつお節を少しかけるだけで、だしのきいた蕎麦のカレー風に。辛さは中和され、たんぱく質も摂取できます。
水戻しをせず、そのまま野菜炒め物などにまぜると、旨みを吸った食材としても使える薄切り高野豆腐もあります。お麩では、星やハートなど形はいろいろ、色は赤やピンクなどカラフルで、すまし汁やスープに彩りを添えるものも注目されているとか。

だしをとる、水戻しをして使うのはちょっと面倒でも、こうした使い方なら、日々の「和ごはん」に無理なく取り入れられるのではないでしょうか。
取材協力:株式会社日本アクセス
https://www.nippon-access.co.jp/solution/merchandising/dry/ [外部リンク]
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