つくる楽しさ、知る楽しさ、食べる楽しさ
4・5月のテーマ
和ごはん×親子
食は命の源であり、食をきっかけに、親が子どもたちに教えられることもたくさんあります。一緒につくり、楽しみながら、子どもたちに食の大切さを教えてみませんか?今月のキーワードは「親子」。共同作業のコツや子どもがよろこぶお弁当づくりについてご紹介します。
親子5親の愛を表現するお弁当づくりのコツ
忙しい生活の中、核家族化や食の簡素化もあってか、朝食の欠食率も高くなっているのが現状です。調査結果では、10代(中・高校生)より上昇をはじめ、20代(男性が多め)で朝食を食べない人がかなり増加しているといいます。(厚生労働省:令和元年「国民健康・栄養調査」より)
人間の身体は水分や栄養素で構成されていること、身体を動かすエネルギーは食べものから得られるということを知るのは、健康に生きていくうえでとても大切なこと。
では、食べることで身体が維持、成長できること、つまり「食の大切さ」を子どもの頃から無理なく自然と身につけるにはどうしたらよいでしょうか。
食事づくりへの参加でつくる楽しさを知る
幼い子どもでも、自分が作業に加わることで食べてみたいという気持ちが強くなるといわれています。
まずは洗う、混ぜる、型抜きするなど、危険のない作業からはじめさせてみてください。ひとつのことができたら一歩ずつ先に進む。この方法だと子どもの達成感も生まれ、「またやってみたい」という次の期待にもつながります。
ご家族は、間違いや失敗は大目に見て「どうして失敗しちゃったのかな?」と、お子さんと一緒に考えてあげることも食育において大切なことです。

少し大きくなったら、「台所の中は危険がある」ということを理解させる必要もあります。
「火」や「刃物」が身近にあることを知って行動することで、安全な調理が確保できるからです。キッチンで騒がない、刃物を振り回さない、水をこぼしたら拭いておく、袖口を捲し上げるなどの行為は、自分のみならず周りの人をも危険から守ることなのだと知ってほしいのです。
食材を知る、扱い方が分かることでさらに興味が
料理の作業をしていくと、自然に食材への興味も出てきます。
「この野菜は畑ではどのようになっているの?」、「この食材はどこから運ばれてきたのかしら?」、「この乾物はどうやってつくられているのかな?」等々。お子さんの興味やモチベーションを持続させるためのひとつの方法として、庭やベランダで栽培できるミニトマトや二十日大根、レタスなどを一緒に育ててみるのもおすすめです。
食材をしっかり洗う、食べられない部分は取り除く、腐敗しやすいものを放置しない、など。食材をきちんと取り扱うことで、安全に、そして安心して食べることができる。これは、作業しながら覚えていけば無理なく身につくことが多いと思いますが、ぜひお子さんには理解してほしいこと。
その次に、私たちは動物や植物の命をいただいて食べていることも理解しければなりません。さらに食材を作る人や運ぶ人の苦労などを知ることで、「いただきます」「ごちそうさま」という言葉が自然に出てくるようになるはずです。
また、歳時と和食は日本のよき伝統です。四季で採れる旬の野菜や魚の違いが行事食にも表れています。正しい食器の並べ方や箸の持ち方も和食の基本。日々の食事を通して伝え、継承していってほしいと思います。

家族で共有する食べる楽しさ
食材を知ることで知識が増し、調理作業が家族一緒に楽しく過ごす時間だとお子さんが思えるようになれば、さらに食べることも自然と楽しくなり、幸福感をも育むことでしょう。調理や食事が家族とのふれあいの場であることは、子どもの健全な心身の育成や、生涯を通じてよい食生活を実践する力を育むためのとても重要なポイント。ゆえに「食育の基本は家庭にあり!」といえそうです。
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