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米のとぎ汁漬けで食材を作り置き!

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食品ロス

和食には現代の私たちの生活にも生かしていける「知恵」と呼べるような技術がたくさんあります。今回はそんな中から江戸時代を中心に広がった発酵食品に関する知恵、日々の料理に生かせる技術のポイントを学んでいきましょう。

食品ロス2米のとぎ汁漬けで食材を作り置き!

「米のとぎ汁漬け」は、腸内環境を整え、免疫力を高める発酵食品。栄養価の高い米のとぎ汁に野菜を漬け、冷蔵庫で保存。野菜が長持ちし、普段の生ゴミが減る優れもの。家庭の食品ロス削減に取り入れたい、作りおきできる発酵食品です。今回は江戸料理・文化研究家の車浮代さんに「米のとぎ汁漬け」についていろいろお聞きしました。
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話題の発酵食品「米のとぎ汁漬け」とは?

「米のとぎ汁漬け」は、米のとぎ汁に少々の粗塩を加えて漬け汁にし、カットした野菜を漬けて作ります。日本は江戸時代から「米のとぎ汁」を有効活用していたんですよ。米のとぎ汁漬けは、まだ食べられるのに捨てていた野菜を使い切るので、食品ロス削減になり、家計の節約にもなりますね。 米をとぐのはぬかを落としているということで、ビタミンE、B1などのぬかの栄養成分がとぎ汁に溶け出しています。野菜の表面についているたくさんの乳酸菌が、米のとぎ汁の糖質を栄養源に増殖して発酵し、免疫力を高める浅漬けになるのです。日本は発酵食品が世界で最も多い国ですが、これは、家庭で簡単にできる発酵食品です。

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漬けてから発酵するまではどのくらい?

漬ける目安はひと晩。時間が経つごとに発酵が進みます。1~2週間冷蔵保存すれば、酸味やうまみが増し、しっかりとした漬け物になります。早く発酵させたいときは、1日室温に置いてから冷蔵庫に入れてください。暖かい日は冷蔵庫を使ってくださいね。野菜を食べきって残った漬け汁に新しい野菜を加えると早く漬かります。

米のとぎ汁漬けを活用できる料理は?

「米のとぎ汁漬け」をはどんな料理にも使える健康食材です。いろいろな料理の食材として活用いただけます。
今回ご紹介する和風ポトフ以外にも、野菜を材料として作る料理であれば置き換えが可能です。

例えば、焼きそばや焼きうどんの具材。炒めることで野菜のうまみが際立ち、おいしさ倍増です。トマトベースのコクのあるラタトゥイユは具だくさんで、朝食やランチ、肉料理のサイドメニューにぴったり。その他、味噌汁、スープ、鍋物、蒸し物、煮物の具材、ナムルや酢の物、和え物などもおすすめです。「米のとぎ汁漬け」は様々な野菜を漬けておくことで切る手間も省けて調理も時短になります。忙しい日の総菜作りに最強食材です。野菜をしっかりとれる「米のとぎ汁漬け」を毎日の食卓に並べてほしいと思います。

米のとぎ汁漬け

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調理時間約5分

【漬け汁】
2回目、3回目の濃い米のとぎ汁 ・・・ 200cc
岩塩または海塩の粗塩 ・・・ 6グラム
※これより多い分量を漬け込む場合は、この割合でつけ汁を増量する。
【漬け込む食材】
玉ねぎ、キャベツ、にんじん、白菜など生で食べられる野菜 ・・・ 保存容器に入る量をお好みで。
ブロッコリーやきのこなど、火を通して食べる野菜 ・・・ 保存容器に入る量をお好みで。

作り方

  • 2回目、3回目の濃い米のとぎ汁200ccに、岩塩または海塩の粗塩6グラムの割合で作る。
  • <ねぎ、キャベツ、にんじん、白菜など生で食べられる野菜>
    各野菜は食べやすい大きさに切り、きれいに洗った保存容器に入れる。分量の粗塩を混ぜた漬け汁を、野菜が浸る程度に注ぎ入れ、蓋をして冷蔵庫で保存する。(保存は冷蔵で2週間)。
  • <ブロッコリーやきのこなど、火を通して食べる野菜>
    漬け汁で茹で、冷ましてから冷蔵庫で保存する(保存は冷蔵で2週間)。

表面に白い膜がはってしまったら、発酵が進んで乳酸菌が増殖してきた合図です。容器の縁に白い膜(産膜酵母)がついたら、これは酵母菌で人体には無害。漬け汁に混ぜればOK。
無洗米を使っているなど、とぎ汁がない場合は、水200ccに対し、米粉や上新粉小さじ1の割合で溶かせばOK。

漬け野菜で作る和風ポトフ

ビタミンとミネラル類が豊富な野菜を漬けたお手軽発酵浅漬けで、免疫力アップ。毎日でも食べたい、野菜の甘みがおいしいヘルシーポトフです。

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調理時間約25分

材料2人分

【米のとぎ汁漬けをした食材】
玉ねぎ ・・・ 1個
にんじん ・・・ 1本
キノコ類(お好みのものを) ・・・ 1パック
ブロッコリー ・・・ 1/4株
しょうゆ ・・・ 大さじ1
【だし汁】
・・・ 500ml程度
だしパック ・・・ 1袋
干し椎茸(水で戻したもの・なくてもOK) ・・・ 2~3枚
塩、黒こしょう ・・・ 各適宜
粒マスタード ・・・ 適宜

作り方

  • 土鍋に水、だしパック、軸を切り落とした干し椎茸を入れて煮立て、沸騰したら中火で4~5分煮出す。火を止めだしパックを取り出す。
  • (1)に米のとぎ汁漬けの野菜、一口大に切ったソーセージを入れて強火にかけ、煮立ったら弱火にして15分煮る。塩とこしょうで味をととのえる。好みで粒マスタードをつけていただく。

    取材協力

    車浮代(くるまうきよ)さん

    時代小説家/江戸料理・文化研究家。大阪府出身。企業内グラフィックデザイナーを経て、作家の柘いつか氏に師事。江戸時代の料理の研究と再現、江戸文化に関する講演のほか、TVやラジオのレギュラーも。著書に『免疫力を高める最強の浅漬け』(マキノ出版)、『発酵食品でつくるシンプル養生レシピ』(東京書籍)、『江戸っ子の食養生』(ワニブックスPLUS新書)ほか多数。
    車浮代 公式サイト(外部リンク)

    お問合せ先

    大臣官房新事業・食品産業部
    外食・食文化課食文化室

    代表:03-3502-8111(内線3085)
    ダイヤルイン:03-3502-5516